Oracle® Solaris Cluster Data Service for Oracle Real Application Clusters ガイド

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更新: 2014 年 7 月、E52256–01
 
 

Oracle Solaris Cluster と Oracle Grid Infrastructure の相互運用の実現方法

    このタスクを実行すると、clsetup ユーティリティーによって、Oracle Grid Infrastructure との相互運用を実現する次のリソースが作成されます。

  • Oracle RAC のサポート データベースのプロキシとして機能する Oracle Solaris Cluster リソース

  • Oracle Grid Infrastructure フレームワークを表す Oracle Solaris Cluster リソース

  • 次に示すストレージ選択肢のいずれか 1 つ

    • スケーラブルなデバイスグループとスケーラブルなファイルシステムマウントポイントを表す Oracle Grid Infrastructure リソース

    • Oracle ASM ディスクグループを表す Oracle Grid Infrastructure リソース

始める前に

次の前提条件を満たしていることを確認します。

Oracle データベースが実行中かどうかを判定するには、次のように Oracle Database srvctl コマンドを使用します。

$ srvctl status database -d db-name

db-name には、Oracle データベースの名前を指定します。

    次の情報を用意してください。

  • Oracle Grid Infrastructure ホームディレクトリへのフルパス

  • Oracle Database ホームディレクトリへのフルパス

  • 使用している Oracle ファイル用のすべての Oracle Solaris Cluster ストレージリソースの名前

  1. クラスタの 1 つのノードで、root 役割になります。
  2. clsetup ユーティリティーを起動します。
    # clsetup

    clsetup のメインメニューが表示されます。

  3. 「データサービス」メニュー項目を選択します。

    「データサービス」メニューが表示されます。

  4. 「Oracle Real Application Clusters」メニュー項目を選択します。

    clsetup ユーティリティーは、Oracle RAC のサポート に関する情報を表示します。

  5. Return キーを押して続行します。

    clsetup ユーティリティーは、Oracle RAC のサポート の初期構成を実行するか既存の構成を管理するかを選択するように求めます。

  6. 「Oracle RAC のサポート 構成の作成」メニュー項目を選択します。

    clsetup ユーティリティーから、Oracle RAC のサポート クラスタの場所を選択するよう求められます。この場所は、グローバルクラスタまたはゾーンクラスタのどちらかにできます。

  7. Oracle RAC のサポート クラスタの場所に対応するオプションの番号を入力し、Return キーを押します。
    • グローバルクラスタのオプションを選択した場合、clsetup ユーティリティーは、構成する Oracle RAC のサポート のコンポーネントのリストを表示します。Step 11 に進みます。
    • ゾーンクラスタのオプションを選択した場合、clsetup ユーティリティーは、必要なゾーンクラスタを選択するよう求めます。Step 10 に進みます。
  8. 必要なゾーンクラスタに対応するオプションの番号を入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、構成する Oracle RAC のサポート のコンポーネントのリストを表示します。

  9. メニュー項目「Oracle Real Application Clusters データベースインスタンス用のリソース」を選択します。

    clsetup ユーティリティーは、クラスタで構成されている Oracle RAC のサポート データベースの名前のリストを表示します。

  10. 構成している Oracle RAC のサポート データベースの名前を指定します。
    • 名前が一覧に表示されている場合は、選択する名前に対応する番号を入力して、Return キーを押します。

      clsetup ユーティリティーは、クラスタ上に存在する Oracle Database ホームディレクトリの一覧を表示します。

    • 名前が一覧に表示されていない場合は、名前を明示的に指定します。
      1. e と入力して、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーから、構成している Oracle RAC のサポート データベースの名前を入力するよう求められます。

      2. 構成している Oracle RAC のサポート データベースの名前を入力し、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーによって、クラスタ上に存在する Oracle ホームディレクトリの一覧が表示されます。

  11. Oracle RAC のサポート ソフトウェアのインストール用 Oracle Database ホームディレクトリを指定します。
    • ディレクトリが一覧に表示されている場合は、選択するディレクトリに対応する番号を入力して、Return キーを押します。

      clsetup ユーティリティーにより、クラスタに構成されている Oracle Database システム識別子のリストが表示されます。このユーティリティーからはまた、リスト内のノードのうち Oracle RAC のサポート を実行する最初のノードのシステム識別子も指定するよう求められます。

    • ディレクトリが一覧に表示されていない場合は、ディレクトリを直接指定します。
      1. e と入力して、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーから、Oracle Database ホームディレクトリを入力するよう求められます。

      2. Oracle Database ホームディレクトリへのフルパスを入力して、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーによって、クラスタ上に構成されている Oracle システム識別子の一覧が表示されます。このユーティリティーからはまた、リスト内のノードのうち Oracle RAC のサポート を実行する最初のノードのシステム識別子も指定するよう求められます。

  12. 使用するストレージリソースに対応する番号のリストをコンマ区切りまたはスペース区切りで入力して、Return キーを押します。
    • 「Oracle ASM」を選択すると、clsetup ユーティリティーによって、Oracle ASM ディスクグループリソースの名前が表示されます。
    • 「その他」を選択すると、clsetup ユーティリティーによって、使用可能なスケーラブルなデバイスグループおよびスケーラブルなマウントポイントリソースが表示されます。
  13. 使用するストレージリソースのオプション番号を入力します。

    clsetup ユーティリティーは、このユーティリティーが作成する Oracle Solaris Cluster オブジェクトの名前を表示します。

  14. Oracle Solaris Cluster オブジェクトに別の名前が必要な場合は、名前を変更します。
    1. 変更する名前に対応するオプションの番号を入力し、Return キーを押します。

      clsetup ユーティリティーは、新しい名前を指定できる画面を表示します。

    2. 「新しい値」プロンプトで、新しい名前を入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、このユーティリティーが作成する Oracle Solaris Cluster オブジェクトの名前のリストに戻ります。

  15. 選択した Oracle Solaris Cluster オブジェクト名を確定するには、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、このユーティリティーが作成する Oracle Solaris Cluster の構成に関する情報を表示します。

  16. 構成を作成するには、c と入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、構成を作成するためにこのユーティリティーがコマンドを実行していることを示す進行状況のメッセージを表示します。構成が完了した時点で、clsetup ユーティリティーは、構成を作成するためにユーティリティーが実行したコマンドを表示します。

  17. Return キーを押して続行します。

    clsetup ユーティリティーは、Oracle RAC のサポート を構成するためのオプションのリストに戻ります。

  18. (オプション) clsetup ユーティリティーが終了するまで繰り返し q と入力し、Return キーを押します。

リソースの構成

次の表に、タスク完了時に clsetup ユーティリティーによって作成される Oracle Solaris Cluster リソースのデフォルトの構成の一覧を示します。

リソースタイプ、リソース名、およびリソースグループ
依存関係
説明
リソースタイプ: SUNW.crs_framework
リソース名: crs_framework-rs
リソースグループ: rac-framework-rg
Oracle RAC のサポート フレームワークリソースに対する強い依存関係。
Oracle ファイル用のすべてのスケーラブルなデバイスグループリソースに対するオフライン再起動依存関係。
ボリュームマネージャーなしで共有ファイルシステムを使用している場合、このリソースには、Oracle ファイルのすべてのスケーラブルなファイルシステムマウントポイントリソースに対するオフライン再起動依存関係があります。
共有ファイルシステムまたはボリュームマネージャーを使用していない場合、このリソースには、ほかのどのリソースに対するオフライン再起動依存関係もありません。
Oracle Grid Infrastructure フレームワークリソース。
リソースタイプ: SUNW.scalable_rac_server_proxy
リソース名: rac_server_proxy-rs
リソースグループ: rac_server_proxy-rg
Oracle RAC のサポート フレームワークリソースに対する強い依存関係。
Oracle Grid Infrastructure フレームワークリソースに対するオフライン再起動依存性。
Oracle RAC のサポート データベースサーバーのプロキシリソース。

注 -  ゾーンクラスタ用のリソースの構成については、Appendix A, このデータサービスの構成例の図を参照してください。

また、clsetup ユーティリティーは、各種 Oracle コンポーネントが依存するスケーラブルなデバイスグループおよびスケーラブルなファイルシステムマウントポイントについて、Oracle Solaris Cluster リソースごとに Oracle Grid Infrastructure リソースを作成します。

clsetup ユーティリティーが作成する各 Oracle Grid Infrastructure リソースの名前は次のとおりです。

sun.node.sc-rs

    この名前の各部分の意味は次のとおりです。

  • node は、Oracle Grid Infrastructure リソースが実行されるノードの名前を指定します。

  • sc-rs は、Oracle Grid Infrastructure リソースが表す Oracle Solaris Cluster リソースの名前を指定します。このリソースは、Oracle Database ファイル用のストレージリソースの登録および構成で説明したタスクを実行すると作成されます。

node 上のデータベースインスタンスの Oracle Grid Infrastructure リソースは、clsetup ユーティリティーがそのノード用に作成する Oracle Grid Infrastructure リソースに依存します。データベースインスタンスの Oracle Grid Infrastructure リソースは、Oracle RAC のサポート のインストールおよび構成中に作成されます。

ノード上に存在するデータベースインスタンスの Oracle Grid Infrastructure リソースの名前は次のとおりです。

ora.dbname.db

dbname 部分は、Oracle Grid Infrastructure リソースが表すデータベースインスタンスのデータベース名です。

次のステップ

Oracle RAC のサポート のインストールと構成の確認に進みます。