目次
このマニュアルについて
第 1 章 iPlanet Web Server の基礎知識
第 2 章 iPlanet Web Server の管理
第 3 章 管理プリファレンスの設定
第 4 章 ユーザとグループの管理
第 5 章 サーバ セキュリティ
第 6 章 サーバ クラスタの管理
第 7 章 サーバのプリファレンスの設定
第 8 章 ログ ファイルの理解
第 9 章 SNMP によるサーバのモニタ
第 10 章 サーバの設定によるパフォーマンス チューニング
第 11 章 プログラムによるサーバの拡張
第 12 章 コンフィグレーション スタイルの操作
第 13 章 サーバのコンテンツ管理
第 14 章 サーバへのアクセスの制御
第 15 章 Web パブリッシングの設定
第 16 章 検索機能の使用
付録 A HTTP (HyperText Transfer Protocol)
付録 B ACL ファイルのシンタックス
付録 C 国際化 iPlanet Web Server
付録 D Microsoft FrontPage のサーバ拡張機能
付録 E iPlanet Web Server
用語集
索引
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付録 C 国際化 iPlanet Web Server

インターナショナル バージョンの iPlanet Web Server には、米国以外の環境向けに調整された特殊機能があります。この機能では、ユーザ インターフェイス言語 (日本語、フランス語、ドイツ語) を選択したり、さまざまな言語によるテキスト検索が可能な検索エンジンを選択したりすることができます。

この付録には次の節があります。


一般情報
この節では、一般的なサーバ機能に関する国際的考慮事項について説明します。

この節には次のトピックがあります。

サーバのインストール
サーバのインストール時に、インストールする検索エンジンだけでなく、使うユーザ インターフェイス言語を選択します。

インターナショナル バージョンのサーバのインストールについては、『iPlanet Web Server、Enterprise Edition 4.1 リリース ノート』を参照してください。README ファイルのリンクから『リリース ノート』 オンラインにアクセスすることができます。

8 ビット テキストの入力
サーバ マネージャまたは管理サーバ フォームに 8 ビット データを入力するときは、この節の内容に注意してください。

ファイルまたはディレクトリ名
ファイルまたはディレクトリ名を URL で表示する場合、8 ビットおよびマルチバイト文字を使うことはできません。

LDAP ユーザとグループ
電子メール アドレスには、RFC 822 (ftp://ds.internic.net/rfc/rfc822.txt)で許可された文字のみを使います。 ユーザ ID およびパスワード情報は、ASCII 形式で保存する必要があります。

ローカル データベースを使う場合、8 ビットやマルチバイト文字で入力することもできますが、1 つの文字セットに統一する必要があります。同じデータベースで複数の文字セットを使うと、表示や検索に問題が生じることがあります。

Directory データベースで 8 ビットまたはマルチバイト文字を使う必要がある場合は、Netscape Directory Server バージョン 4.x との将来の互換性を考えて UTF-8 で保存します。文字を入力するフォーマットが適切かどうかを確認するには、UTF-8 フォームが可能なクライアント (Netscape Communicator など) を使って、8 ビットまたはダブルバイトのデータを入力します。

ユーザが独自のユーザ情報やグループ情報にアクセスできるようにする場合は、UTF-8 フォームが可能なクライアントを使う必要があります。

ノート iPlanet Web Server 4.x には、ldapsearch および ldapmodify ユーティリティは実装されていません。 古いバージョンの iPlanet Web Server には実装されていましたが、これらのバージョンではローカル LDAP データベースのサポートを採用していました。 iPlanet Web Server 4.x では、上記のユーティリティを含む LDAP サーバを使います。

ノート 並列 LDAP セッションの最大数は、デフォルトで 8 に設定されていますが、この制限を書き換えることも可能です。iPlanet Web Server 4.x には、dbswitch.conf に一覧表示される LDAP コネクションの binddn および bindpw プロパティだけでなく、sessions プロパティがあります。値は数字で表示され、このプロパティで LDAP セッション プールでの並列コネクションの最大数を設定します。

Accept Language ヘッダの使用
クライアントが HTTP 1.1 を使ってサーバに接続すると、クライアントは、受信するさまざまな言語を記述するヘッダ情報を送信することができます。サーバがこの言語情報を解析するように設定することができます。

たとえば、この機能をオンに設定し、Accept Language ヘッダを送信するように設定したクライアントが、enfr 値と共にヘッダを送信するとします。 ここで、クライアントが次のような URL を要求しているとします。

サーバはまず次の場所を検索します。

検出されないと、次の場所を検索します。

いずれの場所も利用できず、magnus.conf ファイルに ClientLanguage ( xx とされます) が定義されている場合、サーバは次の場所を検索します。

以上のうち、いずれも検出されなければ、次の場所を検索します。

コンフィグレーション ファイルの言語設定
magnus.conf ファイルにある次のディレクティブは、言語に影響を与えます。

表 C.1 magnus.conf の国際設定
ディレクティブ

説明
ClientLanguage
enfrdeja
"見つかりません" や "アクセス拒否" などのクライアント メッセージを表示する言語を指定します。この値は nshttps.db のあるディレクトリの識別に使われます。
DefaultLanguage
enfrdeja
リソースがクライアント言語または管理言語では検出されない場合に使われる言語を指定します。
AcceptLanguage
onoff
Accept Language ヘッダの解析を可能にしたり無効にしたりします。

ns-admin.conf ファイルにある次のディレクティブは、言語に影響を与えます。

表 C.2 ns-admin.conf での国際設定 
ディレクティブ

説明
ClientLanguage
enfrdeja
クライアントが Accept Language ヘッダを送信しない場合、ClientLanguage がディレクトリ サーバのユーザ情報とパスワード ページの言語を定義します。nsadmin.db のあるディレクトリを検索するには、2 文字の値コードが使われます。
AdminLanguage
enfrdeja
管理サーバからアクセスされる、管理ページで使われる言語を設定します。
DefaultLanguage
enfrdeja
値が、クライアントまたは管理言語で検出されない場合に使われる言語です。


サーバサイド JavaScript 情報
サーバサイド JavaScript をサーバのインターナショナル バージョンと併用する場合は、アプリケーションをコンパイルしたり、データベースを使ったりするときに考慮すべき事項があります。たとえば、JavaScript アプリケーションの言語は、コンパイラまたは HTML <META> タグのどちらを使うかを指定することができます。

コンパイラの文字セットの指定
インターナショナル バージョンでは、サーバサイド JavaScript コンパイラ (jsac) に charSet という -l オプションがあります。このオプションでは、入力 HTML ファイルで使われる文字セットを指定することができます。 charSet の値は、次の文字セットの名前のいずれかです。

表 C.3 charSet の有効値
言語
charSetの値
西ヨーロッパ文字
iso-8859-1
中央ヨーロッパ文字
iso-8859-2
キリル文字
iso-8859-5
日本語文字
iso-2022-jpx-sjisx-euc-jp
韓国文字
iso-2022-krx-euc-kr
簡体版中国文字
x-gb2312
繁体版中国文字
x-big5x-euc-ch
ギリシャ文字
iso-8859-7
トルコ文字
iso-8859-9

使用法
このオプションを使うときのフォーマットは次のとおりです。

jsac [-cdv] [-l charSet] -o binaryFile [-i] inputFile1 [-i] inputFile2 ...

jsac [-cdv] -o binaryFile -f includeFile

jsac -h

オプション
次の表はコンパイラのオプションを示しています。

表 C.4 jsac コンパイラのオプション  
オプション
使用法
-c
確認のみを行います。 binaryFile は生成しません。
-v
詳細出力を有効にします。
-d
デバッグ出力を有効にします。
-o
binaryFile の名前 (出力ファイル)。
-i
inputFile の名前 (入力ファイル名が切り替え文字で始まる場合に使用)。
-f
includeFile の名前 (入力ファイル名があり、スペースで区切られています)。
-l
charSet の名前 ( iso-8859-1x-sjiseuc-kr など)。
-h
このヘルプを表示します。

ファイル名に使用できる拡張子を次の表に要約します。

表 C.5 ファイルの 拡張子
拡張子
ファイル タイプ
.html または .htm
HTML ソース ファイル ( JavaScript を含む場合もあり)
.js
JavaScript ソース ファイル
.web
バイナリ出力ファイル

コンパイラ オプションを使って指定できる言語は 1 つです。複数の言語を指定する場合は、それぞれのファイルの <META> タグを使います。

<META> タグの文字セットの指定
<META>タグを使って、文字セット情報を指定することもできます。たとえば、次のようなステートメントを JavaScript プログラムでヘッダ ( <HEAD></HEAD> の間) に入力すると、サーバサイド JavaScript コンパイラ (jsac) は、x-sjis に書き込まれるファイルであると見なします。

<META> タグで指定された文字セットが、コンパイラの charSet オプションが指定する文字セットと異なる場合、コンパイラが指定する文字セットが使われます。

Oracle の日本語データベースでのサーバサイド Javascript の使用
サーバサイド JavaScript を Oracle の日本語データベースで使う場合、Oracle をインストールしてから環境をセットアップし、コネクションの確認、および言語のセットアップの確認を行います。次の手順に従ってください。この節には次のトピックがあります。

Oracle のインストールと環境のセットアップ
まず、日本語の Oracle データベースをインストールします。データベースに付属しているドキュメントの指示に従います。次に、次のような情報を使って環境変数をセットアップします。環境変数のシンタックスは、C シェルを想定していますので注意してください。

サーバサイド JavaScript ライブラリ

  • setenv LD_LIBRARY_PATH server_root/bin/https:$LD_LIBRARY_PATH
Oracle の環境変数

  • setenv ORACLE_HOME oracle_root
    例 : /usr/oracle7
  • setenv ORACLE_SID oracle_service_ID
    例 : WG73
  • setenv TNS_ADMIN path_to_tnsnames.ora
    例 : /.../tnsnames.ora
Oracle の NLS (National Language Support) の環境変数

パスの環境変数

  • setenv PATH server_root/bin/https:$ORACLE_HOME/bin:$PATH
コマンド ラインからWeb サーバを再起動します。

コネクションの確認

  1. アプリケーション マネージャで dbadmin を選択して実行します。
  2. [Connect to Database Server] をクリックします。

  3. ウィンドウに次の情報を入力して、[Connect] をクリックします。サーバの識別子、ユーザID、またはパスワードがこれらのデフォルトの値と異なる場合は、実際の値をここに入力します。

表 C.6

フィールド

サーバ タイプ
ORACLE
サーバ識別子
WG73
ユーザ ID
system
パスワード
manager
データベース

エラーが表示されなければ、接続されています。

言語セットアップの確認
videoapp サンプル アプリケーションを使って、言語セットアップの確認を行います。

  1. ORACLE のインストールで、上記の表に示された値と異なる値のサーバ識別子、ユーザ ID、またはパスワードがある場合、start.htm ファイルの次のような行で実際の値を指定する必要があります。
  2. ディレクトリ内でスクリプトの作成を実行して、JavaScript コードを再コンパイルします。
  3. アプリケーション マネージャで、vidoeappを選択して実行します。
  4. [Add New Customer] をクリックし、指定した文字セットのデータを入力します。
  5. [Home] をクリックし、videoapp ホームページに戻ってから、[Save Changes] をクリックします。
  6. [Delete a Customer] をクリックします。
  7. 入力したデータが表に表示されているかどうかを確認します。データが適切な言語でデータベースに表示されていれば、その言語が正確にセットアップされたことになります。
独立したホストへのOracle クライアントとデータベース サーバの導入
独立したホストに、Oracle のクライアント (サーバサイド JavaScript データベースのサービスを使用)、および Oracle のデータベース サーバを導入するには、次の手順を実行します。

  1. クライアント サイドで、tnsnames.ora にあるサーバを参照する SERVER SID エイリアスを定義します。
  2. TWO_TASK 環境変数を、tsnames.ora ファイルで定義されている SERVER SID エイリアスに設定します。例は次のとおりです。
  3. NLS_LANG 環境変数を、適切なクライアント言語と文字セット情報に設定します。
  4. サンプル アプリケーション videoappを使って、start.htm ファイルを次のように編集します (この例では、SERVER SID エイリアスは remoteDB を想定しています)
  5. [Add New Customer] をクリックし、指定した文字セットでデータを入力します。
  6. [Home] をクリックし、videoapp ホームページに戻ってから、[Save Changes] をクリックします。
  7. [Delete a Customer] をクリックします。
  8. 入力したデータが表に表示されるかどうかを確認します。データベースにデータが適切に表示されていれば、システムは正確に設定されています。

検索情報
検索機能がサポートする言語は次のとおりです。

サーバのインターナショナル バージョンをインストールするときは、インストールする検索エンジンを選択します。

国際検索とオート カタログ
さまざまな文字セットでエンコードされているドキュメントがサーバにある場合、ドキュメントの検索コレクションやオート カタログは、オリジナルと同じエンコードを継承します。異なる文字セットのエンコードでドキュメントを表示するには、ユーザは文字セットのエンコードをブラウザに応じて変更します。また、テキスト検索およびオート カタログ機能は、一度に 1 つの文字セット エンコードに対して実行されるので、この機能を使っているときに誤った結果を受け取ることがあります。良い結果を出すには、すべてのドキュメントに特定の 1 つの文字セットを使います。

中国語、日本語、韓国語での検索
次に日本語、韓国語、中国語で検索する場合の情報を説明します。

クエリ演算子
今回のリリースでは、次のような日本語、韓国語、および中国語のクエリ演算子をサポートしています。

表 C.7 日本語用クエリ演算子
演算子
日本/ 韓国/ 中国文字
AND
はい
CONTAINS
いいえ
ENDS
はい
MATCHES
はい
NEAR
はい
NEAR/N
はい
NOT
はい
OR
はい
PHRASE
はい
STARTS
はい
STEM
英語のみ
SUBSTRING
はい
WILDCARD *
はい
WILDCARD ?
はい
WILDCARD {}
いいえ
WILDCARD []
いいえ
WILDCARD ^
いいえ
WILDCARD -
いいえ
WORD
はい

ドキュメント形式
今回のリリースでは、次のような日本語、韓国語、および中国語のドキュメント形式をサポートしています。

日本語での検索
次の節では、日本語文字セットでの検索に関する追加情報を提供します。

ドキュメント コード

今回のリリースでは、次のような日本語のドキュメント コードをサポートしています。

検索単語

今回のリリースでは、次のような検索単語をサポートしています。

検索エンジンでは、半角のカタカナは全角のカタカナに、全角のASCII 文字列は半角の ASCII 文字列に変換されます。ユーザは、同じ文字に全角と半角のいずれかを使うこともできます。

今回のリリースでは、句や文の検索もサポートしています。


ファイル名のアクセント記号付き文字のサポート
サーバのファイル名にアクセント記号付き文字、たとえば elnin?.html などの文字がある場合、検索コレクションの内部コードとして、8859 文字セットを指定すると、サポートを取得することができます。8859 を指定するには、<serverRoot>\plugins\search\adminディレクトリの language.conf ファイルを変更します。このファイルは、検索エンジン、Web パブリッシング、およびサーバのドキュメント インデックス機能で使われます。

language.conf ファイルには、次のような英語用の行があります。これらの行により、サーバは、デフォルトの文字セットとして 8859 を使ってコンフィグレーション ファイルを利用することができます。コンフィグレーション ファイルは <serverRoot>\plugins\search\common ディレクトリにあります。

8859 を指定するには、コメント文字 (#)を削除して、language.conf にあるこれらの行を有効にします。

コレクションが作成された後で、この変更を language.conf ファイルに行う場合、コレクションでファイル名のアクセント付き文字をサポートするには、そのコレクションを削除し、ファイルに変更を行い、ドロップ ダウン リストの [Documents are in] から "英語 NS 8859 (ISO-8859-1" を選択してコレクションを再び作成し、コレクションにあるすべてのドキュメントに対して再びインデックスを行います。

 

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