マルチパス I/O (MPxIO) を使用すると、I/O デバイスの単一のインスタンスから、複数のホストコントローラインタフェース経由で I/O デバイスにアクセスできます。
Oracle Solaris で iSCSI マルチパス (MPxIO) デバイスを使用するときは、次のガイドラインを考慮してください。
Oracle Solaris iSCSI および MPxIO – MpxIO は、iSCSI イニシエータの MS/T (Multiple Sessions per Target) を構成する Oracle Solaris iSCSI 構成での、ターゲットポート集約と可用性をサポートします。
複数の NIC を集約およびフェイルオーバーする場合は、IP ネットワークマルチパス (IPMP) を使用してください。
iSCSI ホストの基本的な構成は、iSCSI トラフィック専用の 2 つの NIC を備えたサーバーです。NIC は IPMP を使用して構成されます。パフォーマンスを最適化するために、iSCSI 以外のトラフィック用に追加の NIC が用意されます。
アクティブマルチパスは、Oracle Solaris の iSCSI MS/T 機能、および IPMP 構成のフェイルオーバーと冗長性を使用する場合のみ実現できます。
IPMP 構成で 1 つの NIC に障害が発生すると、IPMP はフェイルオーバーの処理を行います。MPxIO ドライバは障害を検出しません。IPMP 以外の構成では、MPxIO ドライバは障害状態になり、パスがオフラインになります。
IPMP 構成で 1 つのターゲットポートに障害が発生すると、MPxIO ドライバは障害を検出し、フェイルオーバーの処理を行います。IPMP 以外の構成では、MPxIO ドライバは障害を検出し、フェイルオーバーの処理を行います。
MS/T の構成方法については、ターゲットの複数の iSCSI セッションを有効にする方法を参照してください。IPMP の構成については、Oracle Solaris 11.3 での TCP/IP ネットワーク、IPMP、および IP トンネルの管理 の 第 3 章, IPMP の管理を参照してください。
Oracle Solaris iSCSI、ファイバチャネル (FC)、および MPxIO – より複雑な iSCSI/FC 構成では、MPxIO ドライバは次のように動作します。
FC SAN にデュアル iSCSI-FC ブリッジが存在する場合、iSCSI はターゲットパスを MPxIO に提示します。MPxIO は、一意の SCSI/LU 識別子を照合し、それらが同一である場合は 1 つのパスを iSCSI ドライバに提示します。
iSCSI と FC の両方を使用してターゲットを接続する構成の場合、MPxIO ドライバは同じデバイスに対して異なるトランスポートを提供できます。この構成では、MPxIO は両方のパスを使用します。
iSCSI と FC を MPxIO で使用する場合は、MPxIO 構成を照合する /etc/driver/drv/fp.conf および /driver/drv/iscsi.conf ファイル内で、必要な MPxIO パラメータがサポートされていることを確認します。たとえば、fp.conf ファイルで、MPxIO が HBA でグローバルにまたはポート単位で有効になっているかを判断できます。
サードパーティーハードウェアの考慮事項 – サードパーティー HBA に Oracle Solaris iSCSI および MPxIO を操作する資格があるかどうかを確認します。
サードパーティー HBA を使用する場合は、ベンダーに /driver/drv/scsi_vhci.conf ファイルの対称型オプション情報を問い合わせる必要があります。