Oracle Solaris サービス管理機能 (SMF) ではレガシーサービスとの互換性を実現できるため、RHEL から SMF にサービスを移行できます。レガシーサービスには通常、RHEL 環境で使用される /etc/rc*.d、/etc/init.d、および /etc/inittab スクリプトが含まれます。レガシーサービスは以前と同様に引き続き動作させることができ、SMF でそれらのサービスを監視できます。ただし、自己修復機能、サービス再起動などの SMF のすべての利点を活用するには、スクリプトを SMF マニフェストに変換する必要があります。詳細は、Oracle Solaris のサービスマニフェストを参照してください。
Oracle Solaris 11 の SMF では、単一のフレームワークを使用して次のタスクを実行できます。
システム全体のサービスの監視および管理
一貫性のある構成方法の提供
失敗したサービスの適切な依存関係の順序での自動的な再起動
失敗したサービスの識別
root 以外のユーザーへの管理者タスクのセキュアな委任
レガシーサービスとの互換性の維持
バックアップ、復元などのシステム管理ジョブの自動構成
SMF については、Oracle Solaris 11.3 でのシステムサービスの管理を参照してください
システムの可用性を高めるには、Oracle Solaris の障害管理アーキテクチャー (FMA) を使用すると、システム問題の検出に役立ちます。詳細は、Oracle Solaris 11.3 での障害、欠陥、およびアラートの管理 の 障害管理の概要を参照してください。
サービス、サービスプロパティー、プロパティーグループ、およびインスタンスに関する情報は、SMF リポジトリに転送されるサービスマニフェストファイル /lib/svc/manifest に格納されます。SMF は、サービスを管理するとき、およびサービス障害の根本原因を特定するときにマニフェスト情報を使用します。サービスマニフェストでは、失敗したサービスが自動的に再起動される条件についても記述します。サービスまたはアプリケーションごとに個別のサービスマニフェストが必要です。Oracle Solaris は、デフォルトでいくつかのサービスマニフェストを提供しています。必要に応じて、これらのマニフェストをカスタマイズしたり、ほかのサービスのために独自に記述したりすることもできます。詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのシステムサービスの管理を参照してください。
次のベストプラクティスを使用すると、SMF および FMA フレームワークへのアプリケーションの移行が容易になります。
アプリケーションの健全性を分析してアプリケーションを再起動するカスタムスクリプトを排除します。SMF は、アプリケーションを起動、停止、および再起動するためのメソッドをカプセル化および標準化するための単純な方法を提供します。
アプリケーションを移植およびテストのプロセスの早い段階で SMF 対応にします。障害状態を識別して、障害ツリーを作成します。検出されたエラーメッセージを確認し、FMA イベントになるかどうかを判別します。
.rc およびカスタムスクリプトを SMF プロファイルに変換します。起動、停止、およびステータスチェックのメソッドのインスタンスを探します。