# mkdir /export/home/preflightcheck/app1
次に例を示します。
# unzip PreflightCheckerTool-v11-2-0-SPARC.zip
# cd /export/home/preflightcheck/app1/scripts # chmod +x setup.sh # ./setup.sh
インストール時に最終的なレポートの保存場所を指定しない場合、最終的なレポートはデフォルトディレクトリ /export/home/preflightcheck/app1/reports に保存されます。
スクリプトによってツールが展開され、インストールされます。
バイナリアナライザ、ソースコードアナライザ、または実行時アナライザモジュールは、Oracle Solaris 10 システムで実行されているチェック対象のバイナリやソースコード、またはプロセスを含むディレクトリを示すことによって実行します。
Preflight Checker では、Oracle Solaris 10 上で実行中のアプリケーションプロセス、アプリケーションバイナリ、およびアプリケーションのソースコードを分析して、Oracle Solaris 11 上でアプリケーションを実行した場合の既知の潜在的な問題を報告できます。
Preflight Checker をインストールおよび実行するための詳細な手順は、ツールのインストールディレクトリの docs サブディレクトリにある README ファイルに記載されています。
Preflight Checker のインストール後は、次のコマンドを使用して起動できます。
% preflightchecker.sh [options] file-or-directory
Preflight Checker (preflightchecker.sh) の実行に使用できるオプションをコマンド行で一覧表示するには、–h オプションを使用します。
% preflightchecker.sh –h
静的バイナリの分析中、Preflight Checker はソース内でオブジェクトファイルを特定し、Oracle Solaris 11 では機能しない可能性がある非推奨の API、サポートされていない API、および不安定な API が使用されていないかどうかをチェックします。
このセクションでは、グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) から Preflight Checker で使用できるさまざまなモジュールを使用する方法について説明します。
# tool-install-dir/bin/preflightcheckerGUI.sh
アプリケーション名やバージョンなどのアプリケーション情報を指定します。
「詳細」ボタンをクリックすると、データベースバージョンなどのアプリケーションの詳細も追加できます。「次へ」ボタンをクリックして、次のウィンドウに移動します。
バイナリスキャンが完了すると、スキャナによってレポートが生成されます。
変更していない場合は、現在の値が使用されます。
次の例は、問題の説明の例を示しています。
# tool-install-dir/bin/preflightcheckerGUI.sh
「PATH」フィールドは、システムの実行可能ファイルおよびユーザーが作成した実行可能ファイルを探す場所を示しています。図に示すように、/usr/sbin、/usr/bin、および /bin がすでに入力されています。PATH 値にさらに場所を追加するには、コロン (:) で区切って指定します。
ソースコードスキャンが完了すると、スキャナによってレポートが生成されます。
変更していない場合は、現在の値が使用されます。
次の例は、問題の説明の例を示しています。
このセクションでは、実行時アナライザを使用するための前提条件、および GUI から実行時アナライザを起動する方法について説明します。
始める前に
次の Oracle Solaris の権限を持っている必要があります。
basic
dtrace_user
dtrace_proc
dtrace_kernel
![]() | 注意 - proc_owner 権限はユーザーに付与しないでください。この権限をユーザーに追加すると、そのユーザーはシステム上のほかのすべてのユーザーが所有するプロセスから情報を収集できるようになります。 |
# /export/home/preflightcheck/app1/scripts/setPriv.sh username
set dtrace:dtrace_dof_maxsize=0x800000
fasttrap-max-probes=2500000; fasttrap-hash-size=65535;
# tool-install-dir/bin/preflightcheckerGUI.sh
Preflight Checker が指定された時間に実行され、スキャンに基づいてレポートが生成されます。
変更していない場合は、現在の値が使用されます。
次の例は、問題の説明の例を示しています。
Kernel Checker は、カーネルモジュールまたはデバイスドライバのバイナリとそのソースコードを分析し、Oracle Solaris 11 での既知の潜在的なコンプライアンスの問題を報告します。
バイナリアナライザまたはソースコードアナライザを実行する場合は、Oracle Solaris 10 システム上のチェック対象のバイナリおよびソースコードが含まれているディレクトリを示します。
Kernel Checker を起動するには、次のコマンドを発行します。
% ./preflightchecker.sh -kernelchecker [options] file-or-directory
Preflight Kernel Checker (kernelchecker.sh) の実行で使用可能なオプションを一覧表示するには、–h オプションを使用します。
% ./preflightchecker.sh -kernelchecker –h
Kernel Checker は、静的バイナリ分析中にディレクトリを再帰的に検索してオブジェクトファイルを検出し、Oracle Solaris 11 では機能しない可能性がある非推奨の API、サポートされていない API、および不安定な API が使用されていないかどうかをチェックします。
# tool-install-dir/bin/preflightcheckerGUI.sh -kernelchecker
カーネルスキャンが完了すると、スキャナによってレポートが生成されます。
変更していない場合は、現在の値が使用されます。
Application Analyzer は、最適でないコーディングや実装、および特定の Oracle Solaris 機能の使用についてアプリケーションをチェックし、Oracle Solaris 11 プラットフォームを最大限に活用できるようにします。
また、Application Analyzer は、アプリケーションをスキャンして、コードを変更するとパフォーマンスがただちに改善されるかどうかをチェックします。このツールは、アプリケーションのプロセスおよびソースコードを分析し、推奨事項レポートを生成します。想定される推奨事項には、 gcc コンパイラから Oracle Solaris Studio への移行、正しいコンパイラフラグを使用したアプリケーションの最適化、Oracle Solaris Studio の高パフォーマンスライブラリの使用、およびオンチップのハードウェア暗号化を使用したサーバーのパフォーマンスの改善が含まれます。
Application Analyzer は、次のカテゴリの問題についてアプリケーションを分析します。
暗号化 - Application Analyzer の暗号化モジュールは、実行中のアプリケーションプロセスで暗号化機能が使用されているかどうかを検出します。Java アプリケーションの場合、アナライザは Java JCE API を使用しているかどうかをチェックします。ネイティブアプリケーションの場合、アナライザは crypto ライブラリの既知のリストの使用を検索します。どちらの場合も、アナライザから SPARC システムで使用可能なハードウェア暗号化機能を活用する推奨事項が提供されます。
Makefile - Makefile ソースコードスキャナは、アプリケーションのソースコードをスキャンし、推奨レポートを HTML で生成します。
このレポートには次の情報が表示されます。
アプリケーションが現在 gcc コンパイラを使用してコンパイルしている場合、Oracle Solaris Studio コンパイラを使用してコンパイルを完了するため変更する必要のあるフラグの詳細がレポートに示されます。
アプリケーションで古いバージョンの Oracle Solaris Studio コンパイラ (forte 6.x、Oracle Solaris Studio 10 など) を使用している場合は、Oracle Solaris 11 でのパフォーマンスを改善するため、最新の Oracle Solaris Studio コンパイラで使用する新しいフラグがレポートに示されます。このツールは、古いコンパイラの非推奨のフラグまたはサポートされていないフラグが使用されているかどうかも報告します。
メイクファイルとソースコードに基づく、Oracle Solaris 11 でアプリケーションのパフォーマンスを改善するために適したコンパイラの最適化フラグに関する推奨事項。
高パフォーマンスライブラリ - このモジュールは、実行中のアプリケーションプロセスをスキャンし、特定の Oracle Solaris 11 ライブラリの使用が適切かどうかに関する推奨事項レポートを生成します。たとえば、Sun Performance Library は、線形代数問題や非線形問題を数値的に解くための最適化された、かつ高速な数学サブルーチンを集めたものです。このツールは、アプリケーションプロセスを実行してそのようなパブリックドメインサブルーチンが使用されているかどうかを検出し、対応する Sun Performance Library を提案します。
Application Analyzer を起動するには、次のコマンドを発行します。
% appAnalyser.sh [options] file-or-directory
Preflight Application Analyzer (appanalyser.sh) の実行に使用可能なオプションを一覧表示するには、–h オプションを使用します。
% appAnalyser.sh -h
$ tool-install-dir/bin/appAnalyzerGUI.sh
アプリケーションスキャンが完了すると、スキャナによってレポートが生成されます。
変更していない場合は、現在の値が使用されます。
Oracle Solaris Preflight Applications Checker のアップデートおよび最新バージョンについては、Oracle Solaris Preflight Applications Checker 11.3 の製品ページを参照してください。
独立系ソフトウェアベンダー (ISV) は、isvsupport_ww@oracle.com に連絡することによって、このツールに関する支援またはサポートを受けることができます。