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Oracle® Solaris 11.3 での SAN デバイスとマルチパス化の管理

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更新: 2016 年 11 月
 
 

FCoE ポートの構成

FCoE ポートは fcadm コマンドを使用して構成できます。FCoE ポートのステータスを判別するために fcinfo および fcadm コマンドを使用します。これらのコマンドは、Ethernet インタフェースとそのインタフェースにホストされている FCoE ポートの間の関係も報告します。

luxadmcfgadm などのほかのファイバチャネルコマンドは FCoE 情報を報告しますが、FCoE とネイティブ FC ポートの区別は行われません。

FCoE ポートの作成

FCoE ポートを作成する前に、次のタスクを実行する必要があります。

  • Ethernet インタフェース上で 802.3x (PAUSE とも呼ばれる) 設定を有効にします。この設定により、損失のない Ethernet トランスポートが保証されます。

  • Ethernet インタフェース上のジャンボフレーム (2.5K バイトより大きい) を有効にします。ファイバチャネルデータフレームは、2136 バイトになることがあります。

    これらの設定は、Ethernet ハードウェアおよびドライバにより異なる場合があります。ほとんどの場合、Ethernet インタフェースの driver.conf ファイルを変更してから、リブートする必要があります。これらの機能を有効にする方法の詳細は、Ethernet インタフェースの driver.conf ファイルを参照してください。

    各仮想ポートはポート名とノード名を持つ必要があります。ポート名は SAN 上で一意となる必要があります。名前を手動で割り当てるか、組み込みの WWN (World Wide Name) ジェネレータを使用できます。重複した名前を登録しようとすると、スイッチは新しく登録された WWN についてエラーステータスを報告し、スイッチは新しい WWN を登録しません。受け入れ可能な名前のフォーマットの詳細については、T11 標準: Fibre Channel Framing and Signaling (FC-FS 2) を参照してください。

    FCoE をサポートしないネットワークインタフェース上に FCoE ポートを作成しようとした場合、エラーが発生して FCoE ポートは作成されません。

  • 次のサービスを有効にします。

    # svcadm enable svc:/system/fcoe_target:default
    # svcadm enable svc:/system/stmf:default

管理者として、次のコマンドを発行して FCoE ポートを作成します。

# fcadm create-fcoe-port -i -p Port-WWN -n Node-WWN Ethernet-interface

選択された Ethernet インタフェースが複数ユニキャストアドレスをサポートしない場合、そのインタフェース上でプロミスキャス (promiscuous) モードを明示的に有効にすることを求めるメッセージが表示されます。

# fcadm create-fcoe-port -i -f Ethernet-interface

例:

# fcadm create-fcoe-port -i net0

FCoE ポートを削除する

管理者として、次のコマンドを発行して FCoE ポートを削除します。

# fcadm delete-fcoe-port network-interface

例:

# fcadm delete-fcoe-port net0

fcadm list-fcoe-ports コマンドを使用して、FCoE ポートをホストする Ethernet インタフェースを表示できます。

FCoE ポートステータスの表示

管理者として、次のコマンドを発行して、現在構成されている FCoE ポートのステータスを表示します。

# fcinfo hba-port -e

例:

# fcinfo hba-port -e
HBA Port WWN: 200000144fc1f5c8
		Port Mode: Initiator
		Port ID: 9a0042
		OS Device Name: /dev/cfg/c6
		Manufacturer: Sun Microsystems, Inc.
		Model: FCoE Virtual FC HBA
		Firmware Version: N/A
		FCode/BIOS Version: N/A
		Serial Number: N/A
		Driver Name: SunFC FCoEI v20090422-1.00
		Driver Version: v20090422-1.00
		Type: N-port
		State: online
		Supported Speeds: 1Gb 10Gb
		Current Speed: 10 Gb
		Node WWN: 100000144fc1f5c8

システム内のすべての FCoE ポートについての FC 固有情報を一覧表示するには:

# fcadm list-fcoe-ports

例:

# fcadm list-fcoe-ports
HBA Port WWN: 2000001b2165a630
        Port Mode: Initiator
        Port ID: e00033
        VLAN ID: 7
        Link Name: net2
        MTU Size: 2500
        Primary MAC Address: 00:1b:21:65:a6:30
        FCoE MAC Address: 0e:fc:00:e0:00:33
        Promiscuous Mode: Off
        State: Online
        FIP Mode: On
        FCoE Hardware Offload: Supported
HBA Port WWN: 2000001b2165a631
        Port Mode: Target
        Port ID: e00034
        VLAN ID: 7
        Link Name: net3
        MTU Size: 2500
        Primary MAC Address: 00:1b:21:65:a6:31
        FCoE MAC Address: 0e:fc:00:e0:00:34
        Promiscuous Mode: Off
        State: Online
        FIP Mode: On
        FCoE Hardware Offload: Supported

FCoE ポートの再初期化の強制実行

FC SAN に新規 FC デバイスが追加された場合や、正しく動作しないデバイスが SAN に存在することが原因で、FCoE ポートの再初期化を強制することが必要な場合があります。多くの場合、この操作は FC-SAN の問題を解決できます。

このコマンドをターゲットポート側で発行すると、ターゲットポートがリセットされます。コマンドをホストポート側から発行すると、ホストポートがリセットされます。

FC スイッチが接続されている場合、SAN のほかの FC ポートはリモート状態変更通知 (RSCN) を受け取ります。また、この操作の後、ほかのイニシエータは常にポートを再発見し、FC ログインセッションが確立されるか再使用されます。このコマンドは I/O を中断させるものですが、I/O は継続します。このコマンドによってデータ損失は発生しません。

管理者として、次のコマンドを発行して、ポートに接続されているリンクの再初期化を強制的に実行します。

# fcadm force-lip port-number

例:

# fcadm force-lip 200000144fc2d508