vrrpadm create-router コマンドは、指定された VRID とアドレスファミリ、およびその他の指定されたパラメータを持つレイヤー 2 またはレイヤー 3 VRRP ルーターを作成します。詳細は、vrrpadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
VRRP ルーターを作成するには、次の構文を使用します。
# vrrpadm create-router [-T {l2 | l3}] [-f] -V VRID -I ifname \ -A [inet | inet6] [-a assoc-IPaddress] [-P primary-IPaddress] \ [-p priority] [-i adv-interval] [-o flags] router-name
ルーターのタイプを指定します。次の値のいずれかにタイプを設定できます。デフォルトは l2 です。
l2 – L2 タイプ VRRP ルーター
l3– L3 タイプ VRRP ルーター
(L2 VRRP のみ) L2 VRRP ルーターを持つ VRRP VNIC の作成を指定します。–f オプションを指定すると、vrrpadm コマンドは、指定された VRID およびアドレスファミリを持つ VRRP VNIC が存在するかどうかをチェックします。まだ存在しない場合にのみ、VRRP VNIC が作成されます。VRRP VNIC の名前は、命名規則 vrrp-VRID_ifname_v4 | 6 を使用して生成されます。–f オプションは、レイヤー 3 VRRP ルーターの作成時に影響ありません。
アドレスファミリに関連付けられている場合に、VLAN を定義する仮想ルーター識別子。
VRRP ルーターが構成されるインタフェース。レイヤー 2 VRRP の場合、インタフェースは物理リンク、VLAN、またはアグリゲーションになります。レイヤー 3 VRRP の場合、インタフェースには、IPMP インタフェース、DHCP 管理インタフェース、および InfiniBand インタフェースを含めることもできます。このリンクにより、この VRRP ルーターが動作する LAN が決まります。
アドレスファミリ (inet (IPv4 アドレス) または inet6 (IPv6 アドレス) のいずれか)。
IP アドレスのコンマ区切りのリストを指定します。
この場合、IP アドレスは次の書式のいずれかで指定できます。
IP-address[/prefix-length]
hostname[/prefix-length]
linklocal
linklocal を指定すると、関連付けられた仮想ルーターの VRID に基づいて、IPv6 リンクローカル vrrp アドレスが構成されます。linklocal 形式は、IPv6 VRRP ルーターのみに適用されます。VNIC が自動的に作成および plumb されるように、–a オプションと –f オプションを組み合わせることができます。
VRRP 通知の送信に使用される VRRP プライマリ IP アドレスを指定します。
指定された VRRP ルーターの、マスター選択で使用される優先度。デフォルト値は 255 です。優先度の値が最高のルーターがマスタールーターとして選択されます。
通知間隔 (ミリ秒)。デフォルト値は 1000 です。
VRRP ルーターのプリエンプションおよび受け入れモード。値は、preempt または un_preempt、accept または no_accept です。デフォルトでは、プリエンプションモードおよび受け入れモードは、それぞれ preempt および accept に設定されます。
router-name は、この VRRP ルーターの一意の識別子です。ルーター名に使用できる文字は、英数字 (a-z、A-Z、0-9) および下線 (_) です。ルーター名の最大長は 31 文字です。
次の例は、データリンク net0 経由のルーターの作成方法を示しています。
# dladm create-vnic -m vrrp -V 12 -A inet -l net0 vnic1 # vrrpadm create-router -V 12 -A inet -p 100 -I net0 l2router1 # vrrpadm show-router l2router1 NAME VRID TYPE IFNAME AF PRIO ADV_INTV MODE STATE VNIC l2router1 12 L2 net0 IPv4 100 1000 e-pa- BACK vnic1
L2 VRRP ルーター l2router1 は、IPv4 アドレスファミリおよび VRID 12 を持つデータリンク net0 経由で作成されます。vrrpadm show-router コマンドについては、レイヤー 2 およびレイヤー 3 VRRP ルーター構成の表示を参照してください。
使用例 4-2 レイヤー 3 VRRP ルーターの作成次の例は、ipmp0 という名前の IPMP インタフェース経由で L3 VRRP ルーターを作成する方法を示しています。
# vrrpadm create-router -V 6 -I ipmp0 -A inet -T l3 l3router1 # vrrpadm show-router NAME VRID TYPE IFNAME AF PRIO ADV_INTV MODE STATE VNIC l3router1 6 L3 ipmp0 IPv4 255 1000 eopa- INIT --
L3 VRRP ルーター l3router1 は、IPv4 アドレスファミリおよび VRID 6 を持つ IPMP インタフェース ipmp0 経由で作成されます。vrrpadm show-router コマンドについては、レイヤー 2 およびレイヤー 3 VRRP ルーター構成の表示を参照してください。