AHFリリース23.9

Oracle OrachkデーモンまたはOracle Exachkデーモンの動作を制御するための機能拡張

AHF 23.9には、autostartautostopおよびupgradeの実行中にOracle OrachkデーモンまたはOracle Exachkデーモンの動作を変更するための、新しいコマンド・オプションresetが含まれています。

コマンド 説明

exachk -autostart reset

orachk -autostart reset

ahfctl compliance -autostart reset

デフォルト・スケジューラを起動しロードします。

exachk -autostop unset

orachk -autostop unset

ahfctl compliance -autostop unset

変更されていないデフォルト・スケジューラをすべて削除します。

監査ダンプ・ログの管理の簡易化

AHFのManagelogs機能により、監査ダンプ・ログを管理する機能が追加されます。

AHFのManagelogs機能では、デフォルトの場所(Grid Infrastructureなど)や、すべてのデータベース自動診断リポジトリ(ADR)の宛先からログがパージされます。

このパージを実行するために、Managelogsでデータベース自動診断リポジトリ(ADR)が使用されます。ただし、ADRでは監査ダンプ・ファイルは管理されません。その結果、監査ダンプ・ファイルが大きくなり、領域が過剰に消費される可能性があります。

Managelogs機能は、オプションでGrid Infrastructureおよびデータベースの監査ダンプ・ファイルの管理も含まれるように拡張されました。

自動ログ・パージを構成する

  • 次のように自動パージを構成します:
    tfactl set manageLogsAutoPurge=ON
  • 次のように監査ダンプを含めます:
    tfactl set managelogs.adump=ON
  • パージの頻度を設定します(デフォルトは60分)。
    tfactl set manageLogsAutoPurgeInterval=<n>
  • 次のように、どのくらいの期間が経過したログをパージするかを構成します(デフォルトは30日)。
    tfactl set manageLogsAutoPurgePolicyAge=<d|h>

オンデマンドでログをパージする

  • 次のように監査ダンプを有効にします:
    tfactl set managelogs.adump=ON
  • 監査ダンプの宛先の使用状況を確認します
    tfactl managelogs -show usage
  • 監査ダンプの宛先のバリエーションを確認します
    tfactl managelogs -show variation
  • 次のように、監査ダンプ・ファイルを、managelogsによって管理されている他の宛先とともにパージします。
    tfactl managelogs -purge

関連トピック

autoupdate構成の格納または削除のためのahfctl setupgradeおよびahfctl unsetupgradeに対する機能拡張

新しいオプション-autoupdateahfctl setupgradeおよびahfctl unsetupgradeに追加されました。

  • autoupdate構成を格納するには、たとえば、次を実行します。
    ahfctl setupgrade -autoupgrade on -swstage /opt/oracle.ahf -frequency 1 -autoupdate on
  • autoupdate構成を有効にするには、次を実行します。
    ahfctl setupgrade -autoupdate on
  • autoupdate構成を無効にするには、次を実行します。
    ahfctl setupgrade -autoupdate off
  • autoupdate構成を設定解除するには、次を実行します。
    ahfctl unsetupgrade -autoupdate

インサイト・レポートを含む診断収集の作成の迅速化

AHFのTFAの収集結果(インサイト・レポートが含まれている)が迅速に作成されるようになりました。

AHFインサイト・レポートは、コマンドahf analysis create --type insightsを使用して単独で生成できます。または、既存の-diagcollectコマンドに-insightオプションを追加することで、AHFインサイト・レポートを含めてTFA診断収集を作成できます。

このAHFインサイト・レポートの作成では、多くの場合、圧縮された既存の診断を分析する必要があります。収集結果の解凍と処理にはCPU負荷がかかり、時間がかかる可能性があります。

診断収集を分析してAHFインサイト・レポートを生成するこのプロセスは、合理化され、パフォーマンスが向上しました。タイミングは、実行される収集のタイプおよび関連するシステムによって異なります。

テストからのベースライン例では、含まれているAHFインサイト・レポートの生成に要した時間に関して、次のような改善がありました。

  • 23.8: tfactl diagcollect -asm -crs- os -tns -insight -last 1h >> 6.8秒
  • 23.9: tfactl diagcollect -asm -crs- os -tns -insight -last 1h >> 1秒

CVU診断を使用したGrid Infrastructure問題解決の迅速化

クラスタ検証ユーティリティ(CVU)の診断ファイルは、AHF診断収集に含まれています。

CVU (クラスタ検証ユーティリティ)の診断ファイルには、定期的なGrid Infrastructure構成情報および重要な診断レポートが含まれています。それらは、多くの場合、Grid Infrastructureの問題の診断に必要になります。

AHFでは、次のCVUディレクトリの下にすべてのファイルが収集されるようになりました。

  • <GI_BASE>/crsdata/<node>/cvu/diagnostics/cvu_diag_report.txt
  • <GI_BASE>/crsdata/@global/cvu/baseline/cvures/cvusnapshot*.zip

CVUの診断ファイルを含めるには、-cvuコンポーネントをdiagcollectコマンドに追加します。

たとえば:
tfactl diagcollect -cvu -last 1h -noclassify

AHFでは、デフォルトで、CRSまたはデータベース収集にCVUが含まれます。次の例では、これら両方にCVU診断を自動的に含めます。

  • tfactl diagcollect -crs -last 1h -noclassify
  • tfactl diagcollect -database orcl -last 1h -noclassify

Oracle OrachkおよびOracle Exachkの新しいベスト・プラクティス・チェック

リリース23.9には、次のような、Oracle OrachkおよびOracle Exachkの新しいベスト・プラクティス・チェックが含まれています。

Oracle Orachkに固有のベスト・プラクティス・チェック

  • ODAについてのノード間でのasmappl.configの一貫性の確認
  • クラスタウェアADVMボリューム・リソース構成の確認
  • printkロギング構成の検証

Oracle Exachkに固有のベスト・プラクティス・チェック

  • RoCEの配線およびスイッチ・ポートの割当ての確認
  • ファイルS_CRSCONFIG_<NODE>_ENV.TXTでクラスタ内のすべてのノードにわたる制限値が一貫していることの確認
  • SSH等価でDSA認証がサポートされていないことの確認

すべてのチェックの詳細は、次のヘルス・チェック・カタログを参照してください: