I/O ドメインは、それぞれがいずれかのルートドメインの PF に基づく仮想デバイスである専用の VF を所有する SR-IOV ドメインです。ルートドメインは、各ルートドメインに関連付けられた物理 I/O デバイスに基づいて、単なる I/O ドメインへの VF プロバイダとして機能します。アプリケーションおよびゾーンは I/O ドメインのみでサポートされ、ルートドメインではサポートされません。
I/O ドメイン作成ツールを使用することで、複数の I/O ドメインを作成できます。また、ドメイン作成プロセスの一環として、次の SuperCluster 固有のドメインタイプのうちの 1 つを各 I/O ドメインに関連付けます。
Oracle Solaris 11 が稼働するアプリケーションドメイン
データベースドメイン
専用ドメインであるデータベースドメインのみがデータベースゾーンをホストできます。データベース I/O ドメインは、データベースゾーンをホストできません。
次の図に示すように、I/O ドメインが所有する CPU コアおよびメモリーリソースは、I/O ドメインの作成時に CPU およびメモリーリポジトリ (システム上のルートドメインから解放されたコアおよびメモリー) から割り当てられます。
I/O ドメイン作成ツールを使用して、各 I/O ドメインに割り当てる CPU コアとメモリーリソースの量、および CPU とメモリーリポジトリで使用可能な CPU コアとメモリーリソースの合計量に基づいて、I/O ドメインに CPU コアおよびメモリーリソースを割り当てます。詳細は、I/O ドメインの管理ガイドを参照してください。
同様に、次の図で示すように、I/O ドメインが所有する IB VF および 10GbE VF は、IB VF および 10GbE VF リポジトリ (システムのルートドメインから解放された IB VF および 10GbE VF) からのものです。
再度、I/O ドメイン作成ツールで、IB VF および 10GbE VF リポジトリで使用可能なリソースを使用して、IB VF および 10GbE VF を I/O ドメインに割り当てます。ただし、VF は各 10GbE NIC および IB HCA 上に作成されるため、I/O ドメインに割り当てられた VF は常に、それらの VF を含む 10GbE NIC および IB HCA に関連付けられた特定のルートドメインから取得されます。
作成できる I/O ドメインの数およびサイズは、CPU およびメモリーリポジトリで使用可能な CPU コアおよびメモリーリソースの量や、各 I/O ドメインに割り当てる CPU コアおよびメモリーリソースの量などのいくつかの要因によって決まります。ただし、リポジトリにパーク状態にされたリソースの合計量を知ることは役立ちますが、システムに作成できる I/O ドメインの最大数への変換は必ずしも必要ではありません。また、複数のソケットに該当するリソースを使用する I/O ドメインを作成してはいけません。
たとえば、CPU リポジトリに 44 個のコアがパーク状態にされ、メモリーリポジトリに 704G バイトのメモリーがパーク状態にされているとします。このために、次のいずれかの方法で I/O ドメインを作成できます。
それぞれのドメインが 1 つのソケットに相当するリソース (たとえば、16 個のコアおよび 256G バイトのメモリー) を使用している 1 つ以上の大規模 I/O ドメイン
それぞれのドメインが 4 つのコアおよび 64G バイトのメモリーを使用している 1 つ以上の中規模 I/O ドメイン
それぞれのドメインが 1 つのコアおよび 16G バイトのメモリーを使用している 1 つ以上の小規模 I/O ドメイン
I/O ドメイン作成のプロセスを実行する際、ある時点で、I/O ドメイン作成ツールから追加の I/O ドメインを作成できないことが通知されます。これは、CPU およびメモリーリポジトリ内の CPU コアおよびメモリーリソース合計の限度への到達、ユーザーとして特別に使用可能なリソースの限度への到達、このシステムで使用可能な I/O ドメイン数の限度への到達など、いくつかの要因による場合があります。
CPU およびメモリーリソースを各ドメインに割り当てる方法を示す構成例として、次の図に示すように、ドメインのうち 1 つがルートドメインで、ほかの 3 つのドメインが専用ドメインであるドメイン構成があるとします。
前の図では、専用ドメインとルートドメインがすべて同じサイズのドメインとして示されていても、CPU コアおよびメモリーリソースをすべての 4 つのドメインにわたって均等に (各ドメインが CPU コアおよびメモリーリソースを 25% ずつ取得するように) 分割するということを意味しているわけではありません。構成ワークシートに入力した情報を使用して、SuperCluster M7 の初期インストール時に、各ドメインに対してさまざまなサイズの CPU コアおよびメモリーリソースを要求できます。
たとえば、専用ドメインそれぞれに CPU コアおよびメモリーリソースを 30% ずつ (3 つの専用ドメインに合計 90% の CPU コアおよびメモリーリソースを割り当て)、残りの 10% を単一のルートドメインに割り当てるように要求できます。このように構成すると、CPU およびメモリーリポジトリから I/O ドメインに取得できる CPU コアおよびメモリーリソースは 10% だけになります。ただし、システムの初期インストール時に専用ドメインからのリソースの一部をパーク状態にするように要求することもでき、これにより、I/O ドメインがリポジトリから取得できる CPU コアおよびメモリーリソースの量をさらに増やすことができます。
また、初期インストール後に CPU/メモリーツールを使用して、初期インストール時に選択した構成に応じて、既存のドメインで使用される CPU コアおよびメモリーリソースの量をサイズ変更することもできます。
計算サーバー上のすべてのドメインが専用ドメインの場合、CPU/メモリーツールを使用することで、それらのドメインで使用される CPU コアおよびメモリーリソースの量をサイズ変更できます。ただし、CPU/メモリーツールを使用してリソース量を変更した場合は、サイズ変更後の専用ドメインをリブートする必要があります。
計算サーバー上に専用ドメインとルートドメインが混在している場合:
専用ドメインの場合は、CPU/メモリーツールを使用して、それらの専用ドメインで使用される CPU コアおよびメモリーリソースの量をサイズ変更できます。また、このツールを使用して、専用ドメインからの CPU コアおよびメモリーリソースの一部をパーク状態にすると、CPU およびメモリーリポジトリでそれらのリソースがパーク状態になり、I/O ドメインで使用可能になります。ただし、CPU/メモリーツールを使用してリソース量を変更した場合は、サイズ変更後の専用ドメインをリブートする必要があります。
ルートドメインの場合、初期インストール後にルートドメイン用の CPU コアおよびメモリーリソースの量はサイズ変更できません。Oracle インストーラを設置場所に戻し、システムを再構成しないかぎり、初期インストール時にルートドメインに割り当てるように要求したリソースが何であっても設定され、変更できません。
詳細は、『Oracle SuperCluster M7 シリーズ管理ガイド』を参照してください。
前述のとおり、専用ドメインとルートドメインが混在しており、専用ドメインそれぞれに CPU コアおよびメモリーのリソースを 30% ずつ (専用ドメインに合計 90% のリソースを割り当て)、残りの 10% をルートドメインに割り当てたとします。状況に応じて、リソース割り当てに次の変更を加えることができます。
ルートドメインに割り当てられた CPU コアおよびメモリーリソースの量が十分であっても、ある専用ドメインではリソースを増やし、別の専用ドメインでは減らす必要があることが判明した場合、リソースの合計量がすべての専用ドメインで使用可能な合計量 (このケースでは 90% のリソース) となるかぎり、3 つの専用ドメイン間でリソースを (たとえば、最初の専用ドメインに 40%、2 つ目に 30%、3 つ目に 20% というように) 再割り当てできます。
ルートドメインに割り当てられた CPU コアおよびメモリーリソースの量が不十分であることが判明した場合、専用ドメインからのリソースをパーク状態にし、これにより、CPU およびメモリーリポジトリにそれらのリソースをパーク状態にして、それらを I/O ドメインで使用可能にできます。たとえば、ルートドメインを介して作成した I/O ドメインでは 20% のリソースが必要なことが判明した場合、1 つ以上の専用ドメインから 10% のリソースをパーク状態にすると、I/O ドメインに必要な量だけ CPU およびメモリーリポジトリのリソースの量が増えます。