Oracle® Solaris Cluster Data Service for Oracle Real Application Clusters ガイド

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更新: 2014 年 7 月、E52256–01
 
 

ストレージ管理の要件

このセクションでは、Oracle RAC のストレージ管理に関する次の情報を提供します。

Oracle Database ファイル用のストレージ管理の要件

Oracle RAC のサポート は、次の表に示されている Oracle Database ファイル用のストレージ管理スキームを使用できます。表は、各ストレージ管理スキームで格納できる Oracle Database ファイルまたは Oracle Grid Infrastructure ファイルのタイプの要約を示します。Oracle Database ファイルのすべてのタイプを格納できるストレージ管理スキームの組み合わせを選択していることを確認します。

表内の各記号の意味は次のとおりです。

はい

ストレージ管理スキームが Oracle Database ファイルのタイプを格納できることを示します。

*

Oracle Database バージョン 12c リリース 1 以降ではストレージ管理スキームが Oracle Database ファイルのタイプを格納できますが、バージョン 11g リリース 2 では格納できないことを示します。

いいえ

ストレージ管理スキームが Oracle Database ファイルのタイプを格納できないことを示します。

表 1-2  Oracle DBMS ファイル用のストレージ管理スキーム
Oracle DBMS のファイルタイプ
Solaris Volume Manager for Sun Cluster スキーム
ハードウェア RAID スキーム
Sun QFS 共有ファイルシステムスキーム
認定済み NAS デバイススキーム
Oracle ASM スキーム
クラスタファイルシステムスキーム
Oracle ACFS ファイルシステムスキーム
ローカルディスクスキーム
インストールバイナリファイル
いいえ
いいえ
はい
はい
いいえ
はい
はい
はい
構成ファイル
いいえ
いいえ
いいえ
はい
いいえ
はい
はい
はい
システムパラメータファイル (SPFILE)
いいえ
いいえ
はい
はい
はい
はい
いいえ
いいえ
警告ファイル
いいえ
いいえ
はい
はい
いいえ
はい
はい
はい
トレースファイル
いいえ
いいえ
はい
はい
いいえ
はい
はい
はい
データファイル
はい
はい
はい
はい
はい
いいえ
*
いいえ
制御ファイル
はい
はい
はい
はい
はい
いいえ
*
いいえ
オンライン再実行ログファイル
はい
はい
はい
はい
はい
いいえ
*
いいえ
アーカイブされた再実行ログファイル
いいえ
いいえ
はい
はい
はい
はい
*
いいえ
フラッシュバックログファイル
いいえ
いいえ
はい
はい
はい
はい
*
いいえ
リカバリファイル

高速リカバリ領域は、クラスタファイルシステム上に配置できません。このファイルセットにオンライン再実行ログが含まれているためです。

いいえ
いいえ
はい
はい
はい
いいえ
*
いいえ
表 1-3  Oracle Grid Infrastructure ファイル用のストレージ管理スキーム
Oracle Grid Infrastructure ファイルタイプ
Solaris Volume Manager for Sun Cluster スキーム
ハードウェア RAID スキーム
Sun QFS 共有ファイルシステムスキーム
認定済み NAS デバイススキーム
Oracle ASM スキーム
クラスタファイルシステムスキーム
Oracle ACFS ファイルシステムスキーム
ローカルディスクスキーム
インストールバイナリファイル
いいえ
いいえ
いいえ
はい
いいえ
いいえ
いいえ
はい
OCR ファイル
はい
はい
はい
はい
はい
はい
いいえ
いいえ
投票ディスク
はい
はい
はい
はい
はい
はい
いいえ
いいえ

詳細については、使用している Oracle Database のバージョン用の Oracle Database のインストールガイドで、データベースストレージオプションに関するドキュメントを参照してください。

Oracle Grid Infrastructure のストレージ管理の要件

Oracle Grid Infrastructure バイナリインストールファイルは、次のストレージ管理スキームでサポートされます。

  • 修飾されたネットワーク接続ストレージ (NAS) デバイス

  • ローカルファイルシステム

Oracle Grid Infrastructure Oracle Cluster Registry (OCR) と投票ディスクは、次のストレージ管理スキームでサポートされます。

  • Solaris Volume Manager for Sun Cluster

  • ハードウェア Redundant Array of Independent Disks (RAID) サポート

  • ハードウェア RAID サポートまたは Solaris Volume Manager for Sun Cluster を使用した Sun QFS 共有ファイルシステム

  • 修飾されたネットワーク接続ストレージ (NAS) デバイス

  • Oracle ASM

  • クラスタファイルシステム

  • (Oracle Database 12c 以降) Oracle ACFS ファイルシステム

Oracle RAC のサポート データベース用のストレージ管理の要件

Oracle RAC のサポート データベースには次のストレージ管理スキームを使用できます。

  • Solaris Volume Manager for Sun Cluster

  • ハードウェア Redundant Array of Independent Disks (RAID) サポート

  • ハードウェア RAID サポートまたは Solaris Volume Manager for Sun Cluster を使用した Sun QFS 共有ファイルシステム

  • 修飾されたネットワーク接続ストレージ (NAS) デバイス

  • Oracle ASM

  • (Oracle Database 12c 以降) Oracle ACFS ファイルシステム


Caution

注意  -  SUNW.ScalDeviceGroup 検証のパフォーマンス低下や障害が発生するのを避けるため、Solaris Volume Manager ミラー化論理ボリュームを使用して Oracle ASM を構成しないでください。


Oracle Database バイナリファイルと構成ファイル用のストレージ管理の要件

次の場所の 1 つに Oracle Database バイナリファイルと構成ファイルをインストールできます。

Oracle Database バイナリファイルと構成ファイル用のローカルディスクの使用

個々のクラスタノード上に Oracle Database バイナリファイルおよび構成ファイルを配置すると、データサービスをシャットダウンせずに Oracle Database アプリケーションをあとでアップグレードできます。


注 -  一部のバージョンの Oracle Database ソフトウェアでは、アップグレード中にデータサービスをシャットダウンする必要があります。データサービスをシャットダウンせずに Oracle Database アプリケーションをアップグレードできるかどうかを判定するには、Oracle Database のドキュメントを参照してください。

欠点は、保守および管理する Oracle Database アプリケーションのバイナリファイルと Oracle Database 構成ファイルのコピーが複数になることです。

Oracle Database バイナリファイルと構成ファイル用の 共有ファイルシステム の使用

Oracle RAC のサポート インストールの保守を単純化するために、Oracle Database バイナリファイルと構成ファイルを共有ファイルシステムにインストールできます。


注 -  Oracle Grid Infrastructure バイナリは、クラスタファイルシステムまたは Sun QFS 共有ファイルシステム上に配置できません。

次の共有ファイルシステムがサポートされます。

  • Sun QFS 共有ファイルシステム

  • 認定済み NAS デバイス上のファイルシステム

  • Solaris Volume Manager を使用する PxFS ベースのクラスタファイルシステム

  • ACFS ファイルシステム

Oracle Database バイナリファイルと構成ファイルを共有ファイルシステム上に配置する場合に保守および管理するコピーは 1 つのみです。ただし、Oracle Database アプリケーションをアップグレードするには、クラスタ全体でデータサービスをシャットダウンする必要があります。アップグレードのための短期間のダウンタイムを許容できる場合は、共有ファイルシステムに Oracle Database バイナリファイルと構成ファイルの単一のコピーを配置してください。

ゾーンクラスタによってサポートされるストレージ管理スキーム

実行している Oracle RAC のサポート のバージョンに応じて、ゾーンクラスタで Oracle RAC のサポート を実行するために、次のストレージ管理スキームを使用できます。

  • Solaris Volume Manager for Sun Cluster

  • Solaris Volume Manager またはハードウェア RAID サポートを使用した Sun QFS 共有ファイルシステム

  • フェンシングを使用した認定済み NAS デバイス上のファイルシステム

  • Oracle ASM

  • (Oracle Database 12c 以降) Oracle ACFS ファイルシステム