Oracle® Solaris での OpenStack (Juno) のインストールと構成

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更新: 2016 年 6 月
 
 

Oracle Solaris での Juno バージョンの新機能

このバージョンで OpenStack コアコンポーネントに導入された機能については、次のリリースノート、および必要に応じてその前のバージョンを参照してください。

現在の Juno リリースでの問題のリストについては、My Oracle Support にある各バージョンに対応する Readme ファイルを参照してください。

OpenStack Juno では、次の Oracle Solaris 機能が提供されます。

  • VM インスタンスのコンソールサポート。ユーザーのリクエストに基づき、各インスタンスのコンソールにブラウザからアクセスできます。

  • Horizon では、システムで利用可能な場合は Apache 2.4 がデフォルトで使用されます。そのため、TLS と HTTP の両方の httpd.conf フラグメントが Apache 2.4 の samples-conf.d ディレクトリに含まれています。

  • Neutron の場合は、テナントネットワークの完全な IPv6 サポート、およびソース NAT (SNAT) のサポート。

    デフォルトで、SNAT は Neutron ルーターのゲートウェイインタフェース上で有効です。この機能を無効にするには、neutron router-gateway-set --disable-snat コマンドを実行します。

    さらに Neutron では、次の機能が Juno でサポートされています。

    • メタデータサービス

    • フラット (タグなし) レイヤー 2 ネットワークタイプ

    • 新しい Neutron サブコマンド

    これらの Neutron 機能の詳細は、Solaris OpenStack Juno Neutron の新機能の項目を参照してください。

  • Swift 2.2.2 のアップグレードサービスに対応する追加の SMF サービスが導入され、ネットワークパーティションからの回復後に Swift コンテナ内のオブジェクトを調整します。

  • OpenStack および EC2 と互換性のあるメタデータサービスのサポート。

  • Oracle Solaris 11.3 SRU 2 リリースからは、Cinder に関連した次の機能が追加されました。

    • リモート SAN ストレージの使用

      ローカルで管理されている ZFS ボリュームでの動作とは別に、Paramiko のサポートにより、Cinder はまた、リモート Solaris ノード上のこれらの ZFS ボリュームも iSCSI またはファイバチャネルプロトコルを使用した SAN ストレージとしてプロビジョニングできます。リモートシステムは、複数のストレージバックエンドに構成することによって調整できます。

    • ボリュームのバックアップおよび復元操作のサポート

      Oracle Solaris では現在、Cinder バックアップ SMF サービスが有効になっています。そのため、未接続のボリュームをバックアップし、構成済みバックエンド間で復元できます。現在は、Swift が唯一のサポートされるバックエンドです。

    • Cinder ボリュームの移行のサポート

      Cinder では、Cinder ボリュームの移行に ZFS 操作を利用します。ZFS の送受信プロセスを使用すると、異なる構成済み Cinder バックエンド間でのボリュームの移行が可能になります。移行先が移行元と同じ zpool に存在する場合は、ZFS の名前変更操作が使用されます。現在、Cinder ボリュームの移行のサポートは単一システムに制限されています。

  • Oracle Solaris 11.3 SRU 6 リリースからは、Nova に関連した次の機能が追加されています。

    • ライブ移行

      Horizon サービスのダッシュボードまたは nova コマンドを使用してライブ移行を開始できます。参加しているノードの中からスケジューラが移行のターゲットホストを選択します。これらのノードには、互いのパブリック SSH 鍵が存在する必要があります。VM インスタンスの移行および退避を参照してください。

      暗号化により、ライブ移行操作は確実にセキュアになります。/etc/nova.conf ファイル内のパラメータを使用して、使用する暗号化を手動で選択するか、またはプロセスに適切な暗号化を選択させることができます。

    • インスタンス退避のサポート

      nova evacuate の機能です。ホストに障害が発生した場合や、ホスト上でサービスが無効になっている場合は、インスタンスを別のノードに安全に移動して、そのノードから回復できます。退避のサポートは、ルートデバイスが共有ストレージ上に存在する場合にのみ利用できます。さらに、退避は非大域ゾーンではなく、カーネルゾーンでのみサポートされます。

    • VM インスタンスのサイズ変更

      VM インスタンスの新しいフレーバへのサイズ変更がサポートされています。VM インスタンスについて、CPU の数や使用可能なメモリーの量を増やしたり減らしたりできます。さらに、インスタンスで使用できるルートボリュームのサイズを増やすこともできます。ただし、ルートボリュームのサイズを減らすことは現在サポートされていません。