Solstice AutoClient 2.1 管理者ガイド

第 2 章 AutoClient 製品の概要

Solstice AutoClient 製品を使用して、AutoClient システムを設定したり、システムに対する変更を管理することができます。本章では、この後の章で説明する作業を正しく行うことができるように、AutoClient 製品について説明します。

この章では、次の事項について説明します。

Solstice AutoClient 2.1 の新機能

Solstice AutoClient 2.1 には、次の新機能が追加されています。

サーバー、クライアント、OS の構成

表 2-1 に、Solstice AutoClient 2.1 ソフトウェアでサポートされるサーバーとクライアントの構成を示します。

表 2-1 サポートされるサーバーおよびクライアントの構成

サーバー 

クライアント 

OS 

Solaris 2.3 ‾ 2.5.1 が稼働している SPARC サーバー 

SPARC クライアント 

Solaris 2.4 ‾ 2.5.1 

 

x86 クライアント 

Solaris 2.4 ‾ 2.5.1 

Solaris 2.4 ‾ 2.5.1 が稼働している x86 サーバー 

SPARC クライアント 

Solaris 2.4 ‾ 2.5.1 

 

x86 クライアント 

Solaris 2.4 ‾ 2.5.1 

必要なディスク容量

表 2-2 に、AutoClient サーバーおよび AutoClient システムに必要となるディスク容量を示します。

表 2-2 必要なディスク容量

システムタイプ 

ファイルシステム 

必要なディスク容量 (最低限) 

AutoClient システムのサーバー 

/ (ルート)

1 M バイト 

 

/usr

4 M バイト 

 

/usr

7.5 M バイト 

 

/export

17 M バイト (各 OS ごとに) OS に最低限必要なディスク容量です。インストールする OS により異なりますが、実際に必要なディスク容量は、より大きなものになる場合があります。 

 

/export

20 M バイト (各 AutoClient システムごとに) 

注 - AutoClient システムをサーバーに追加する時、各システムにつき 20 M バイトの領域を確保するディレクトリとして、デフォルトで /export/root ディレクトリが指定されます。ただし、使用可能なディスク領域がある任意のディレクトリを指定することもできます。詳細は、 「AutoClient システムの追加」を参照してください。

AutoClient システム 

/ ( ルート) および

共有された /usr 用のキャッシュファイル

70 M バイト 


注意 - 注意 -

AutoClient は、システムのディスク全体を使用します (AutoClient のディスク構成についての詳細は、表 6-3 を参照してください)。すでにディスク上にあるデーターは上書きされてしまいます。データーが必要な場合は、システムを追加してブートを行う前に、別の場所にデーターを保存しておいてください (詳細は、「AutoClient システムの追加」を参照してください)。


設定と移行

Solaris 2.5 以降のオペレーティングシステムでは、ネットワークに新たに AutoClient システムを追加したり、表 2-3 のように AutoClient システムを変換したりすることができます。

表 2-3 AutoClient システムの変換

変換前 

変換後 

汎用システム 

AutoClient システム 

スタンドアロンシステム 

AutoClient システム 

データレスシステム 

AutoClient システム 

AutoClient システム 

スタンドアロンシステム 


注意 - 注意 -

既存の汎用 (generic) システム、データレスシステム、スタンドアロンシステムを AutoClient システムに変換する場合は、再インストールとみなしてください。システム中の既存データーはすべて、AutoClient システムを最初にブートする時点で上書きされます。



注 -

AutoClient システムでは、1 ディスクまたは 2 ディスクの構成のみがサポートされます。AutoClient システムには、その他のディスク構成はお勧めできません。選択するディスク構成によっては、1 ディスクまたは 2 ディスク全体が AutoClient 製品によって上書きされることがあります。ディスク構成オプションについては、表 6-3 を参照してください。


制限事項

AutoClient システムをネットワークに設定する時には、次の制限事項に注意してください。

AutoClient システムとホストマネージャ

AutoClient システムのインストール、設定、管理は、コマンド行インタフェースまたはホストマネージャのいずれを使用しても実施できます。ホストマネージャは、ネットワーク内の AutoClient システムを効率的かつ簡単に管理するためのグラフィカルユーザーインタフェースです。システム管理者はホストマネージャを使用して、次の作業を行うことができます。

ホストマネージャに対応するコマンド行インタフェース

表 2-4 に、ホストマネージャに対応するコマンドを示します。各コマンドは、OpenWindowsTM などの X Window System がなくでも実行できます。第 6 章「AutoClient システムの管理」で説明する処理はほとんど、コマンド行インタフェースを使用して同じ処理を実行することができます。

表 2-4 ホストマネージャに対応するコマンド行インタフェース

コマンド 

説明 

admhostadd

システムまたは OS サーバーを新しく追加します。 

admhostmod

既存のシステムまたは OS サーバーを変更します。既存の OS サーバーに OS サービスを追加することもできます。 

admhostdel

既存のシステムまたは OS サーバーを削除します。 

admhostls

指定したネームサービスに登録されているシステム情報を表示します。 

admhostls -h

指定したネームサービスに登録されているシステムハードウェア情報を表示します。 

ホストマネージャで変更できるファイル

表 2-5 に、AutoClient システムの追加や管理を行う時に、ホストマネージャで変更できるシステムファイルを示します。

表 2-5 ホストマネージャで変更できるファイル

システムファイル 

変更箇所 

説明 

bootparams

/etc ファイル、NIS、 NIS+ のいずれか

クライアントのブートとインストールを行うソフトウェアのパス、およびクライアントのルートとスワップ領域を示すパスを提供するサーバーが記録されているデータベースです。 

/etc/dfs/dfstab

ファイルサービスを提供しているサーバー 

ファイル資源がクライアントシステムで使用できるようにする share コマンドが含まれているファイルです。

ethers

/etc ファイル、NIS、NIS+ のいずれか

クライアントの Ethernet アドレスが記録されているデータベースです。 

hosts

/etc ファイル、NIS、NIS+ のいずれか

クライアントのホスト名と IP アドレスが記録されているデータベースです。 

timezone

/etc ファイル、NIS、NIS+ のいずれか

クライアントのタイムゾーンが記録されているデータベースです。 

/export/root

ファイルサービスを提供しているサーバー 

ディスクレスクライアントまたは AutoClient システムのルートファイルが置かれているデフォルトのディレクトリです。 

/export/swap

ファイルサービスを提供しているサーバー 

ディスクレスクライアントのスワップファイルが置かれているデフォルトのディレクトリです。 

/var/sadm/softinfo

 

OS サービスを提供している Solaris 2.3 および 2.4 サーバー 

Solaris 2.3 および 2.4 サーバーで有効な OS サービスのリストが置かれているディレクトリです。 

/var/sadm/system/admin/services

 

OS サービスを提供している Solaris 2.5 以降のサーバー 

Solaris 2.5 以降のサーバーで有効な OS サービスのリストが置かれているディレクトリです。 

/tftpboot

ブートサービスを提供するサーバー 

SPARC クライアントのブート情報が置かれているディレクトリです。

/rplboot

ブートサービスを提供するサーバー 

x86 クライアントのブート情報が置かれているディレクトリです。 

/etc/inetd.conf

ブートサービスを提供するサーバー 

tftp および rpl ブートデーモンを起動するシステムファイルです。

cred.org_dir

NIS+ 

ホストの DES および LOCAL の資格を保管するために使用される NIS+ テーブルです。