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5.1.2 ネットワーク・インストール・メディア

『Oracle Linuxインストレーション・ガイドfor Linuxリリース6』ネットワーク・インストール・サーバーの構成に関する項でx86環境について説明されたソリューションと同様に、フル・ネットワーク・ブート・インストールを実行することができます。 これを行うには、GRUB2インストーラのネットワーク機能とOpenBootのdhcpブート・オプションを組み合せて使用します。

この設定には、Oracle Linux 6更新7 (SPARC)をインストールしているネットワーク上に、構成可能かつアクセス可能なDHCPおよびTFTPサーバーが必要です。また、適切なブート・コンテンツをGRUB2環境から取得するために、Oracle Linux 6更新7 (SPARC)を手動でインストールする少なくとも1つのシステムも必要です。

次の手順ではネットワーク・インストールを実行するために環境を構成する方法を示し、環境を構成した後でネットワーク・インストールを開始する方法を説明します。

  1. Oracle Linux 6更新7 (SPARC)を少なくとも1つのシステムにインストールします。このとき、5.1項「ベア・メタル・サーバーでのインストール」または第6章「Oracle Linux 6更新7 (SPARC)での制御ドメインのインストールと構成」の手順を手動で行います。

  2. Oracle Linux 6更新7 (SPARC)がすでにインストールされたシステムで、次の例に示すようにgrub2-mknetdirコマンドを使用してGRUB2ネットワーク・ブート・ディレクトリを準備します。

    # grub2-mknetdir --net-directory=/var/lib/tftpboot/
  3. grub2-mknetdirの出力の内容を、TFTPサーバーを実行しているホストに移動します。 現在のシステムをTFTPホストとして使用する場合には、/var/lib/tftpboot/の内容をそのままの場所に置いておくこともできますが、TFTPデーモンがホストにインストールされて構成され、実行していることを確認します。 これ以降の手順では、TFTPサーバーが/var/lib/tftpbootの内容を使用するように構成されていると仮定します。

  4. TFTPサーバーにあるboot/grub2/sparc64-ieee1275/core.imgファイルを指すようにDHCPサーバーを構成します。 たとえば、DHCPサーバーのエントリは次のようになります。

    subnet 192.0.2.0 netmask 255.255.255.0 {
           range 192.0.2.10 192.0.2.20;
           next-server 192.0.2.1;
           filename "boot/grub2/sparc64-ieee1275/core.img";
    }
  5. boot/vmlinuxファイルとboot/initrd.imgファイルをOracle Linux 6更新7 (SPARC)インストールISOからTFTPサーバーの/var/lib/tftpboot/boot/ディレクトリにコピーします。

  6. TFTPサーバー上に、次の内容を含めて/var/lib/tftpboot/boot/grub2/grub.cfgファイルを作成します。

    menuentry 'Install' {
          insmod tftp
          set root=tftp,192.0.2.1
          linux /boot/vmlinuz
          initrd /boot/initrd.img
    }

    192.0.2.1はTFTPサーバーに割り当てられたIPアドレスで置き換えます。

  7. Oracle Linux 6更新7 (SPARC)をインストールしようとする任意のシステムで、OpenBootプロンプトに次のように入力します。

    {0} ok boot eth0:dhcp

    DHCPサーバーのサービスを受けるネットワークに接続しているネットワーク・インタフェースでeth0を置き換えます。 GRUBが読み込まれると、通常のインストール・メニューが表示され、通常どおりにインストールを進めることができます。

システム固有のブート・ローダー構成の指定

前の手順では、すべてのシステムで共通のブート・ローダー構成が使用されていると仮定しています。 ただし、GRUB2環境変数を指定して、システムごとに独自の構成を用意することもできます。

たとえば、/var/lib/tftpboot/boot/grub2/grub.cfgファイルの内容を次のように変更できます。

configfile "${prefix}/${net_default_mac}.cfg"

その後で、システムのMACアドレスをファイル名として使用して、各システムの構成ファイルを/var/lib/tftpboot/boot/grub2に作成できます。たとえば、00:14:4f:fa:0d:e1.cfgの場合、00:14:4f:fa:0d:e1がネットワーク・ブートに使用されるネットワーク・インタフェースのMACアドレスです。

詳細は、info grub2コマンドを入力してGRUB2マニュアルにアクセスしてください。