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Oracle® Solaris 11.3 カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

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更新: 2016 年 11 月
 
 

スワッピング関連パラメータ

Oracle Solaris OS のスワッピングは、swapfs 擬似ファイルシステムによって行われます。スワップデバイスの空間と物理メモリーを合わせたものが、匿名メモリーのバッキングストアを維持するために利用可能な空間プールとして扱われます。システムは、バッキングストアとして最初にディスクデバイスから空間を割り当てようとし、その次に物理メモリーを使用します。swapfs がバッキングストアとしてシステムメモリーを使用しなければならない場合は、swapfs によるメモリーの使いすぎによってシステムがデッドロックに陥ることがないように制約が課せられます。

swapfs_reserve

説明

システム (UID = 0) プロセス用に予約するシステムメモリー容量を指定します。

データ型

符号なし long

デフォルト

4M バイトと物理メモリーの 1/16 のどちらか小さい方

範囲

最小値は、4M バイトまたは物理メモリーの 1/16 のどちらか小さい方であり、getpagesize によって返されるページサイズに基づくページ数で表されます。

最大値は物理メモリーのページ数です。最大値は、物理メモリーの 10% 以内であるべきです。システムは、「検証」のセクションで記述している場合以外は、この範囲を強制しません。

単位

ページ

動的か

いいえ

検証

なし

どのような場合に変更するか

変更は一般には必要ありません。ソフトウェアプロバイダからの推奨があったり、スワップ空間が取得できないためにシステムプロセスが終了してしまう場合だけ変更します。しかし、それより良い解決策は、物理メモリーかスワップデバイスをシステムに追加することです。

コミットレベル

変更の可能性あり

swapfs_minfree

説明

システムのほかの部分のために、解放しておくべき物理メモリーの容量を指定します。プロセスのスワップ空間としてメモリーを予約しようとするときに、それによって使用可能なメモリーがこの値を下回るおそれがあるとシステムが判断する場合、この要求は拒否されます。この方法で予約されたページは、カーネルやユーザーレベルプロセスによってロックダウンされた割り当てに対してのみ使用できます。

データ型

符号なし long

デフォルト

2M バイトと物理メモリーの 12.5% のどちらか大きい方

範囲

1 から物理メモリーのページ数

単位

ページ

動的か

いいえ

検証

なし

どのような場合に変更するか

システムに使用可能なメモリーがあるのにスワップ空間が得られないためにプロセスが失敗する場合、このパラメータ値を削減することを検討してください。たとえば、システムメモリーの 6.25% を超えて使用しないようにこの値を変更しても、システムメモリーの 5% 未満に削減しないでください。

SPARC システムでは、この値は tsb_alloc_hiwater_factor の値の少なくとも 2 倍にするようにします。詳細は、tsb_alloc_hiwater_factorを参照してください。

コミットレベル

変更の可能性あり