FCoE ポートは fcadm コマンドを使用して構成できます。FCoE ポートのステータスを判別するために fcinfo および fcadm コマンドを使用します。これらのコマンドは、Ethernet インタフェースとそのインタフェースにホストされている FCoE ポートの間の関係も報告します。
luxadm や cfgadm などのほかのファイバチャネルコマンドは FCoE 情報を報告しますが、FCoE とネイティブ FC ポートの区別は行われません。
FCoE ポートを作成する前に、次のタスクを実行する必要があります。
Ethernet インタフェース上で 802.3x (PAUSE とも呼ばれる) 設定を有効にします。この設定により、損失のない Ethernet トランスポートが保証されます。
Ethernet インタフェース上のジャンボフレーム (2.5K バイトより大きい) を有効にします。ファイバチャネルデータフレームは、2136 バイトになることがあります。
これらの設定は、Ethernet ハードウェアおよびドライバにより異なる場合があります。ほとんどの場合、Ethernet インタフェースの driver.conf ファイルを変更してから、リブートする必要があります。これらの機能を有効にする方法の詳細は、Ethernet インタフェースの driver.conf ファイルを参照してください。
各仮想ポートはポート名とノード名を持つ必要があります。ポート名は SAN 上で一意となる必要があります。名前を手動で割り当てるか、組み込みの WWN (World Wide Name) ジェネレータを使用できます。重複した名前を登録しようとすると、スイッチは新しく登録された WWN についてエラーステータスを報告し、スイッチは新しい WWN を登録しません。受け入れ可能な名前のフォーマットの詳細については、T11 標準: Fibre Channel Framing and Signaling (FC-FS 2) を参照してください。
FCoE をサポートしないネットワークインタフェース上に FCoE ポートを作成しようとした場合、エラーが発生して FCoE ポートは作成されません。
次のサービスを有効にします。
# svcadm enable svc:/system/fcoe_target:default # svcadm enable svc:/system/stmf:default
管理者として、次のコマンドを発行して FCoE ポートを作成します。
# fcadm create-fcoe-port -i -p Port-WWN -n Node-WWN Ethernet-interface
選択された Ethernet インタフェースが複数ユニキャストアドレスをサポートしない場合、そのインタフェース上でプロミスキャス (promiscuous) モードを明示的に有効にすることを求めるメッセージが表示されます。
# fcadm create-fcoe-port -i -f Ethernet-interface
例:
# fcadm create-fcoe-port -i net0
管理者として、次のコマンドを発行して FCoE ポートを削除します。
# fcadm delete-fcoe-port network-interface
例:
# fcadm delete-fcoe-port net0
fcadm list-fcoe-ports コマンドを使用して、FCoE ポートをホストする Ethernet インタフェースを表示できます。
管理者として、次のコマンドを発行して、現在構成されている FCoE ポートのステータスを表示します。
# fcinfo hba-port -e
例:
# fcinfo hba-port -e HBA Port WWN: 200000144fc1f5c8 Port Mode: Initiator Port ID: 9a0042 OS Device Name: /dev/cfg/c6 Manufacturer: Sun Microsystems, Inc. Model: FCoE Virtual FC HBA Firmware Version: N/A FCode/BIOS Version: N/A Serial Number: N/A Driver Name: SunFC FCoEI v20090422-1.00 Driver Version: v20090422-1.00 Type: N-port State: online Supported Speeds: 1Gb 10Gb Current Speed: 10 Gb Node WWN: 100000144fc1f5c8
システム内のすべての FCoE ポートについての FC 固有情報を一覧表示するには:
# fcadm list-fcoe-ports
例:
# fcadm list-fcoe-ports HBA Port WWN: 2000001b2165a630 Port Mode: Initiator Port ID: e00033 VLAN ID: 7 Link Name: net2 MTU Size: 2500 Primary MAC Address: 00:1b:21:65:a6:30 FCoE MAC Address: 0e:fc:00:e0:00:33 Promiscuous Mode: Off State: Online FIP Mode: On FCoE Hardware Offload: Supported HBA Port WWN: 2000001b2165a631 Port Mode: Target Port ID: e00034 VLAN ID: 7 Link Name: net3 MTU Size: 2500 Primary MAC Address: 00:1b:21:65:a6:31 FCoE MAC Address: 0e:fc:00:e0:00:34 Promiscuous Mode: Off State: Online FIP Mode: On FCoE Hardware Offload: Supported
FC SAN に新規 FC デバイスが追加された場合や、正しく動作しないデバイスが SAN に存在することが原因で、FCoE ポートの再初期化を強制することが必要な場合があります。多くの場合、この操作は FC-SAN の問題を解決できます。
このコマンドをターゲットポート側で発行すると、ターゲットポートがリセットされます。コマンドをホストポート側から発行すると、ホストポートがリセットされます。
FC スイッチが接続されている場合、SAN のほかの FC ポートはリモート状態変更通知 (RSCN) を受け取ります。また、この操作の後、ほかのイニシエータは常にポートを再発見し、FC ログインセッションが確立されるか再使用されます。このコマンドは I/O を中断させるものですが、I/O は継続します。このコマンドによってデータ損失は発生しません。
管理者として、次のコマンドを発行して、ポートに接続されているリンクの再初期化を強制的に実行します。
# fcadm force-lip port-number
例:
# fcadm force-lip 200000144fc2d508