デフォルトの Oracle Solaris ファイルシステム
革新的な新しいファイルシステムである Oracle Solaris ZFS は、管理の簡素化、トランザクションのセマンティクス、エンドツーエンドのデータの整合性、および大きなスケーラビリティーを提供します。
ZFS ファイルシステムは階層構造になっており、ルートディレクトリ (/) から始まり、下位に多数のディレクトリが続いています。Oracle Solaris のインストールプロセスは、デフォルトのディレクトリセットをインストールし、一連の規則を適用して類似するタイプのファイルをグループ化します。
さらに、ZFS は次の管理機能を提供します。
ZFS ファイルを使用する方法の詳細は、Oracle Solaris 11.2 での ZFS ファイルシステムの管理
を参照してください。
Oracle Solaris のファイルシステムやディレクトリの簡単な概要については、filesystem(5)を参照してください。
次の表は、デフォルト Oracle Solaris ファイルシステムのサマリーを示しています。
表 1-1 デフォルトの Oracle Solaris ファイルシステム
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ZFS
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階層ファイルツリーの最上位。ルート (/) ディレクトリには、カーネル、デバイスドライバ、システムのブートに使用されるプログラムなど、システム処理に欠かせないディレクトリとファイルが入っています。また、ローカルとリモートのファイルシステムをファイルツリーに接続できるマウントポイントディレクトリも入っています。
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/usr
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ZFS
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ほかのユーザーと共有できるシステムファイルとディレクトリ。特定のタイプのシステム上でのみ実行できるファイルは、/usr ディレクトリにあります (SPARC 実行可能ファイルなど)。どのタイプのシステム上でも使用できるファイル (マニュアルページなど) は、/usr/share ディレクトリに配置できます。
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NFS または ZFS
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ユーザーのホームディレクトリのマウントポイント。ホームディレクトリには、そのユーザーの作業ファイルが格納されます。デフォルトでは、/home ディレクトリは自動マウントされるファイルシステムです。
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ZFS
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ローカルシステムの使用中に変化または拡大する可能性のあるシステムファイルとディレクトリ。これには、システムログ (vi や ex のバックアップファイルなど) が含まれます。
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NFS または ZFS
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オプションの他社製のソフトウェア製品のマウントポイント。一部のシステムでは、/opt ディレクトリが UFS ファイルシステムまたは ZFS ファイルシステムである場合があります。
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TMPFS
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システムがブートされるか、/tmp ファイルシステムがマウント解除されるたびに削除される一時ファイル。
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PROCFS
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アクティブなプロセスのプロセス番号別リスト。
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/etc/mnttab
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MNTFS
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ローカルシステムに、マウント済みファイルシステムのテーブルへの読み取り専用アクセスを提供する仮想ファイルシステム。
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/system/volatile
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TMPFS
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システムのブート後は不要になる一時ファイルを格納するメモリーベースのファイルシステム。
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/system/contract
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CTFS
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契約情報を保持する仮想ファイルシステム。
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/system/object
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OBJFS
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カーネルに直接アクセスすることなくカーネルシンボルの情報にアクセスする際にデバッガによって使用される仮想ファイルシステム。
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