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Oracle® ZFS Storage Appliance 顧客サービスマニュアル ZS3-x、7x20 コントローラ、および DE2-24、Sun Disk Shelf 用 |
ソフトウェアアップグレードの適用に続いて、アップグレードに新しいバージョンのファームウェアが含まれるハードウェアがアップグレードされます。ファームウェアのアップグレードが可能なデバイスには数種類あります。それぞれに明確な特徴があります。
ディスク、ストレージ格納装置、および特定の内部 SAS デバイスは、バックグラウンドでアップグレードされます。これが発生すると、ファームウェアアップグレードの進行状況が BUI の「保守」 > 「システム」ビューの左パネル、または CLI の maintenance system updates コンテキストに表示されます。特定の遅延更新をハードウェア以外のコンポーネントに適用すると、いくつかの未処理更新が簡潔に表示されることがありますが、このようなファームウェアの更新はほとんどの場合がハードウェア関連です。
2010.Q3.4 時点では、未処理の更新が存在する場合、該当する更新の番号の横に情報アイコンまたは警告アイコンが表示されます。このアイコンをクリックすると「ファームウェアの 更新」ダイアログが表示され、現在の未処理の更新が一覧表示されます。更新ごとに、コンポーネントの最新バージョン、前回の更新日時、前回の更新に失敗した理由も表示されます。
未処理の更新は、「保留」、「処理中」、「失敗」の 3 つのうちいずれかの状態にあるものとします。更新は「保留」状態で開始され、定期的に再試行されます。再試行中は、「処理中」状態になります。過渡条件のために更新に失敗すると、更新は「保留」状態に戻ります。それ以外の場合は、「失敗」状態に移行します。
一般に、問題の発生を示しているのは次の場合だけです。
「失敗」状態の更新が存在します。
「保留」状態 (または「保留」と「処理中」の中間状態) の更新が長時間 (30 分以上) にわたって残っており、その間、未処理の更新の数が減少しません。
次の条件は問題を示すものではありません。
ディスクファームウェアの更新が長時間にわたって保留ステータスを示しており、ステータスメッセージは、該当するディスクがどのプールにも属していないことを示しています。この状態は想定内です。ディスクファームウェアだけを更新していることを考えると、プールに属さないディスクが存在していることが原因と思われます。更新するには、これらのディスクをプールに追加します。
複数のシャーシが更新されており、処理は進行していますが (未処理の更新の数は減少していますが)、一部のシャーシが一時的に保留ステータスになり、一部のディスクにパスが 1 つしかないことを示すステータスメッセージが表示されます。この状態も想定内です。シャーシを更新する場合は、いずれかのエクスパンダをリセットすることがあるからです。エクスパンダをリセットすると一部のディスクが一時的にパスが 1 つしかない状態になるため、稼働状態で安全に再試行できる状態になるまでほかのシャーシに対する更新は保留されます。
現時点では、「ファームウェアの 更新」ダイアログは自動的にリフレッシュされないため、最新情報を確認するには、いったんダイアログボックスを閉じてから再度開く必要があります。
常に、ハードウェア更新の適用は完全に安全な方法で実行されます。つまり、システムがハードウェアの更新を適用できない状態の可能性もあります。このことは、クラスタ構成のコンテキストで特に重要になります。テイクオーバーおよびフェイルバックが実行中の場合、処理中のファームウェアのアップグレードは完了し、保留中のファームウェアのアップグレードは、テイクオーバーまたはフェイルバックが完了するまで中断されます。テイクオーバーまたはフェイルバックが完了した時点で、新しいクラスタ状態のコンテキストで下記の制限が再評価され、可能な場合はファームウェアのアップグレードが再開されます。
![]() | 注意 - 絶対に必要な場合を除いて、ファームウェアのアップグレードの進行中はテイクオーバーおよびフェイルバックの操作を実行しないでください。 |
次に説明する順次アップグレード手順は、これらのベストプラクティスをすべて満たしており、下記のデバイスクラスごとの制限にも対処します。クラスタ環境でアップグレードを実行するときは、常に従う必要があります。クラスタ環境とスタンドアロン環境のどちらでも、リブート時または診断システムソフトウェアの再起動時に、これらの条件も再評価されます。これにより、以前に中断された、または不完全なファームウェアのアップグレードが再開される場合があります。
一般に、ディスクおよび特定の SAS デバイス以外のストレージコントローラ内部のコンポーネント (HBA やネットワークデバイスなど) は、ブート中に自動的にアップグレードされます。このようなアップグレードは表示されず、管理インタフェースが使用可能になるときまでに完了します。
ディスクまたはフラッシュデバイスのファームウェアをアップグレードするには、プロセス中にデバイスをオフラインにする必要があります。この操作を可能にするための冗長がストレージプールに不足している場合は、ファームウェアのアップグレードが完了せず、「stalled」と表示される可能性があります。ストレージプールの一部であるディスクおよびフラッシュデバイスがクラスタピアで現在使用されている場合は、アップグレードされません。最後に、任意のストレージプールの一部ではないディスクおよびフラッシュデバイスはアップグレードされません。
ディスクシェルフ内のファームウェアをアップグレードするには、すべての格納装置内の全ディスクへの両方のバックエンドストレージパスをアクティブにして、アップグレード対象のすべてのシェルフでストレージを構成する必要があります。各コントローラに 1 つ以上のアクティブなプールを持つクラスタの場合、これらの制限は、ディスクシェルフファームウェアのアップグレードは「所有者」状態のコントローラでしか実行できないことを意味します。
ファームウェアのアップグレードプロセス中は、ハードウェアの取り外しと取り付け、またはオフラインとオンラインが行われているように見えます。これらのアクションによって発生する警告が抑制されている場合、「保守」 > 「ハードウェア」画面または「構成」 > 「ストレージ」画面を表示すると、これらのアップグレードの効果が存在しないデバイスまたはオフラインのデバイスの形式で UI に表示される場合があります。これについて懸念する必要はありません。ただし、ハードウェアビューをリフレッシュしたあとも、デバイスが長期間 (数分以上) オフライン状態または存在しない状態のままの場合は、デバイスに問題があることを示している可能性があります。「保守」 > 「問題」ビューで、関連する障害が確認されているかどうかをチェックします。さらに、ファームウェアのアップグレード中にディスクシェルフ内のコントローラがオフライン状態のままである場合もあります。これが発生した場合は、この状況が修正されるまで、ほかのコントローラは更新されません。格納装置が単一のパスのみを持っていると長時間表示される場合は、物理的に格納装置で SIM の背面にある緑色のライトがアクティブであるかどうかをチェックしてください。緑色でない場合は、SIM を取り外してから再度取り付けて、接続を再確立します。すべての格納装置に 2 つのパスで到達可能であることを確認します。