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Oracle® Solaris 11.3 カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

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更新: 2016 年 11 月
 
 

ZFS メモリー管理パラメータ

このセクションでは、ZFS メモリー管理に関連したパラメータについて説明します。

user_reserve_hint_pct

説明

アプリケーションでの使用のために予約されているメモリー量をシステムに通知することにより、時間の経過とともにキャッシュが増加したときに ZFS ARC キャッシュで使用できるメモリー量を制限します。

管理者は、このパラメータを使用して、将来のアプリケーション要求のために使用可能な空きメモリーの予約を大量に保持できます。user_reserve_hint_pct パラメータは、ZFS ARC キャッシュの増加を制限するために zfs_arc_max パラメータの代わりに使用されることを目的にしています。


注 -  このパラメータのチューニングでのガイダンスについては、My Oracle Support (MOS) にあるドキュメント 1663862.1 Oracle Solaris 11.2 での ZFS とアプリケーションの間でのメモリー管理を確認してください。
データ型

符号なし整数 (64 ビット)

デフォルト

0

既知のメモリーフットプリントを持つ一連のアプリケーションを実行するために専用システムが使用される場合は、このパラメータをそのフットプリントの値 (Oracle データベースの SGA の合計など) に設定します。

このパラメータに値を割り当てるには、My Oracle Support (MOS) にあるドキュメント 1663862.1 で提供されているスクリプトを実行します。このチューニングがリブートのあとも持続されるようにするには、スクリプトの出力を参照して –p オプションの使用方法を確認してください。

範囲

0-99

単位

パーセント

動的

はい

このパラメータの設定は、実行中のシステムで動的に調整できます。

どのような場合に変更するか

時間の経過とともに初期値がアプリケーションの要件に対して不十分であると確認された場合や、システム上でアプリケーション要求が増加した場合は、上向きの調整のためにこの値を増やします。この調整は、スケジュールされたシステム保守ウィンドウ内でのみ実行してください。この値を変更したら、システムをリブートします。

アプリケーションの要件によって許可される場合は、下向きの調整のためにこの値を減らします。この値を減らすときは、1 回につき 5% を超えない少ない量でのみ行うようにしてください。

コミットレベル

変更の可能性あり

zfs_arc_min

説明

ZFS 適応型置換キャッシュ (ARC) の最小サイズを決定します。zfs_arc_maxも参照してください。

データ型

符号なし整数 (64 ビット)

デフォルト

合計メモリーの 0.5%

範囲

64M バイトから zfs_arc_max

単位

バイト

動的か

いいえ

検証

はい、範囲が検証されます。

どのような場合に変更するか

システムのメモリー負荷要求が変動するとき、ZFS ARC は要求の少ない時期はデータをキャッシュし、要求の多い時期は縮小します。ただし、ZFS は zfs_arc_min の値を下回って縮小することはありません。一般には、デフォルト値を変更する必要はありません。

コミットレベル

変更の可能性あり

zfs_arc_max

説明

ZFS 適応型置換キャッシュ (ARC) の最大サイズを決定します。zfs_arc_minも参照してください。

データ型

符号なし整数 (64 ビット)

デフォルト

搭載メモリーが 4G バイト未満のシステムでは、メモリーの 75%

搭載メモリーが 4G バイトを超えるシステムでは、physmem から 1G バイトを引いた値

範囲

64M バイトから physmem

単位

バイト

動的か

いいえ

検証

はい、範囲が検証されます。

どのような場合に変更するか

将来のメモリー要求が非常に大きく、十分に定義されている場合、ARC がメモリー要求と競合しないように、このパラメータの値を減らして ARC を制限することを検討できます。たとえば、将来の負荷がメモリーの 20% を要求することがわかっている場合、残りの 80% より多くのメモリーを消費しないように ARC を制限することは意味があります。

コミットレベル

変更の可能性あり