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マニュアルページセクション 1M: システム管理コマンド     Oracle Solaris 11 Information Library (日本語)
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ypxfr_2perday(1M)

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zfs_allow(1M)

zfs_encrypt(1M)

zfs_share(1M)

zic(1M)

zoneadm(1M)

zoneadmd(1M)

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zonep2vchk(1M)

zonestatd(1M)

zpool(1M)

zstreamdump(1M)

useradd

- システムでの新しいユーザーログインの管理

形式

useradd [-A authorization [,authorization...]] 
     [-b base_dir] [-c comment] [-d dir] [-e expire] 
     [-f inactive] [-g group] [-G group [,group]...] 
     [-K key=value] [-m [-k skel_dir]] [-p projname] 
     [-P profile [,profile...]] [-R role [,role...]] 
     [-s shell] [-S repository] [-u uid [-o]] login
useradd -D [-A authorization [,authorization...]] 
     [-b base_dir] [-s shell [-k skel_dir]] [-e expire] 
     [-f inactive] [-g group] [-K key=value] [-p projname] 
     [-P profile [,profile...]] [-R role [,role...]]

機能説明

useradd は、files および ldap リポジトリの passwdshadow、および user_attr データベースに新しいユーザーを追加します。-A および -P オプションは、それぞれ承認とプロファイルをユーザーに割り当てます。-R オプションはユーザーに役割を割り当てます。-p オプションはユーザーにプロジェクトを関連付けます。-K オプションは、ユーザーの user_attr エントリに key=value ペアを追加します。-K オプションを複数使用して、複数の key=value ペアを追加できます。

また、useradd では必要に応じて、ユーザーの補助グループメンバーシップを作成したり (-G オプション)、ユーザーのホームディレクトリを作成したり (-m オプション) できます。新しいログインは、passwd(1) コマンドが実行されるまで、ロックされたままになります。

useradd -D-s-k-g-b-f-e-A-P-p-R、または -K オプション (またはこれらのオプションを任意に組み合わせたもの) を指定すると、それぞれ対応するフィールドのデフォルト値を設定できます。下記の -D オプションを参照してください。そのあとで useradd コマンドを -D オプションなしで実行すると、これらの引数が使用されます。

このコマンドで作成されるシステムファイルエントリには、1 行あたり 2048 文字の制限があります。複数のオプションに長い引数を指定する場合は、この制限を超える可能性があります。

useradd で設定するユーザー名は、passwd(4) で説明されている形式でなければなりません。これらの要件が満たされていない場合は、警告メッセージが表示されます。ユーザー名の要件については、passwd(4) を参照してください。

新しいユーザーを作成するには、管理者に User Management プロファイルが付与されている必要があります。passwdshadow、および user_attr の各種フィールドの設定に必要な承認については、passwd(4)shadow(4)、および user_attr(4) を参照してください。グループおよびプロジェクトの割り当てに必要な承認については、group(4) および project(4) を参照してください。

オプション

次のオプションがサポートされています。

-A authorization

auth_attr(4) で定義されている、1 つまたは複数のコンマ区切りの承認。承認の grant 権を持っているユーザーまたは役割だけが、その承認をアカウントに割り当てることができます。

-b base_dir

新しいログインホームディレクトリのベースディレクトリ (-d オプションを参照)。新しいユーザーアカウントを作成する場合、-m オプションまたは -d オプションを同時に指定するときを除き、base_dir はすでに存在している必要があります。

-c comment

任意のテキスト文字列を指定できます。一般にはログインの簡単な説明文ですが、現在はユーザーのフルネームを表すフィールドとして使用されています。この情報は、ユーザーの passwd エントリに保存されます。

-d dir

新しいユーザーの auto_home エントリを指定します。パス /home/username/etc/passwd に入ります。ユーザーが続けて /home/username を参照すると、オートマウンタはここに指定されているディレクトリを /home/username にマウントします。

-d オプションの引数は server:dir として指定できます。ここで、server はホームディレクトリがあるマシンのホスト名、dir はユーザーのホームディレクトリへのパスです。サーバーがリモートホストの場合、ユーザーのログイン時にシステムがホームディレクトリをマウントするために、リモートホストにホームディレクトリを作成する必要があります。-m オプションが指定されていて、サーバー名が指定されていない場合、ホームディレクトリはコマンドが実行されたホストに作成されます。

-D

groupbase_dirskel_dirshellinactiveexpireprojprojname、および key=value ペアのデフォルト値を表示します。-g-b-f-e-A-P-p-R、または -K とともに -D オプションを使用すると、指定したフィールドのデフォルト値を設定できます。デフォルト値は次のとおりです。

group

other (GID は 1)

base_dir

/export/home

skel_dir

/etc/skel

shell

/usr/bin/bash

inactive

0

expire

NULL 文字列

auths

NULL 文字列

profiles

NULL 文字列

proj

3

projname

default

key=value (user_attr(4) に定義されているペア)

存在しない

roles

NULL 文字列

-e expire

ログインの有効期限を指定します。この日付を過ぎると、どのユーザーもこのログインにアクセスできなくなります。expire オプション引数の日付は、テンプレートファイル /etc/datemsk に含まれている日付形式のいずれかを使用して入力します。getdate(3C) を参照してください。

選択した日付形式にスペースが含まれている場合は、引用符で囲む必要があります。たとえば、10/6/90 または October 6, 1990 と入力できます。NULL 値 (" ") を指定すると、期限切れのステータスは無効になります。このオプションは一時的なログインを作成する場合に役立ちます。

-f inactive

ログイン ID が最後に使用された日から無効と宣言されるまでの、最大日数を指定します。通常は正の整数です。値 0 を指定すると、このステータスは無効になります。

-g group

既存グループのグループ ID (整数) または名前 (文字列) を指定します。-D オプションが指定されていない場合、新しいユーザーの一次グループメンバーシップを定義します。デフォルトでは、デフォルトグループになります。このデフォルト値は、useradd -D -g group を呼び出すことで再設定できます。0 から 99 の GID は、Solaris オペレーティングシステムによる割り当て用として予約されています。

-G group

既存グループのグループ ID (整数) または名前 (文字列) を指定します。新しいユーザーの補助グループメンバーシップを定義します。group-g オプションと -G オプションで重複して指定されている場合、その項目は無視されます。指定できるグループの数は NGROUPS_MAX 以下です。0 から 99 の GID は、Solaris オペレーティングシステムによる割り当て用として予約されています。

-K key=value

ユーザーの属性に追加する key=value ペアを指定します。-K オプションを複数使用して、複数の key=value ペアを追加できます。暗黙に指定される特定のキーオプション (-A-P-R-p) の代わりに、汎用の -K オプションと適切なキーを使用できます。使用可能な key=value ペアのリストについては、user_attr(4) を参照してください。type キーは、このオプションに有効なキーではありません。キーを重複して指定することはできません。

-k skel_dir

新しいユーザーのログインのホームディレクトリにコピーできるスケルトン情報 (.profile など) を格納しているディレクトリを指定します。このディレクトリはすでに存在している必要があります。システムには、この目的のために使用できるスケルトンディレクトリとして /etc/skel が用意されています。

-m

新しいユーザーのホームディレクトリが存在していない場合は、新たに作成します。ホームディレクトリがすでに存在している場合、そのディレクトリには group (ユーザーの一次グループ) による読み取り権、書き込み権、および実行権が設定されている必要があります。-d オプションに指定されたサーバー名がリモートホストの場合、システムはホームディレクトリの作成を試みません。

ディレクトリがまだ存在しない場合は、新しい ZFS データセットが作成されます。大域ゾーンにデータセットが rpool/export/home/username として作成されます。大域ゾーン以外の場合、データセットは ROOT-dataset/export/home/username として作成されます。ZFS データセットのマウントポイントは、デフォルトでは /export/home/username です。-d path が指定され、それがローカルマシン上のパスである場合、データセットは指定された場所にマウントされます。ZFS スナップショットを作成してそれをプロモートするためのアクセス権がユーザーに委任されます。新しく作成されるデータセットは、その親から暗号化設定を継承します。暗号化されている場合は、そのラップ鍵を変更するためのアクセス権がユーザーに委任されます。

-o

重複した (一意でない) UID を許可します。

-P profile

prof_attr(4) で定義されている実行プロファイルを 1 つ以上、コンマで区切って指定します。

-p projname

追加するユーザーに関連付けるプロジェクトの名前を指定します。project(4) で定義されている projname フィールドを参照してください。

-R role

user_attr(4) で定義されている実行プロファイルを 1 つ以上、コンマで区切って指定します。役割をほかの役割に割り当てることはできません。

-s shell

ユーザーのログインシェルとして使用するプログラムのフルパス名を指定します。指定しない場合は、以前に -D -s オプションで構成された値にデフォルトが設定されます。-D -s でデフォルトが設定されていない場合は、/usr/bin/bash が使用されます。 shell の値は有効な実行可能ファイルでなければなりません。

-S repository

有効なリポジトリは、filesldap です。リポジトリは、更新するネームサービスを指定します。デフォルトのリポジトリは files です。リポジトリが files の場合、承認、プロファイル、および役割が、別のネームサービスリポジトリに存在していても、files リポジトリ内のユーザーに割り当てることができます。リポジトリが ldap の場合、割り当て可能な属性はすべて ldap リポジトリに存在している必要があります。

-u uid

新しいユーザーの UID を指定します。この UID は、<sys/param.h> ヘッダーファイルで定義された MAXUID より小さく、かつ負でない 10 進整数でなければなりません。UID のデフォルトは、現在割り当てられている最大の値の次に大きい使用可能な (一意の) 値です。たとえば、UID 100、105、および 200 が割り当て済みの場合、次のデフォルトの UID 番号は 201 になります。0 から 99 の UID は、Solaris オペレーティングシステムによる割り当て用として予約されています。

ファイル

/etc/datemsk

/etc/passwd

/etc/shadow

/etc/group

/etc/skel

/usr/include/limits.h

/etc/user_attr

属性

属性についての詳細は、attributes(5) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
system/core-os
インタフェースの安定性
確実

関連項目

passwd(1), profiles(1), roles(1), users(1B), groupadd(1M), groupdel(1M), groupmod(1M), grpck(1M), logins(1M), pwck(1M), userdel(1M), usermod(1M), getdate(3C), auth_attr(4), group(4), passwd(4), prof_attr(4), project(4), user_attr(4), attributes(5)

診断

エラーが発生した場合、useradd はエラーメッセージを表示し、ゼロ以外のステータスで終了します。

次のメッセージは、指定された login がすでに使用されていることを示します。

UX: useradd: ERROR: login is already in use. Choose another.

次のメッセージは、-u オプションで指定された uid が一意でないことを示します。

UX: useradd: ERROR: uid uid is already in use. Choose another. 

次のメッセージは、-g オプションで指定された group がまだ作成されていないことを示します。

UX: useradd: ERROR: group group does not exist. Choose another. 

次のメッセージは、-u オプションで指定された uid が予約済み UID の範囲 (0 から 99) に含まれていることを示します。

UX: useradd: WARNING: uid uid is reserved.

次のメッセージは、-u オプションで指定された uid<sys/param.h> で定義された MAXUID を超えていることを示します。

UX: useradd: ERROR: uid uid is too big. Choose another.

次のメッセージは、/etc/passwd または /etc/shadow ファイルが存在しないことを示します。

UX: useradd: ERROR: Cannot update system files - login cannot be created.

次のメッセージは、コマンドを実行したユーザーに、この操作を実行するための十分な承認がないことを示します。

UX: roleadd: ERROR: Permission denied.

次のメッセージは、useradd コマンドで無効なディレクトリが指定されたことを示します。

UX: invalid_directory is not a valid directory. Choose another.

注意事項

useradd ユーティリティーは、デフォルトの有効範囲または指定された有効範囲内にある passwdshadowgroupproject、および user_attr データベースに定義を追加します。このユーティリティーは、ユーザー名 (または役割) およびユーザー ID が一意であることと、指定されたグループ名が存在することを、外部のネームサービスと照合して確認します。