複数インタフェースの IPMP グループは、アクティブ - アクティブインタフェースで構成することも、アクティブ - スタンバイインタフェースで構成することもできます。IPMP インタフェース構成のタイプを参照してください。次の手順では、DHCP を使用してアクティブ - スタンバイ IPMP グループを構成する方法について説明します。
始める前に
下記の手順を実行する前に、次の点を確認してください。
想定 IPMP グループに含める予定の IP インタフェースが、システムのネットワークデータリンク上で正しく構成されていることを確認します。手順については、Oracle Solaris 11.3 でのネットワークコンポーネントの構成と管理を参照してください。IPMP インタフェースは、ベースとなる IP インタフェースがまだ作成されていなくても作成できます。ただし、ベースとなる IP インタフェースを作成しないと、この IPMP インタフェースでのその後の構成は失敗します。
さらに、SPARC ベースのシステムを使用する場合は、インタフェースごとに一意の MAC アドレスを構成する必要があります。Oracle Solaris 11.3 でのネットワークコンポーネントの構成と管理 の 各インタフェースの MAC アドレスが一意であることを確認する方法を参照してください。
最後に、DHCP を使用する場合は、ベースとなるインタフェースのリースが無限になっていることを確認します。そうしないと、IPMP グループの障害が発生した場合に、検査用アドレスが期限切れとなり、in.mpathd デーモンがプローブベースの障害検出を無効化し、リンクベースの障害検出が使用されます。リンクベースの障害検出によってインタフェースが機能していることがわかると、デーモンは誤ってインタフェースが修復されたと報告する可能性があります。DHCP の構成方法の詳細は、Oracle Solaris 11.3 での DHCP の作業を参照してください。
# ipadm create-ipmp ipmp-interface
ここで、ipmp-interface は IPMP インタフェースの名前を指定します。IPMP インタフェースには、意味のある任意の名前を割り当てることができます。IP インタフェースと同様に、名前は ipmp0 のように文字列と数字から構成されます。
# ipadm create-ip under-interface
ここで、under-interface は、IPMP グループに追加する IP インタフェースを表します。
# ipadm add-ipmp -i under-interface1 [-i under-interface2 ...] ipmp-interface
IP インタフェースは、システムで使用可能な数だけ IPMP グループに追加できます。
# ipadm create-addr -T dhcp ipmp-interface
直前の手順は、DHCP サーバーによって提供されたアドレスをアドレスオブジェクトに関連付けます。アドレスオブジェクトは、たとえば ipmp0/v4 のように、interface/address-type という形式を使用して IP アドレスを一意に識別します。アドレスオブジェクトの詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのネットワークコンポーネントの構成と管理 の IPv4 インタフェースを構成する方法を参照してください。
# ipadm create-addr -T dhcp under-interface
段階 6 で自動的に作成されるアドレスオブジェクトは、たとえば net0/v4 のように、under-interface/address-type という形式を使用します。
この例は、DHCP を使用したアクティブ - スタンバイ IPMP グループの構成を示しており、次のシナリオに基づいています。
3 つのベースとなるインタフェース net0、net1、および net2 が IPMP グループに構成されます。
IPMP インタフェース ipmp0 は、同じ名前を IPMP グループと共有します。
net2 が指定されたスタンバイインタフェースになります。
ベースとなるインタフェースのすべてに検査用アドレスが割り当てられます。
最初に IPMP インタフェースが作成されます。
# ipadm create-ipmp ipmp0
ベースとなる IP インタフェースが作成され、IPMP インタフェースに追加されます。
# ipadm create-ip net0 # ipadm create-ip net1 # ipadm create-ip net2 # ipadm add-ipmp -i net0 -i net1 -i net2 ipmp0
DHCP によって管理された IP アドレスが IPMP インタフェースに割り当てられます。IPMP インタフェースに割り当てられる IP アドレスはデータアドレスです。この例では、IPMP インタフェースには 2 つのデータアドレスがあります。
# ipadm create-addr -T dhcp ipmp0 ipadm: ipmp0/v4 # ipadm create-addr -T dhcp ipmp0 ipadm: ipmp0/v4a
次に、DHCP によって管理された IP アドレスが IPMP グループのベースとなる IP インタフェースに割り当てられます。ベースとなるインタフェースに割り当てられる IP アドレスは、プローブベースの障害検出に使用される検査用アドレスです。
# ipadm create-addr -T dhcp net0 ipadm: net0/v4 # ipadm create-addr -T dhcp net1 ipadm: net1/v4 # ipadm create-addr -T dhcp net2 ipadm net2/v4
最後に、net2 インタフェースがスタンバイインタフェースとして構成されます。
# ipadm set-ifprop -p standby=on -m ip net2