ILB の機能
ILB の主な機能は次のとおりです。
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IPv4 および IPv6 について、ステートレス Direct Server Return (DSR) およびネットワークアドレス変換 (NAT) の動作モードをサポートします。
DSR および NAT の動作モードについては、ILB の動作モードを参照してください。
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2 つの動作モードのアルゴリズムのセットを使用して、トラフィック、負荷分散、およびサーバー選択を支援します。
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コマンド行インタフェース (CLI) による ILB 管理を可能にします。
CLI を使用した ILB の構成については、コマンド行インタフェースを使用した ILB の構成を参照してください。
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健全性検査によるサーバーモニタリング機能を提供します。
サーバーモニタリング機能については、ILB の健全性検査のモニタリングを参照してください。
次の表は、さまざまな動作モードで使用可能な ILB の機能のリストと説明です。
表 1-3 ILB の機能
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クライアントが仮想 IP (VIP) アドレスを ping できるようにします。
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ILB がクライアントから VIP アドレスへの ICMP エコーリクエストに応答します。
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DSR および NAT の両方のモード
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サービスを中断せずに、サーバーグループへのサーバーの追加およびサーバーグループからのサーバーの削除を可能にします。
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ILB は、サーバーグループへのサーバーの追加またはサーバーグループからのサーバーの削除を動的に実行します。
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NAT モード
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セッション持続性 (固定性) を構成できるようにします。
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ILB では、接続またはパケットがアプリケーションによってクライアントから同じバックエンドサーバーに送信されるように、セッション持続性を構成できます。ILB では、 -p オプションを使用し、 ilbadm create-rule コマンドで pmask オプションを指定することによって、仮想サービスのセッション持続性 (つまり、発信元アドレスの持続性) を構成できます。詳細は、 ILB 規則の作成を参照してください。
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DSR および NAT の両方のモード
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接続排出を実行できるようにします。
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ILB は、無効にされているサーバーに対して新しい接続が送信されることを回避します。この機能は、アクティブな接続またはセッションを中断せずにサーバーをシャットダウンする場合に役立ちます。サーバーへの既存の接続は動作を継続します。そのサーバーへのすべての接続が終了したあとに、サーバーは保守のためにシャットダウンできます。サーバーがリクエストを処理するための準備が整ったら、サーバーを有効にすることで、ロードバランサは新しい接続をサーバーに転送できるようになります。
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NAT モード
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トランスミッションコントロールプロトコル (TCP) およびユーザーデータグラムプロトコル (UDP) ポートの負荷分散を可能にします。
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ILB は、各ポートに明示的な規則を設定しなくても、特定の IP アドレス上のすべてのポートを異なる一連のサーバーで負荷分散できます。
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DSR および NAT の両方のモード
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同じサーバーグループ内の仮想サービスに独立したポートを指定できるようにします。
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ILB では、同じサーバーグループのさまざまなサーバーに異なる着信先ポートを指定できます。
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NAT モード
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単純なポート範囲で負荷分散できるようにします。
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ILB では、VIP のポートの範囲を特定のサーバーグループに負荷分散します。便宜上、同一 VIP 上の異なるポート範囲を異なる一連のバックエンドサーバーで負荷分散することによって、IP アドレスを節約できます。また、NAT モードでセッション持続性が有効なときは、ILB は同一のクライアント IP アドレスから、範囲内のさまざまなポートへのリクエストを、同一のバックエンドサーバーに送信します。
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DSR および NAT の両方のモード
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ポート範囲を移動および縮小できるようにします。
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ポート範囲の移動および縮小は、負荷分散規則のサーバーのポート範囲によって異なります。サーバーのポート範囲が VIP ポート範囲と異なる場合、ポート移動が自動的に実装されます。サーバーのポート範囲が単一ポートの場合、ポート収縮が実装されます。
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NAT モード
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ILB のコンポーネント、動作モード、アルゴリズム、および ILB の仕組みについては、Chapter 5, 統合ロードバランサの概要を参照してください。ILB の構成および管理の詳細は、Chapter 6, 統合ロードバランサの構成と管理およびChapter 7, ILB の高可用性の構成を参照してください。