作成時の作業予定登録の詳細の絞込み

作業予定登録が作成されたときにシステムに提供される重要な情報は、作業予定タイプおよびドリル・キー(作業予定登録に関連するオブジェクトの識別子)です。この情報に基づいて、システム・ロジックおよび作成時にコールされるアルゴリズムは、適切なチームが適切な優先度で作業予定登録を作業できるように、作業予定登録に詳細を追加したり、重要な属性を更新します。

この項のトピックでは、作成時に作業予定登録をさらに絞り込むために提供されている機能について説明します。

作業予定役割の調整

作業予定登録を作成するときに、1つの作業予定タイプに対して、特別なユーザー・セットがその作業を行うことを要求する作業予定の属性が存在する場合があります。これは、別の役割への"作業予定登録の再ルーティング"と呼ばれることもあります。この項では、作業予定登録に固有の条件に基づいて役割を上書きする方法について説明します。

この項の情報は、アルゴリズムまたはバックグラウンド・プロセスによって作成される自動の作業予定登録にのみ適用されます。手動で作成する作業予定登録には適用されません。

役割の決定に使用される階層は、「作業予定登録による役割の参照」を参照してください。

作業予定のメッセージに基づいた再ルーティング

「作業予定登録の作成の抑制」で説明されているように、ある特定の作業予定タイプに対して作成した作業予定登録は、レコードの特定の条件に基づいて異なるメッセージを持つことができます。メッセージに基づいて、特定のエラー条件に関してより知識のある特定の役割に作業予定をルーティングするように決定できます。あるいは、作業予定登録の抑制に使用できる同じメッセージ上書き構成を使用して、特定の役割を割り当てることもできます。たとえば、特定の請求セグメント・エラーが常に料金担当者チームによって解決される場合、作業予定タイプのメッセージ上書きでそのチームの役割を指定できます。

条件に基づいた再ルーティング

作業予定作成前プラグインを使用して、作業予定登録の特定のデータに関連する条件に基づいて特定の役割を割り当てることができます。

製品には、アクセス・グループに対して作業予定割当上書きを定義するための構成が用意されています。上書きリストは、作業予定タイプおよび作業予定役割を定義します。これは、製品で行レベル・セキュリティの目的でアクセス・グループを特定のマスター・データに関連付け、さらにこのデータに関連する作業予定登録を特定の役割に割り当てる場合に役立ちます。

また、Oracle Utilities Customer Care and Billingでも、顧客情報サービス部門およびアカウント管理グループに対して同様の作業予定割当上書き構成が定義されています。

作成前アルゴリズムは、作業予定登録にリンクされたデータが、割当上書きをサポートする構成オブジェクトに関連しているかどうかをチェックしてから、作業予定タイプの上書きを検索します。このアルゴリズムを作業予定タイプ・レベルまたはインストール・レベルのどちらでプラグインするかを決定できます。この決定は、上書きを定義する作業予定タイプの数に基づいて行います。数が少ない場合は、上書きを定義する作業予定タイプごとにアルゴリズムをプラグインするほうが合理的です。これにより、上書きされる作業予定登録の構成のみがチェックされます。ただし、上書きに適格な作業予定タイプの数が多い場合や、リストの変更または拡大が頻繁に行われる場合は、すべての作業予定の上書きの可能性がチェックされるように、インストール・レベルでアルゴリズムをプラグインすることをお薦めします。

注意: 製品で、この上書きをチェックする基本提供の作成前アルゴリズムがすでに用意されている場合があります。その場合は、実装でそれを使用できます。そうでない場合は、実装で適切なアルゴリズムを提供できます。

作業予定作成前プラグイン

システムには2つの作業予定作成前プラグイン・スポットがあり、これにより、これから作成する作業予定登録の情報を追加または更新できます。この2つのプラグイン・スポットは、作業予定タイプインストール・オプションです。一般に、多くの作業予定タイプに適用されるロジックには、インストール・オプションの作業予定作成前アルゴリズムが使用されます。その作業予定タイプに固有のロジックには、作業予定タイプ作成前アルゴリズムが使用されます。

少なくとも1つの作業予定作成前アルゴリズムが作業予定タイプにプラグインされている場合、作業予定登録の作成時にそれらのアルゴリズムのみが実行され、インストール・オプションのアルゴリズムは無視されます。システムには、インストール・オプションの作業予定作成前アルゴリズムを実行する、基本提供の作業予定タイプ作成前アルゴリズムが用意されています。これにより、特定のアルゴリズムを持つ作業予定タイプに対してインストール・アルゴリズムも実行する必要があるかどうか、その場合はいつ実行するかを制御できます。

次のポイントでは、両方の作業予定作成前プラグイン・スポットでサポートされている機能について説明します。

  • 作業予定登録を抑制する(作成しない)ことを示します。このタイプのアルゴリズムは、インストール・オプション・レベルではなく作業予定タイプに対して構成することが想定されています。そのほうが、特定の作業予定登録に対してより詳細な条件を確認できるためです。詳細は、「作業予定登録の作成の抑制」を参照してください。

  • 特性を使用したコンテキスト固有データの作業予定登録へのリンク。詳細は、作業予定登録への関連情報のリンクを参照してください。

  • 作業予定の特性データに関連付けられた特定の構成に基づく、作業予定登録の役割の上書き。詳細は、「作業予定役割の調整」を参照してください。

優先度の割当

「作業予定登録の優先度」で説明されているように、作業予定タイプは優先度の計算アルゴリズムを参照できます。その場合、このアルゴリズムが作業予定登録の作成ステップの一部としてコールされます。アルゴリズムは、前述の作業予定にリンクされているドリル・キーまたは関連情報を使用して、優先度情報を決定できます。