このセクションでは、マルチノード OpenStack 構成を実装する前のいくつかの予備的な考慮事項について説明します。
マルチノード構成では、複数のネットワークインタフェースを使用して、クラウド用に作成した異なるサブネットを提供します。これらのインタフェース用のホスト名を準備していることを確認してください。これらの名前とその IP アドレスをシステムの /etc/hosts ファイルまたは DNS 構成に含めます。
たとえば、さまざまなタイプのネットワークトラフィックを処理するため、次のホスト名を作成できます。
管理トラフィックおよび API トラフィックをホストする OpenStack ネットワーク用の host-on。
コンピュートノードと L3 ルーターの間のトラフィックをホストするプロジェクトネットワークの host-tn。
外部ネットワークトラフィック用の host-en。
異なるノード内の OpenStack サービスを構成する場合は、次の例のような、タスクを容易にするための変数を作成します。
$CONTROLLER_ADMIN_NODE - OpenStack 管理サービスが接続されているコントローラノード内のインタフェースのホスト名または IP アドレス。
$CONTROLLER_ADMIN_NODE_IP - OpenStack 管理サービスおよびトラフィックを処理するコントローラポートの IP アドレス。
$COMPUTE_ADMIN_NODE_IP - OpenStack 管理サービスおよびトラフィックを処理するコンピュートポートの IP アドレス。
$VOLUME_IP - コントローラノードのホスト名。
構成プロセスではパスワードも必要です。準備する必要のあるパスワードのサンプルリストを次に示します。
MySQL データベースの root パスワード
ユーザー admin のパスワード
次の OpenStack サービスのデータベースパスワード
アイデンティティーサービス
イメージサービス
コンピュートサービス
ダッシュボードデータベース
ブロックストレージデータベース
ネットワークデータベース
オーケストレーションデータベース
次の OpenStack サービスユーザーのパスワード
glance
nova
cinder
neutron
heat
Keystone データベースをすばやく移入するには、サンプルスクリプト /usr/demo/openstack/keystone/sample_data.sh を使用できます。このスクリプトは、開始するのに役立つ次の基本的なタスクを実行します。
次の初期プロジェクトを作成します。
基本的なサービスまたはコアサービスが作成される基となる service。
demo。この下で、ユーザー admin が secrete をデフォルトのパスワードとして使用して作成されます。
Keystone データベースを移入します。
次のコアサービスを作成します。
cinder
cinder2
ec2
glance
keystone
neutron
nova
swift
heat
ユーザーが作成されない Keystone サービスを除いて、すべてのサービスには対応するユーザー名とパスワードがあります。デフォルトで、ユーザー名、パスワード、およびサービス名は同一です。たとえば、cinder は Cinder サービスのユーザー名とパスワード、glance は Glance サービスのユーザー名とパスワードというようになります。オプションとして、カスタマイズされたパスワードを作成して、スクリプトでこれらのデフォルト値を置き換えることができます。または、スクリプトですべてのサービスに対して 1 つのパスワードを設定することもできます。スクリプトを実行して Keystone をブートストラップする前に、必要なすべての変更をスクリプトに適用します。
このドキュメント全体を通して、各手順ではパスワードを除き、サンプルデータスクリプトが改訂なしで使用され、スクリプトのすべてのデフォルト設定がクラウド構成に適用されることを前提にしています。
OpenStack 構成の主な部分には、コンポーネントの構成ファイルの編集が必要になります。このドキュメントでは、各 *.conf または *.ini ファイル内の構成のために、選択されたパラメータのみが識別されます。これらの選択されたパラメータは、クラウド構成を機能させるために必要最小限のものです。ただし、特定のクラウド設定に関連するすべてのパラメータが正しく構成されていることを確認するには、各構成ファイルの内容全体を確認してください。
Oracle Solaris 11 で ZFS とアプリケーションの間のメモリー使用をより効率的に管理するには、次の例に示すように、ノード上で usr_reserve_hint_pct パラメータを設定します。
# echo "set user_reserve_hint_pct=80" >>/etc/system.d/site:kernel-zones-reserve # reboot
ここで、site にはユーザーの会社を指定することもあります。
別の OpenStack ノードでもこのパラメータを設定してください。
このパラメータの詳細については、https://support.oracle.com で MOS にログインし、Oracle Solaris 11.2 での ZFS とアプリケーションの間のメモリー管理に関するドキュメント 1663862.1 を確認してください。