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Oracle® Solaris 11.3 での SAN デバイスとマルチパス化の管理

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更新: 2016 年 11 月
 
 

ファイバチャネルアダプタのポートインスタンスの判別

このセクションでは、IPFC 向けの目的のホストシステムを構成する方法について説明します。ここには、ポートインスタンスを判別して IPFC インスタンスを plumb するための手順も含まれています。

ポートインスタンスを判別する方法

この手順の例では、HBA カードが PCI アダプタスロット 5 に配置され、PCI アダプタが I/O ボードのスロット 1 にあるアレイが存在すると仮定します。

  1. HBA PCI アダプタスロットおよび I/O ボード PCI スロットを判別します。

    ファイバチャネル (FC) アダプタポートインスタンスを計算するには、スロット情報が必要です。カードが存在するスロットおよびカードに関連付けられている番号を、次のコマンドを使用して判別することもできます。

    prtdiag | grep -i pci
  2. インスタンス番号を判別します。
    1. /etc/path_to_inst ファイルの fp ドライババインド名を検索します。

      サーバーハードウェアマニュアルに記載されているハードウェアパスを見つけて正しいエントリを判別します。

    2. I/O ボードとスロット情報を使用して検索を絞り込みます。

      注 -  次に示す、サーバーの物理的な位置から HBA のデバイスパスを導出する方法は、Oracle のすべての Sun サーバーハードウェアについて機能するとはかぎりません。
      1. PCI アダプタスロット番号にアダプタポートの数を乗算します。

        たとえば、HBA が 2 つのポートを持つ場合、2 を乗算します。PCI アダプタスロット 5 の HBA でアレイを使用する場合、5 に 2 を乗算して 10 を導出します。

      2. PCI アダプタ I/O ボードスロット番号を加算します。

        PCI アダプタスロット 5 の HBA と、I/O ボードの PCI スロット 1 を使用して、10 に 1 を加算して合計は 11 となります。

      3. 数値を 16 進数に変換します。

        数値 11 は 16 進数の「b」に変換されます。

      4. pci@ hex を使用して、fp エントリを検索します (hex はステップ iii で導出した数値です)。

        次の表に、次のパスを持つ PCI シングル FC ネットワークアダプタデバイスについてのデバイスパスの各要素を示します。

        "/pci@b,2000/SUNW,qlc@2/fp@0,0" 7 "fp"
        デバイス名
        物理名
        /pci@b,2000/SUNW,qlc@2/fp@0,0
        インスタンス名
        7
        ドライババインド名
        fp
    3. 各 FP インスタンスを手動で作成します。
      # ipadm create-ip interface-number

      この例では、interface-numberfcip7 です。

      # ipadm create-ip fcip7

      コマンドに成功すると、メッセージがコンソールとメッセージファイルの両方に表示されます。例:

      Sep 13 15:52:30 bytownite ip: ip: joining multicasts failed (7) on fcip0 - 
      will use link layer brocasts for multicast

IPFC インスタンスの作成方法

システムの各 FP インスタンスは /dev/fc 内にエントリを持ちます。HBA が除去されると、一部の無効なリンクが存在することがあります。IPFC をロードして作成するにはこの手順を使用します。

  1. /dev/fc ファイルの各エントリについて、その HBA ポートを経由して可視となるすべてのデバイスを表示します。
    # luxadm -e dump_map /dev/fc/fp0
    Pos  Port_ID Hard_Addr Port WWN         Node WWN         Type
    0    610100  0         210000e08b049f53 200000e08b049f53 0x1f (Unknown Type)
    1    620d02  0         210000e08b02c32a 200000e08b02c32a 0x1f (Unknown Type)
    2    620f00  0         210000e08b03eb4b 200000e08b03eb4b 0x1f (Unknown Type)
    3    620e00  0         210100e08b220713 200100e08b220713 0x1f (Unknown Type,Host Bus Adapter)
    # luxadm -e dump_map /dev/fc/fp1
     No FC devices found. - /dev/fc/fp1
  2. デバイスのリストに基づき、IPFC 通信を確立する必要があるリモートホストから可視の宛先 HBA を判別します。

    この手順の例では、宛先 HBA はポート ID 610100 および 620d02 を持ちます。発信 HBA のポート ID は 620e00 です。

  3. 宛先 HBA ポートを確認できる発信 HBA ポートの物理パスを一覧表示します。ここで、originating-hba-link はステップ 2 で判別したリンクの変数です。
    # ls -l /dev/fc/fp originating-hba-link

    次の例で、originating-hba-link の数値は 0 です。

    # ls -l /dev/fc/fp 0
    lrwxrwxrwx   1 root     root          51 Sep  4 08:23 /dev/fc/fp0 ->
    ../../devices/pci@8,600000/SUNW,qlc@1/fp@0,0:devctl
  4. ステップ 3 で識別した物理パスを検索します。

    パス名の出力から、先頭の ../../devices を削除する必要があります。例:

    # grep pci@8,600000/SUNW,qlc@1/fp@0,0 /etc/path_to_inst 
    "/pci@8,600000/SUNW,qlc@1/fp@0,0" 0 "fp"
  5. ステップ 4 のコマンドの出力から、発信 HBA ポートの fp インスタンスを判別します。

    インスタンス番号は、出力の「fp」の前に表示されます。次の出力例で、インスタンス番号は 0 です。

    "/pci@8,600000/SUNW,qlc@1/fp@0,0" 0 "fp"
  6. ステップ 5 のインスタンス番号を使用して IPFC をロードし、IPFC インタフェースを作成します。

    この例で、インスタンスは 0 です。

    # ipadm create-ip fcip 0