Go to main content
Oracle® Solaris 11.3 での SAN デバイスとマルチパス化の管理

印刷ビューの終了

更新: 2016 年 11 月
 
 

ディスクドライバをチューニングするための Name:Value ペア形式

sd および ssd ドライバは、特定のチューニング可能プロパティー値を設定できる JSON テキスト name:value 形式をサポートします。

sd ドライバには次の構文を使用します。

sd-config-list = duplet [, duplet]*;

注 -  エントリはセミコロンで終了させてください。そうしないと、構成は無効になり、プロパティーはデフォルト値を保持します。

ssd ドライバには次の構文を使用します。

ssd-config-list = duplet [, duplet]*;

ここで、duplet は「VIDPID」、「tunable [, tunable]*」です

VID

SCSI INQUIRY コマンドへのデバイス応答のベンダー ID (VID) フィールドの内容。VID フィールドは 8 文字の長さにする必要があります。VID フィールドが 8 文字未満の場合、VID の長さが 8 文字になるように空白を追加する必要があります。使用例 4を参照してください。

PID

SCSI INQUIRY コマンドへのデバイス応答の製品 ID (PID) フィールドの内容。PID には左揃えの 16 文字まで含めることができます。16 文字未満を指定した場合、比較は指定した PID の長さに制限されます。

tunable[, tunable] *

tunablename:value ペアです。


注 -  チューニング可能パラメータのスペルを間違えるか、セミコロンでエントリを終了していない場合、構成は無効になり、デバイスのプロパティーのデフォルト値が保持されます。

PID 値は、SCSI INQUIRY コマンドによって返された接頭辞値と sd-config-list または ssd-config-listPID が同じである場合に、一致とみなされます。たとえば、CMS200sd-config-list または ssd-config-list エントリの PID であり、SCSI INQUIRY コマンドで返された PIDCMS200-RCMS200-T、または CMS200-UV10 である場合、すべて一致とみなされます。


SPARC プラットフォームで、ターゲットデバイスが FC デバイスであるかどうか、およびデバイスで MPxIO が有効にされているかどうかによって、そのデバイスを sd または ssd ドライバにバインドできます。prtconf コマンドを使用して、デバイス構成情報をチェックできます。prtconf(1M) マニュアルページを参照してください。

使用例 4  sd.conf ファイルの 2 つのターゲットデバイスの構成

次の例では、sd.conf ファイルで 2 つのターゲットデバイス SAMPLE および SUM を構成する方法を示します。

sd-config-list = "SAMPLE  STTU1234566AB", "delay-busy:6000000000", 
                 "SUM     ABC200_R", "retries-busy:5, throttle-max:300";

この例で、デバイス SAMPLE の場合、VIDSAMPLE で、PIDSTTU1234566AB です。再試行までの遅延時間は 6 秒に設定されます。

デバイス SUM の場合、VIDSUM で、PIDABC200_R です。I/O ビジーステータスでの再試行回数は 5 に設定されます。最大スロットル値は 300 に設定されます。

使用例 5  ssd.conf ファイルの 2 つのターゲットデバイスの構成

次の例では、ssd.conf ファイルで 2 つのターゲットデバイス GATES および SINE を構成する方法を示します。

ssd-config-list = "GATES   AB568536611CD46G", "reset-lun:TRUE", 
                  "SINE    XYZ200_R", "retries-notready:6, throttle-min:200";

この例で、デバイス GATES の場合、VIDGATES で、PIDAB568536611CD46G です。reset-lun チューニング可能パラメータの TRUE の値は、LUN がリセットされることを示します。

デバイス SINE の場合、VIDSINE で、PIDXYZ200_R です。I/O の準備ができていない場合の再試行の回数は 6 に設定されます。最小スロットル値は 200 に設定されます。