Oracle® Solaris での OpenStack (Kilo) のインストールと構成

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更新: 2016 年 6 月
 
 

Ironic コンポーネントについて

前の章では、クラウドを作成するためのコア OpenStack コンポーネントについて説明しました。追加のコンポーネントにより、クラウドの管理に関連したその他のサービスが提供されます。この章では、Kilo リリースで使用可能なコンポーネント Ironic について説明します。

OpenStack のコアコンポーネントが仮想マシンまたは VM インスタンスのプロビジョニングを可能にするのに対して、Ironic は、ベアメタルインスタンスまたはノードを登録、プロビジョニング、および廃棄するためのサービスを提供します。Ironic は、PXE ブートや IPMI などの一般的なテクノロジを使用して、プロビジョニング可能な幅広いハードウェアをサポートします。さらに、プラグイン可能なドライバメカニズムにより、Ironic はベンダー固有のハードウェアを管理およびサポートできます。

Ironic およびそれにより提供される利点の詳細は、OpenStack コミュニティー Web サイトにある Ironic の開発者ドキュメントを参照してください。

Ironic は、3 つの主要なコンポーネントで構成されています。Oracle Solaris では、これらのコンポーネントが SMF サービスとして提供されます。次の表に、これらのコンポーネントの一覧と説明を示します。

コンポーネント
説明
SMF サービス
OpenStack Ironic API サービス
オペレータやその他のサービスが管理対象のベアメタルノードと対話するために使用できる RESTful API を提供するサービス。
svc:/application/openstack/ironic/ironic-api
OpenStack Ironic コンダクタサービス
参照およびベンダー固有のドライバを使用してベアメタルノードの実際のプロビジョニングを実行するメインコントローラ。コンダクタサービスと API サービスは、RPC を使用して通信します。
svc:/application/openstack/ironic/ironic-conductor
OpenStack Ironic データベースサービス
Ironic のバックエンドデータベースを作成して同期するための一時的な SMF サービス。
svc:/application/openstack/ironic/ironic-db