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Oracle® Solaris ゾーンの作成と使用

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更新: 2016 年 11 月
 
 

ゾーンの変換および Oracle Solaris ゾーンの変換について

ゾーンの変換は、Oracle Solaris 大域ゾーンまたは非大域ゾーンのアーカイブを作成し、それを Oracle Solaris 大域ゾーンまたは非大域ゾーンとして配備するプロセスです。ソースゾーンのタイプ (大域または非大域) は、配備されるゾーンタイプ (大域または非大域) と同じ場合と異なる場合があります。

ゾーンは、次のように変換できます。

  • 大域ゾーンを非大域ゾーンに変換できます。このプロセスは、物理から仮想への変換 (P2V 変換) とも呼ばれます。

  • 非大域ゾーンを非大域ゾーンに変換できます。このプロセスは、仮想から仮想への変換 (V2V 変換) と呼ばれる場合があります。

  • 非大域ゾーンを大域ゾーンに変換できます。このプロセスは、仮想から物理への変換と呼ばれる場合があります。

Oracle Solaris 10 システム上では、アーカイブを使用すると、アップグレードされたホストで Oracle Solaris 10 native ゾーンを solaris10 ブランドゾーンに変換できます。


注 -  Oracle Solaris は、複数のタイプの仮想化をサポートしています。たとえば、論理ドメインとゾーンは、どちらも仮想化のタイプです。論理ドメインのゾーンへの変換は、V2V 変換のタイプです。ゾーンの変換の観点からは、それは大域から非大域への変換 (P2V 変換) です。Oracle Solaris 11 以降のリリースでのゾーンの変換のモデルは、物理対仮想ではなく、大域対非大域の観点から説明されます。

ゾーンの変換では、次のアーカイブタイプがサポートされています。

統合アーカイブは、Oracle Solaris 11.2 以降を実行しているホストシステムのゾーンの変換に推奨されます。11.2 より前の Oracle Solaris 11 リリースを実行しているホストシステムの場合は、従来のアーカイブを使用してください。


注 -  仮想から物理への変換は、統合アーカイブを使用している場合にのみサポートされます。統合アーカイブの詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのシステム復旧とクローンを参照してください。

大域ゾーンを非大域ゾーンに変換する前に、大域ゾーンで実行されているソフトウェアが非大域ゾーンと互換性があることを確認できます。zonep2vchk(1M) ツールは、非大域ゾーンへの変換前に大域ゾーンの構成を評価します。

ゾーンの変換のための Oracle Solaris 統合アーカイブの使用

zonecfg および zoneadm を使用すると、統合アーカイブファイルから直接、新しいゾーンを構成およびインストールできます。統合アーカイブファイルには、ゾーン構成とゾーンデータの両方が含まれています。ターゲットとなる移行先システムで、ゾーンをアーカイブから構成およびインストールできます。

このリリースの場合、システムおよびゾーンのクローニングや回復のための使用法を含む統合アーカイブの詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのシステム復旧とクローンを参照してください。

ゾーンの変換のための従来のアーカイブの使用

従来のアーカイブには、zfs sendcpio、または pax で作成されたアーカイブファイルが含まれています。ゾーンの変換のための従来のアーカイブは、次の場合にのみ考慮するようにしてください。

  • ソースシステムが 11.2 より前の Oracle Solaris リリースを実行している場合。

  • 共有ストレージ (ZOSS) 上のゾーンが使用できない場合。

詳細は、zfscpio、または pax のマニュアルページを参照してください。

zonep2vchk ツールを使用した大域から非大域への変換準備

zonep2vchk(1M) ツールは、非大域ゾーンへの変換前に大域ゾーンの構成を評価します。このツールの主なドキュメントは、zonep2vchk(1M) のマニュアルページです。

zonep2vchk ツールについて

zonep2vchk は、大域ゾーン (または物理インスタンス) を、それが非大域ゾーン (または仮想インスタンス) に変換されるときに評価します。物理から仮想への (P2V) 変換プロセスは、大域ゾーン (ソース) をアーカイブすること、およびそのあとそのアーカイブを使用して非大域ゾーン (ターゲット) をインストールすることで構成されます。zonep2vchk ユーティリティーは、0 の実効ユーザー id で実行する必要があります。

このユーティリティーは次のことを行います。

  • ソースシステムの構成内の問題領域を特定します

  • 必要になる手動の再構成作業を最小限に抑えます

  • Oracle Solaris 10 システムイメージと Oracle Solaris 11 システムイメージの両方の Oracle Solaris 11 リリース上のゾーンへの変換をサポートします。

  • 元のシステムイメージ内の複雑なネットワーク構成 (複数の IP インタフェース、IP マルチパス、VLAN など) をサポートします

このツールを使用すると、Oracle Solaris 11 または Oracle Solaris 10 大域ゾーンをこのリリース上の非大域ゾーンに変換するのに役立ちます。このツールにより、次の変換のタイプが得られます。

  • Oracle Solaris 11 システムを solaris ブランドゾーンに変換する

  • Oracle Solaris 10 システムを solaris10 ブランドゾーンに変換する

Oracle Solaris 11 ターゲットシステムの場合は、ソースシステム上のネットワークリソースごとの zonecfg 出力に anet リソース (VNIC) が含まれます。デフォルトでは、Oracle Solaris 11 システム上の非大域ゾーンに Oracle Solaris 11 システムまたは Oracle Solaris 10 システムのいずれかを移行する場合のネットワークタイプは排他的 IP です。

図 2  zonep2vchk ユーティリティー

image:図は、zonev2pchk を使用した、Oracle Solaris 11 システムと Oracle Solaris 10 システム上のゾーンへの物理的移行の支援を示しています。

解析のタイプ

基本解析 (–b オプション) は、大域から非大域への変換によって影響を受ける可能性のある使用中の Oracle Solaris 機能をチェックします。

静的解析 (–s オプション) は、ゾーン内で機能しない可能性のあるシステムおよびライブラリコールがないかどうかバイナリを検査します。

実行時解析 (–r オプション) は、現在実行中のアプリケーションに、ゾーン内で機能しない可能性がある操作がないかどうかを検査します。

生成される情報

次の 2 つの主なカテゴリの情報が解析によって提示されます。

  • 特定のゾーンの構成または大域ゾーン内の構成変更によって対処できる問題

  • ゾーン内で実行できない機能の特定

たとえば、アプリケーションがシステムクロックを設定する場合、適切な特権をゾーンに追加することによって有効にできますが、アプリケーションがカーネルメモリーにアクセスする場合、それはゾーン内部では許可されることはありません。出力では、これらの 2 つのクラスの問題を区別します。

このユーティリティーは、デフォルトでは人間が読める形式のメッセージを出力します。メッセージを機械解析可能な形式で出力するには、–P オプションが使用されます。使用可能なオプションやコマンドの呼び出しと出力の詳細は、zonep2vchk(1M) のマニュアルページを参照してください。