Oracle Solaris 11 では、旧バージョンの LP 印刷サービスが Common UNIX Printing System (CUPS) に置き換えられています。
CUPS は、モジュール化されたオープンソースの印刷システムであり、プリンタ、印刷要求、および印刷キューを管理するための基準としてインターネット印刷プロトコル (IPP) を使用します。CUPS は、ネットワークプリンタのブラウズおよび PostScript Printer Description ベースの印刷オプションもサポートします。CUPS は、ローカルネットワークの共通印刷インタフェースも提供します。
CUPS およびその構成の詳細は、Oracle Solaris 11.3 での印刷の構成と管理 の 第 1 章, CUPS を使用したプリンタの設定と管理 (概要)を参照してください。
このセクションでは、mp コマンド行ユーティリティーを使用した印刷の拡張について説明します。
Oracle Solaris 環境は、UTF-8 で書き込まれたフラットテキストファイルを含む各種の入力ファイル形式を印刷できる、拡張された mp 印刷フィルタを提供します。この印刷フィルタは、Oracle Solaris システムで使用可能な TrueType および Type 1 の拡大縮小可能なフォントと X11 ビットマップフォントを使用します。また、このフィルタはプリンタ常駐フォントも使用できます。
ユーティリティーからの出力は標準の PostScript であり、どの PostScript プリンタにも送信できます。mp ユーティリティーは、どのページ記述言語を出力することもできます。X Print Server クライアントとして構成されている場合、mp は印刷サーバーによってサポートされます。
このユーティリティーを使用するには、次のコマンドを入力します。
$ mp filename | lp
mp は stdin ストリームを受け入れるため、フィルタとして使用することもできます。
$ cat filename | mp | lp
mp ユーティリティーは print/mp パッケージから使用でき、デフォルトではインストールされていない可能性のある選択されたフォントパッケージに依存します。不足しているフォントに関するエラーメッセージが表示された場合は、pkg コマンドを使用して、正しいパッケージを検索してインストールできます。
不足しているフォントを含むパッケージを検索するには、次のコマンドを使用します。
# pkg search -rp TlwgTypist.ttf PACKAGE pkg:/system/font/truetype/thai-scalable@...
不足しているパッケージをインストールするには、次のコマンドを使用します。
# pkg install system/font/truetype/thai-scalable
詳細は、mp(1) のマニュアルページを参照してください。