ipadm set-ifprop コマンドを使用して IP インタフェース上で転送を有効にした場合は、そのインタフェースでのみ転送が有効になり、ほかのすべてのインタフェース上での転送は変わらないままです。個々の IP インタフェースプロパティーでパケット転送を設定することにより、システムの特定のインタフェースで選択的にこの機能を実装できます。詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのネットワークコンポーネントの構成と管理 の パケット転送の有効化を参照してください。
システム全体でパケット転送を有効にするには、IP インタフェースの数に関係なく、protocol プロパティーを使用します。forwarding プロパティーは転送を管理するために使用されるグローバルな IP プロパティーで、個々の IP インタフェースでの転送の管理に使用されるプロパティーと同じ名前です。転送は、IPv4 または IPv6 プロトコル (あるいはその両方) で有効にできるため、各プロトコルを個別に管理する必要があります。
たとえば、次のように、システム上のすべての IPv4 および IPv6 トラフィックでパケット転送を有効にします。
# ipadm show-prop -p forwarding ip PROTO PROPERTY PERM CURRENT PERSISTENT DEFAULT POSSIBLE ipv4 forwarding rw off -- off on,off ipv6 forwarding rw off -- off on,off # ipadm set-prop -p forwarding=on ipv4 # ipadm set-prop -p forwarding=on ipv6 # ipadm show-prop -p forwarding ip PROTO PROPERTY PERM CURRENT PERSISTENT DEFAULT POSSIBLE ipv4 forwarding rw on on off on,off ipv6 forwarding rw on on off on,off