Oracle® Solaris 11.2 での SAN デバイスとマルチパス化の管理

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更新: 2014 年 12 月
 
 

ターゲットの複数の iSCSI セッションを有効にする方法

この手順を使用して、単一のターゲットに接続する複数の iSCSI セッションを作成できます。このシナリオは、ログインのリダイレクションをサポートするか、または同じターゲットポータルグループに含まれている複数のターゲットのポータルを使用する iSCSI ターゲットデバイスの場合に役に立ちます。Oracle Solaris の SCSI マルチパス (MPxIO) 機能を利用して、ターゲットごとに複数の iSCSI セッションを使用します。また、ホスト側の複数の NIC を使用して同じターゲット上の複数のポータルに接続すると、より広い帯域幅を実現できます。

MS/T 機能は、イニシエータのセッション ID (ISID) を変えることで、ターゲット上に 2 つ以上のセッションを作成します。この機能を有効にすると、ネットワークに 2 つの SCSI レイヤーパスが作成され、複数のターゲットを iSCSI レイヤーから Oracle Solaris I/O レイヤーまで公開できるようになります。MPxIO ドライバは、これらのパスに対する予約を処理します。

iSCSI と MPxIO パスの相互動作の仕組みについては、Oracle Solaris での iSCSI マルチパスデバイスの設定を参照してください。

iSCSI ターゲットの複数セッションを構成する前に、次の項目を確認してください。

  • 通常の MS/T 構成には、2 つ以上の構成済みセッションがあります。

    ただし、ストレージが複数の TPGT をサポートしていて、ホストシステム上で SendTarget 発見方式を使用している場合には、構成済みセッションの数を 1 に設定できます。SendTarget 発見によって、複数のパスが存在することが自動的に検出されて複数のターゲットセッションが作成されます。

  • /etc/driver/drv/iscsi.conf ファイルで mxpio 構成パラメータが有効になっていることを確認します。

    # cd /etc/driver/drv
    # grep mpxio iscsi.conf iscsi.conf
    iscsi.conf:mpxio-disable="no";
  • IPMP を使用して複数のネットワーク接続が構成されていることを確認します。

  • 複数のネットワーク接続が使用可能であることを確認します。

    # ipadm show-addr
  1. 管理者になります。
  2. iSCSI イニシエータとターゲットの現在のパラメータ値を一覧表示します。
    1. iSCSI イニシエータの現在のパラメータ値を一覧表示します。
      initiator# iscsiadm list initiator-node
      Initiator node name: iqn.1986-03.com.sun:01:0003ba4d233b.425c293c
      Initiator node alias: zzr1200
              .
              .
              .
              Configured Sessions: 1
    2. iSCSI ターゲットデバイスの現在のパラメータ値を一覧表示します。
      initiator# iscsiadm list target-param -v iqn.1992-08.com.abcstorage:sn.84186266
      Target: iqn.1992-08.com.abcstorage:sn.84186266
              Alias: -
              .
              .
              .
              Configured Sessions: 1

      Configured Sessions (構成済みのセッション) の値は、ターゲットポータルグループ内の各ターゲット名用に作成される構成済みの iSCSI セッションの数です。

  3. 次のいずれかを選択し、構成済みのセッションの数をイニシエータノードで変更してすべてのターゲットに適用するか、ターゲットレベルで変更して特定のターゲットに適用します。
    • iSCSI イニシエータノードに必要なパラメータ値を適用します。

      initiator# iscsiadm modify initiator-node -c 2
    • iSCSI ターゲットに必要なパラメータ値を適用します。

      initiator# iscsiadm modify target-param -c 2  iqn.1992-08.com.abcstorage:sn.84186266
    • 構成済みセッションを 1 つ以上のローカル IP アドレスにバインドします。

      構成済みのセッションは、ローカル IP アドレスにバインドすることもできます。この方法を使用する場合は、コンマ区切りのリストで 1 つ以上のローカル IP アドレスを指定します。各 IP アドレスは iSCSI セッションを表します。この方法は、initiator-node または target-param のレベルでも使用できます。例:

      initiator# iscsiadm modify initiator-node -c 10.0.0.1,10.0.0.2

      注 - 指定した IP アドレスがルーティング可能ではない場合、アドレスが無視され、デフォルトの Oracle Solaris ルートおよび IP アドレスがこのセッションで使用されます。
  4. パラメータが変更されたことを確認します。
    1. イニシエータノードの更新された情報を表示します。
      initiator# iscsiadm list initiator-node
      Initiator node name: iqn.1986-03.com.sun:01:0003ba4d233b.425c293c
      Initiator node alias: zzr1200
              .
              .
              .
              Configured Sessions: 2
    2. ターゲットノードの更新された情報を表示します。
      initiator# iscsiadm list target-param -v iqn.1992-08.com.abcstorage:sn.84186266
      Target: iqn.1992-08.com.abcstorage:sn.84186266
              Alias: -
              .
              .
              .
              Configured Sessions: 2
  5. 複数パスを一覧表示して、OS デバイス名が iscsiadm list の出力に一致していることと、パスの数が 2 以上であることを確認します。
    initiator# mpathadm list lu