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Oracle® Solaris 11.3 カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

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更新: 2016 年 11 月
 
 

SPARC: プラットフォーム固有のパラメータ

次のパラメータは、sun4v および SPARC M-Series sun4u プラットフォームに適用されます。

tsb_alloc_hiwater_factor

説明

tsb_alloc_hiwater を初期化して、変換ストレージバッファー (TSB) に割り当てることのできる物理メモリー量に、次のように上限を設けます。

tsb_alloc_hiwater = 物理メモリー (バイト数) / tsb_alloc_hiwater_factor

TSB に割り当てられたメモリーが tsb_alloc_hiwater の値と等しい場合、TSB メモリー割り当てアルゴリズムはページがマップ解除されると TSB メモリーを再利用しようとします。

この係数を使用して tsb_alloc_hiwater の値を増やす場合は、注意が必要です。システムのハングを防止するには、高水位値が swapfs_minfreesegspt_minfree の値よりかなり小さくなるようにする必要があります。

データ型

整数

デフォルト

32

範囲

1 から MAXINIT

係数 1 の場合、すべての物理メモリーを TSB に割り当てることができるようになるので、システムが停止する可能性があります。また、係数が大きすぎると、TSB に割り当てることのできるメモリーが残らないので、システムパフォーマンスが低下します。

動的か

はい

検証

なし

どのような場合に変更するか

非常に大型の共有メモリーセグメントに接続するプロセスがシステムに多数ある場合、このパラメータ値を変更します。ほとんどの場合、この変数のチューニングは不要です。

コミットレベル

変更の可能性あり

default_tsb_size

説明

すべてのプロセスに割り当てる初期変換ストレージバッファー (TSB) のサイズを選択します。

データ型

整数

デフォルト

デフォルト値は 0 (8K バイト) で、これは 512 エントリに対応します。

範囲

取り得る値は次のとおりです。

説明
0
8K バイト
1
16K バイト
3
32K バイト
4
128K バイト
5
256K バイト
6
512K バイト
7
1M バイト
動的か

はい

検証

なし

どのような場合に変更するか

通常、この値を変更する必要はありません。しかし、システム上のプロセスの大半が平均より大きい作業用セットを使用する場合、または常駐セットサイズ (RSS) のサイズ調整が無効な場合は、この値を変更することによって利益が得られることもあります。

コミットレベル

変更の可能性あり

enable_tsb_rss_sizing

説明

TSB 発見的容量調整に基づく常駐セットサイズ (RSS) を有効にします。

データ型

ブール型

デフォルト

1 (TSB のサイズ変更が可能)

範囲

0 (TSB は tsb_default_size のまま) または 1 (TSB のサイズ変更が可能)

0 に設定した場合、tsb_rss_factor は無視されます。

動的か

はい

検証

はい

どのような場合に変更するか

0 に設定すると、TSB の増加を防ぐことができます。ほとんどの場合、このパラメータはデフォルト設定のままにしておくべきです。

コミットレベル

変更の可能性あり

tsb_rss_factor

説明

RSS 発見的容量調整の RSS 対 TSB 範囲比を制御します。この係数を 512 で割ると、TSB がサイズ変更候補とみなされるまでに、メモリーに常駐していなければならない TSB 範囲の割合が出ます。

データ型

整数

デフォルト

384。これは 75% の値になります。このため、TSB が 3/4 に達するとサイズが増やされます。いくつかの仮想アドレスは通常、TSB の同じスロットにマップされます。したがって、TSB が 100% に達する前に衝突が起こることがあります。

範囲

0 から 512

動的か

はい

検証

なし

どのような場合に変更するか

TSB での仮想アドレスの衝突による場合など、システムが TSB ミスに起因する過度の数のトラップに直面している場合は、この値を 0 に減らしてもよいかもしれません。

たとえば、tsb_rss_factor を 384 (事実上は 75%) ではなく 256 (事実上は 50%) に変更すると、状況によっては、TSB における仮想アドレスの衝突を排除できることがありますが、特に負荷の大きいシステムでは、カーネルメモリーの使用量が増えます。

TSB の動きは、trapstat –T コマンドでモニターできます。

コミットレベル

変更の可能性あり