ゾーンは入れ子にならないため、P2V プロセスにより、変換されたシステムイメージ内の既存のゾーンはすべて、移行先ゾーンで使用できなくなります。統合アーカイブは、archiveadm create -r -z コマンドを使用してこの制限をバイパスします。詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのシステム復旧とクローン の 復旧用アーカイブを参照してください。
既存の Oracle Solaris 11 システムを Oracle Solaris 11 システム上の solaris ブランドゾーンに直接移行できます。Oracle Solaris 11.2 以降を実行しているシステム上では、統合アーカイブの archiveadm コマンドを使用します。Oracle Solaris 11 または Oracle Solaris 11.1 を実行しているシステム上では、従来のアーカイブを使用します。
すべてのシステムについて、ソースシステム上で zonep2vchk コマンドを使用して、システムイメージの変換およびアーカイブの準備を行います。ターゲットシステム上で zonecfg および zoneadm コマンドを使用して、移行先ゾーン内のアーカイブを構成およびインストールします。
非大域ゾーンへの大域ゾーンの移行には、次の制約が適用されます。
ターゲットシステム上の大域ゾーンで、元のソースホストと同じかそれ以降の Oracle Solaris 11 リリースが稼働している必要があります。
ゾーンが適切に実行されるようにするには、必要なオペレーティングシステムパッケージの同じまたは以降のバージョンがターゲットシステムに存在する必要があります。サードパーティー製品のパッケージなど、ほかのパッケージは異なっていてもかまいません。
詳細は、zonep2vchk(1M)、archiveadm(1M)、zfs(1M)、zonecfg(1M)、zoneadm(1M)、および solaris(5) のマニュアルページを参照してください。
詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのユーザーとプロセスのセキュリティー保護 の 割り当てられている管理権利の使用を参照してください。
source# zonep2vchk -b
source# zonep2vchk -s /opt/myapp/bin,/opt/myapp/lib
source# zonep2vchk -r 2h
source# zonep2vchk -c > /net/somehost/p2v/s11-zone.config
この構成には、ソースホストの物理リソースとネットワーク構成に基づくリソース制限とネットワーク構成が含まれます。
大域ゾーン内のファイルシステムをアーカイブします。ソースシステムに非大域ゾーンがインストールされていないことを確認します。このセクションの例では、アーカイブの作成に archiveadm コマンドを使用します。
詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのユーザーとプロセスのセキュリティー保護 の 割り当てられている管理権利の使用を参照してください。
この手順では、大域ゾーンの回復用のアーカイブの名前を /net/somehost/p2v/s11-zone-config.uar にします。
source# archiveadm create -r -z global /net/somehost/p2v/s11-zone-config.uar
関連項目
archiveadm で生成された統合アーカイブには、変換されたゾーンの開始点として機能するゾーン構成が含まれています。ターゲットシステムに最適な方法でゾーンを構成するには、追加の構成が必要になることがあります。詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのシステム復旧とクローン の 復旧用アーカイブを作成する方法および archiveadm(1M)のマニュアルページを参照してください。
zonep2vchk ツールによって生成されたテンプレート zonecfg スクリプトは、ソースシステムの構成のうち、移行先のゾーン構成でサポートされる必要がある部分を定義します。ゾーンを完全に定義するには、ターゲットシステムに依存するその他の情報を手動で指定する必要があります。
この手順では、ゾーンの名前を s11-zone に、構成ファイルの名前を /net/somehost/p2v/s11-zone-config.uar にします。
詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのユーザーとプロセスのセキュリティー保護 の 割り当てられている管理権利の使用を参照してください。
target# zonecfg -z s11-zone Use 'create' to begin configuring a new zone. zonecfg:s11-zone> create -a /net/somehost/p2v/s11-zone-config.uar zonecfg:s11-zone> info
zonecfg:s11-zone> set zonepath=/system/zones/%{zonename} zonecfg:s11-zone> add rootzpool zonecfg:s11-zone:rootzpool> add storage iscsi://zfssa/luname.naa.600144F0DBF8AF19000052E820D60003 zonecfg:zonename:rootzpool> end
統合アーカイブを使用して配備されたゾーンを構成する場合は、ストレージリソースに ZOSS を使用することをお勧めします。共有ストレージでの Oracle Solaris ゾーンの使用開始を参照してください。
target# dladm show-link target# dladm show-phys target# ipadm show-addr
デフォルトでは、zonecfg スクリプトはソースシステム上で構成されたすべての物理ネットワークインタフェースに対して anet リソースを使用して排他的 IP ネットワーク構成を定義します。ターゲットシステムは、ゾーンのブート時に各 anet リソースに対して自動的に VNIC を作成します。VNIC を使用することで、複数のゾーンが同じ物理ネットワークインタフェースを共有できるようになります。anet リソースの下位リンク名は、zonecfg コマンドによって change-me に初期設定されます。このフィールドは手動でターゲットシステム上のいずれかのデータリンクの名前に設定する必要があります。VNIC の下位リンクとして有効な任意のリンクを指定できます。
zonecfg:s11-zone> commit zonecfg:s11-zone> exit target#
この例では、インストール中に元のシステム構成は変更されません。
詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのユーザーとプロセスのセキュリティー保護 の 割り当てられている管理権利の使用を参照してください。
target# zoneadm -z s11-zone install -a s11-zone-config.uar