ルーターまたはロードバランサとしての Oracle® Solaris 11.2 システムの構成

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更新: 2014 年 9 月
 
 

IPv6 対応のルーターを構成する方法

次の手順では、システムがすでに IPv6 用に構成されているものとします。手順の詳細は、Oracle Solaris 11.2 でのネットワークコンポーネントの構成と管理 の第 3 章Oracle Solaris での IP インタフェースとアドレスの構成および管理を参照してください。

  1. 管理者になります。

    詳細は、Oracle Solaris 11.2 でのユーザーとプロセスのセキュリティー保護 の割り当てられている管理権利の使用を参照してください。

  2. ルーターのすべてのインタフェース上で IPv6 パケット転送を構成します。
    # ipadm set-prop -p forwarding=on ipv6
  3. ルーティングデーモンを起動します。

    in.ripngd デーモンは IPv6 ルーティングを処理します。次のいずれかのコマンドを使用して、IPv6 ルーティングを有効にします。

    • routeadm コマンドを次のように使用します。

      # routeadm -e ipv6-routing -u

      ここでは、–e オプションで IPv4 ルーティングを有効にし、–u オプションで、実行中のシステムに現在の構成を適用します。

    • 適切な SMF コマンドを次のように使用します。

      # svcadm enable ripng:default

    routeadm コマンドの詳細は、routeadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

  4. /etc/inet/ndpd.conf ファイルを作成します。

    /etc/inet/ndpd.conf ファイルには、ルーターが通知するサイト接頭辞などの構成情報を指定します。このファイルを in.ndpd デーモンが読み取って、IPv6 近傍検察プロトコルを実装します。

    変数と指定できる値のリストについては、ndpd.conf(4) のマニュアルページを参照してください。

  5. 次のテキストを /etc/inet/ndpd.conf ファイルに入力します。
    ifdefault AdvSendAdvertisements true
    prefixdefault AdvOnLinkFlag on AdvAutonomousFlag on

    このテキストは、ルーターの IPv6 用に構成されたすべてのインタフェース経由で、ルーター広告を送信することを in.ndpd デーモンに指示します。

  6. ルーターのさまざまなインタフェースにサイト接頭辞を構成するには、追加のテキストを /etc/inet/ndpd.conf ファイルに追加します。

    テキストは次の形式で追加するようにしてください。

    prefix global-routing-prefix:subnet ID/64 interface

    次の例の /etc/inet/ndpd.conf ファイルは、サイト接頭辞 2001:0db8:3c4d::/48 をインタフェース net0 および net1 経由で通知するようにルーターを構成します。

    ifdefault AdvSendAdvertisements true
    prefixdefault AdvOnLinkFlag on AdvAutonomousFlag on
    
    if net0 AdvSendAdvertisements 1
    prefix 2001:0db8:3c4d:15::0/64 net0
    
    if net1 AdvSendAdvertisements 1
    prefix 2001:0db8:3c4d:16::0/64 net1
  7. システムをリブートします。

    IPv6 ルーターは、ndpd.conf ファイルにあるサイト接頭辞をローカルリンクに通知し始めます。

  8. IPv6 用に構成されたインタフェースを表示します。
    # ipadm show-addr
    ADDROBJ      TYPE       STATE   ADDR
    lo0/v4       static     ok      192.68.0.1/8
    net0/v4      static     ok      172.16.15.232/24
    net1/v4      static     ok      172.16.16.220/24
    net0/v6      addrconf   ok      fe80::203:baff:fe11:b115/10
    lo0/v6       static     ok      ::1/128
    net0/v6a     static     ok      2001:db8:3c4d:15:203:baff:fe11:b115/64
    net1/v6      addrconf   ok      fe80::203:baff:fe11:b116/10
    net1/v6a     static     ok      2001:db8:3c4d:16:203:baff:fe11:b116/64

    この出力では、IPv6 用に構成されている各インタフェースは、この時点で 2 つのアドレスを持っています。interface/v6 のようなアドレスオブジェクト名を含むエントリには、そのインタフェースのリンクローカルアドレスが表示されています。interface/v6add のようなアドレスオブジェクト名を含むエントリには、グローバル IPv6 アドレスが表示されています。このアドレスには、インタフェース ID に加えて、/etc/ndpd.conf ファイルに構成されているサイト接頭辞が含まれます。v6a という指定はランダムに定義された文字列です。net0/mystringnet0/ipv6addr のように、interface が IPv6 アドレスの作成先となるインタフェースを表しているかぎり、アドレスオブジェクト名の 2 番目の部分としてほかの文字列を定義できます。

関連項目