Oracle® Solaris 11.2 でのファイルシステムの管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

スワップ空間と仮想メモリー

Oracle Solaris OS ソフトウェアやアプリケーションソフトウェアは、一部のディスク領域を、ファイルシステムとしてではなく一時ストレージとして使用できます。ディスク上に予約される領域は、スワップ空間と呼ばれます。スワップ空間は、現在のプロセスを処理するだけの十分な物理メモリーがシステムにない場合に、仮想メモリー記憶域として使用されます。ZFS ルートファイルシステムの場合、スワップ用に予約されるディスク領域は、ZFS ボリュームになります。

仮想メモリーシステムは、ディスク上のファイルの物理コピーをメモリー内の仮想アドレスに対応付けます。これらのマッピングに関するデータが入った物理メモリーページは、ファイルシステム内の通常ファイルまたはスワップ空間から読み直されます。メモリーをバックアップしているディスク空間に割り当てられる ID はわからないため、スワップ空間から読み直されたメモリーは匿名メモリーと呼ばれます。

Oracle Solaris OS には、仮想スワップ空間という概念が導入されています。これは、匿名メモリーページとこれらのページを実際にバックアップする物理ストレージ (またはディスク上にとられたバックアップ用のスワップ空間) の間に位置する層です。システムの仮想スワップ空間は、すべての物理 (ディスク上にとられたバックアップ用のスワップ空間) スワップ空間と現在使用可能な物理メモリーの一部の合計に等しくなります。

仮想スワップ空間の長所は次のとおりです。

  • 仮想スワップ空間が物理 (ディスク) 記憶域に対応していなくてもかまわないので、大きな物理スワップ空間を確保する必要がなくなります。

  • SWAPFS という疑似ファイルシステムが、匿名メモリーページのアドレスを提供します。SWAPFS はメモリーページの割り当てを制御するので、ページに対する処理を柔軟に決定できます。たとえば、ディスク上にとられたバックアップ用のスワップ記憶域のページ要件を変更できます。