Oracle® Solaris 11.2 のユーザーアカウントとユーザー環境の管理

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更新: 2014 年 9 月
 
 

PATH 環境変数

ユーザーがフルパスを使用してコマンドを実行すると、シェルはそのパス名を使ってコマンドを探します。ただし、ユーザーがコマンド名しか指定しないと、シェルは PATH 変数で指定されているディレクトリの順でコマンドを探します。コマンドがいずれかのディレクトリで見つかれば、シェルはコマンドを実行します。

デフォルトのパスがシステムで設定されます。しかし、大部分のユーザーはそれを変更してほかのコマンドディレクトリを追加します。環境の設定や、正しいバージョンのコマンドまたはツールへのアクセスに関連して発生するユーザーの問題の多くは、パス定義の誤りが原因です。

パスの設定のガイドライン

    PATH 変数を設定する場合は、次のガイドラインに注意してください。

  • カレントディレクトリ (.) をパスに含める必要がある場合は、最後に配置してください。悪意のある人物が、改ざんされたスクリプトまたは実行可能ファイルをカレントディレクトリに隠す可能性があるため、パスにカレントディレクトリを含めることはセキュリティー上のリスクとなります。代わりに絶対パス名を使用することを検討してください。

  • 検索パスはできるだけ短くしておきます。シェルはパスで各ディレクトリを探します。コマンドが見つからないと、検索に時間がかかり、システムのパフォーマンスが低下します。

  • 検索パスは左から右に読まれるため、通常使用するコマンドをパスの初めの方に指定するようにしてください。

  • パスでディレクトリが重複していないか確認してください。

  • 可能であれば、大きなディレクトリの検索は避けてください。大きなディレクトリはパスの終わりに指定します。

  • NFS サーバーが応答しない場合に、システムが応答しなくならないようにするには、NFS マウントされたディレクトリの前にローカルディレクトリを配置します。この方法によって、不要なネットワークトラフィックも減少します。