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Oracle® Solaris 11.3 カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

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更新: 2016 年 11 月
 
 

rpcmod モジュールのパラメータ

このセクションでは、rpcmod モジュールの NFS パラメータについて説明します。

rpcmod:clnt_max_conns

説明

個々のN FS サーバーと通信するときに、NFS クライアントが使用する TCP 接続の数を制御します。1 つの接続で RPC を多重化できるように、カーネル RPC が構築されます。しかし、必要な場合には複数の接続を使用できます。

データ型

整数 (32 ビット)

デフォルト

8

範囲

1 から 231 - 1

単位

接続

動的か

はい

検証

なし

どのような場合に変更するか

一般には、1 つの接続だけでネットワーク帯域幅全体を使いきることができます。しかし、ネットワークが提供する帯域幅を TCP が 1 つのストリームだけで利用できない場合は、複数の接続を使えば、NFS クライアントと NFS サーバー間のスループットが向上することがあります。

接続数の増加にはそれなりの影響があります。接続数が増えると、各接続を維持するために必要なカーネルリソースの使用量も増えます。

コミットレベル

変更の可能性あり

rpcmod:clnt_idle_timeout

説明

NFS クライアントと NFS サーバー間の接続が終了するまでにアイドル状態を維持できる、NFS クライアント側の時間の長さを制御します。

データ型

long 整数 (64 ビット)

デフォルト

300,000 ミリ秒 (5 分)

範囲

0 から 263 - 1

単位

ミリ秒

動的か

はい

検証

なし

どのような場合に変更するか

NFS クライアント側でどのくらいの間アイドル状態であれば接続を閉じるかを変更する場合は、このパラメータを使用します。システムリソースが浪費されるのを防ぐために、接続を閉じるまでの時間を短縮する場合などです。

コミットレベル

変更の可能性あり

rpcmod:svc_idle_timeout

説明

NFS クライアントと NFS サーバー間の接続が終了するまでにアイドル状態を維持できる、NFS サーバー側の時間の長さを制御します。

データ型

long 整数 (64 ビット)

デフォルト

360,000 ミリ秒 (6 分)

範囲

0 から 263 - 1

単位

ミリ秒

動的か

はい

検証

なし

どのような場合に変更するか

NFS サーバー側でどのくらいの間アイドル状態であれば接続を閉じるかを変更する場合は、このパラメータを使用します。システムリソースが浪費されるのを防ぐために、接続を閉じるまでの時間を短縮する場合などです。

コミットレベル

変更の可能性あり

rpcmod:maxdupreqs

説明

コネクションレストランスポートにおける RPC レベルの再転送を検出する、重複要求キャッシュのサイズを制御します。このキャッシュは、クライアントネットワークアドレス、RPC の手順番号、プログラム番号、バージョン番号、および、トランザクション ID でインデックス化されています。このキャッシュにより、非べき等であるかもしれない再転送要求の処理が防止されます。

データ型

整数 (32 ビット)

デフォルト

8192

範囲

1 から 231 - 1

単位

要求

動的か

キャッシュのサイズは動的に決められますが、キャッシュへの高速アクセスを可能にするハッシュキューのサイズは静的に決められます。キャッシュのサイズを著しく大きくすると、キャッシュ内のエントリの検索に長い時間がかかることがあります。

このパラメータの値を 0 に設定しないでください。0 に設定すると、NFS サーバーが非べき等の要求を処理できなくなります。

検証

なし

どのような場合に変更するか

NFS クライアントで不正な障害エラーが検出された場合は、このパラメータの値を調べます。たとえば、ディレクトリの作成が失敗したのに、実際にはディレクトリが作成されている場合は、再転送された MKDIR 要求をサーバーが検出しなかった可能性があります。

キャッシュのサイズは、サーバーの負荷に見合ったものでなければなりません。キャッシュには非べき等の要求が格納されるため、キャッシュでは、要求全体の一部だけしか管理する必要がありません。キャッシュは、クライアントによる再転送を検出できるだけの間、情報を保持していなければなりません。一般に、コネクションレストランスポートのクライアントのタイムアウトは比較的短く、1 秒から 20 秒くらいです。

コミットレベル

変更の可能性あり

rpcmod:cotsmaxdupreqs

説明

接続型トランスポートにおける RPC レベルの再転送を検出する、重複要求キャッシュのサイズを制御します。このキャッシュは、クライアントネットワークアドレス、RPC の手順番号、プログラム番号、バージョン番号、および、トランザクション ID でインデックス化されています。このキャッシュにより、非べき等であるかもしれない再転送要求の処理が防止されます。

データ型

整数 (32 ビット)

デフォルト

8192

範囲

1 から 231 - 1

単位

要求

動的か

はい

検証

キャッシュのサイズは動的に決められますが、キャッシュへの高速アクセスを可能にするハッシュキューのサイズは静的に決められます。キャッシュのサイズを著しく大きくすると、キャッシュ内のエントリの検索に長い時間がかかることがあります。

このパラメータの値を 0 に設定しないでください。0 に設定すると、NFS サーバーが非べき等の要求を処理できなくなります。

どのような場合に変更するか

NFS クライアントで不正な障害エラーが検出された場合は、このパラメータの値を調べます。たとえば、ディレクトリの作成に失敗したにもかかわらず、実際にはディレクトリが作成されている場合は、再転送された MKDIR 要求をサーバーが検出しなかった可能性があります。

キャッシュのサイズは、サーバーの負荷に見合ったものでなければなりません。キャッシュには非べき等の要求が格納されるため、キャッシュでは、要求全体の一部だけしか管理する必要がありません。キャッシュは、クライアント側の再転送を検出できるだけの間、情報を保持していなければなりません。一般に、コネクション型のトランスポートのクライアントのタイムアウトは非常に長く、1 分くらいです。したがって、エントリは、キャッシュに比較的長く留まる必要があります。

コミットレベル

変更の可能性あり