Oracle® Solaris での OpenStack (Juno) のインストールと構成

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更新: 2016 年 6 月
 
 

ログファイルの調査

SMF サービスとさまざまな Oracle Solaris プロセスが生成するログファイルでは、エラーメッセージを探したり、画面に表示されたメッセージの詳細情報を集めたりできます。SMF サービスのログファイルには貴重なデバッグ情報が含まれています。

OpenStack は通常は複数のシステムにインストールされるため、確認が必要なログファイルもさまざまな場所にある必要があります。より体系的なトラブルシューティングについては、ノードごとにログを検査します。

SMF サービスに関する問題を解決する場合の一般的なヘルプについては、使用しているオペレーティングシステムのリリースに該当する『Oracle Solaris でのシステムサービスの管理』にあるトラブルシューティングのセクションを参照してください。http://docs.oracle.com/en/operating-systems/ 内の該当するライブラリに移動します。

サービスを表示するには、適切な権限があることを確認してください。OpenStack サービスのログファイルを表示したり、pfedit コマンドを使用して OpenStack サービスの構成ファイルを変更したりするには、適切な RBAC プロファイルを引き受けてください。次のプロファイルを割り当てることができます。

  • OpenStack ブロックストレージの管理

  • OpenStack コンピューティングの管理

  • OpenStack アイデンティティーの管理

  • OpenStack イメージの管理

  • OpenStack ネットワークの管理

  • OpenStack オブジェクトストレージの管理

  • OpenStack の管理

トラブルシューティングするには、次の一般的なコマンドを使用します。

  • 特定のノードで実行中の OpenStack サービスを見つけるには:

    # svcs -a | grep openstack
  • 保守モードである可能性のあるサービスを一覧表示するには:

    # svcs -x
    svc:/application/openstack/swift/swift-replicator-rsync:
          default (OpenStack Swift Replication Service)
    State: maintenance since Fri May 22 04:06:11 2015
    Reason: Start method exited with $SMF_EXIT_ERR_FATAL.
       See: http://support.oracle.com/msg/SMF-8000-KS
       See: rsync(1)
       See: rsyncd.conf(5)
       See: /var/svc/log/application-openstack-swift-swift-replicator-rsync:default.log
    Impact: This service is not running.

    サービスが保守モードにある場合は、サービスのログファイルを確認してください。

  • 特定の OpenStack サービスのログを特定するには:

    # svcs -L openstack-service

    例:

    # svcs -L neutron-server
    /var/svc/log/application-openstack-neutron-neutron-server:default.log

    適切な権限があれば、–Lv のようにオプションを組み合わせることで、サービスのログを一覧表示して確認できます。

  • 特定のログに記録されているエラーのインスタンスをただちに識別するには、grep などの一般的な UNIX コマンドを使用できます。

    # grep keyword `svcs -L openstack-service`

    errorwarning、およびその他の重要なキーワードの出現箇所を検索して、エラーメッセージを直接読み取ることができます。

  • ネットワーキングの問題をトラブルシューティングするときに EVS プロパティーを確認するには、evsadm show-prop などのさまざまな evsadm サブコマンドを使用します。

  • OpenStack の list コマンド行は、コンポーネントのステータスに関する情報を提供できます。たとえば nova list はコンピュートノードのアクティブなインスタンスを表示し、nova image-list は使用可能なイメージとそのステータスを表示します。サンプル出力は、イメージに関する情報の表示を参照してください。

多くの場合、次のログにはトラブルシューティングに役立つ情報が含まれています。

  • nova-compute

  • nova-scheduler

  • cinder-scheduler

  • neutron-server

SMF サービスログファイルだけでなく、/var/log ディレクトリ内のログも確認できます。その他の Oracle Solaris プロセスと同様に、OpenStack サービスも専用のログファイルを /var/log/openstack-service ディレクトリ 内に生成します。

たとえば、OpenStack イメージストアのログファイルは /var/log/glance にあります。VM インスタンスの作成とブートの問題は、/var/log/zones ディレクトリに記録されることがあります。メッセージングのログは、/var/log/rabbitmq/rabbit@hostname.log として格納されます。

ほとんどの OpenStack 構成ファイルは、/etc ディレクトリの OpenStack サービス名の下にあります。たとえば、OpenStack ネットワークの構成ファイルは /etc/neutron にあります。Horizon の構成ファイルは /etc/openstack_dashboard にあります。Nova のものは /etc/nova にあります。ほかも同様です。サービスの構成ファイルで次のパラメータを設定またはコメント解除することで、これらのファイルを特定のサービスのトラブルシューティングに使用できます。

  • debug=true

  • verbose=true

これらのパラメータによって、その構成ファイルによって影響を受ける操作からさらに多くの出力を表示できます。http://www.oracle.com/technetwork/articles/servers-storage-admin/getting-started-openstack-os11-2-2195380.htmlOracle Solaris 11.3 での OpenStack の入門ガイドにある OpenStack の一般的な構成パラメータに関するセクション、または OpenStack ドキュメントサイトにある OpenStack 構成リファレンスで、構成オプションの表を参照してください。


注 -  個々の OpenStack サービスコマンドは、–debug オプションも使用できます。このオプションは、構成ファイルで debug=true を設定することと等価です。