Oracle® Solaris 11.2 のユーザーアカウントとユーザー環境の管理

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更新: 2014 年 9 月
 
 

ユーザーアカウントの設定のガイドライン

    CLI を使用してユーザーアカウントを設定する場合に、次のガイドラインに注意してください。

  • このリリースでは、ユーザーアカウントは Oracle Solaris ZFS ファイルシステムとして作成されます。管理者として、ユーザーアカウントを作成すると、ユーザーに固有のファイルシステムと固有の ZFS データセットを付与することになります。useradd および roleadd コマンドを使用して作成されるすべてのホームディレクトリは、ユーザーのホームディレクトリを個別の ZFS ファイルシステムとして /export/home ファイルシステム上に配置します。その結果、ユーザーは自分のホームディレクトリをバックアップしたり、自分のホームディレクトリの ZFS スナップショットを作成したり、自分の現在のホームディレクトリ内のファイルを、自分が作成した ZFS スナップショットから置き換えたりできるようになります。

  • ユーザーアカウントを設定するには、root 役割または適切な権利プロファイル (ユーザー管理権利プロファイルなど) を持つ役割になる必要があります。Oracle Solaris 11.2 でのユーザーとプロセスのセキュリティー保護 の割り当てられている管理権利の使用を参照してください。

  • useradd コマンドでユーザーアカウントを作成する場合は、–m オプションを指定して、ユーザーのホームディレクトリを作成します。

    たとえば、次のコマンドはユーザー jdoe のホームディレクトリを作成します。

    # useradd -m jdoe

    ただし、次の構文はユーザーのホームディレクトリを作成しません:

    # useradd jdoe

    注 -  pam_zfs_key モジュールで、暗号化されたユーザーのホームディレクトリを作成する場合は、–m オプションを useradd コマンドに指定しないでください。pam_zfs_key(5) および zfs_encrypt(1M) のマニュアルページを参照してください。
  • useradd コマンドは、–d オプションが hostname:/pathname とともに指定された場合にのみauto_home マップにエントリを作成します。それ以外の場合は、指定されたパス名が passwd データベース内のユーザーのホームディレクトリとして更新され、auto_home マップエントリが作成されません。auto_home オートマウンタマップに指定されたホームディレクトリは、autofs サービスが有効な場合にのみマウントされます。

    たとえば、–d オプションを指定して、次のようにユーザーを作成すると、auto_home エントリなしでユーザーが作成され、passwd エントリでユーザーのホームディレクトリとして /export/home/user1 が指定されます。

    # useradd -d /export/home/user1 user1

    –d オプションを使用して、次のようにユーザーを作成すると、ユーザーは auto_home エントリを持ち、passwd データベースに /home/user1 が含まれ、autofs サービスへの依存関係が示されます。

    # useradd -d localhost:/export/home/user1 user1
  • ホームディレクトリのパス名に foobar:/export/home/jdoe などのリモートホスト指定が含まれている場合は、jdoe のホームディレクトリをシステム foobar 上に作成する必要があります。デフォルトのパス名は localhost:/export/home/username です。

  • Oracle Solaris 11 のすべての状況にあてはまる、ファイルシステムが ZFS データセットである場合、ユーザーのホームディレクトリは子の ZFS データセットとして作成され、スナップショットを作成するための ZFS アクセス許可がユーザーに委任されます。ZFS データセットに対応しないパス名が指定された場合、通常のディレクトリが作成されます。–S ldap オプションを指定した場合は、ローカルの auto_home マップではなく、LDAP サーバーで auto_home マップエントリが更新されます。