このドキュメントで説明されているソフトウェアはサポートされていないか、拡張サポートが提供されています。
現在サポートされているリリースにアップグレードすることをお薦めします。

2.1.1 x86またはx86_64上のOracle Linux 6更新7に対する変更箇所と違い

Oracle Linux 6更新7 (SPARC)は、x86プラットフォーム用のOracle Linux 6更新7リリースと同じソース・ファイルから構築されています。 SPARCプラットフォームでコンパイルするために多くのパッケージが修正されました。 移植に関するこのような変更は既存のソース・アーカイブの最上部に適用されました。 多くの場合、変更は、ソース・コードのコンパイル方法と生成されたバイナリのパッケージ化方法を定義するRed Hat Package Manager (RPM)仕様ファイルのみに関連します。 場合によっては、実際のソース・コードに対する変更も必要でした。 これらのパッチすべてはソースRPMパッケージに含まれているか、上位プロジェクトにコントリビュート済です。

SPARCとPCのアーキテクチャが根本的に異なるため、一部のパッケージの削除など、その他の変更が必要でした。 SPARCプラットフォーム上でのOracle Linuxに役立つパッケージやExadataによって必要なパッケージが、ディストリビューションに追加されました。 入手可能なOracle Linux for SPARCのソースとバイナリ・パッケージの一覧は次を参照してください。

https://linux.oracle.com/OL6u7_SPARC_pkgs.html

UEK構成がSPARCプラットフォームに適合されました。 SPARCアーキテクチャで提供される機能に対応するために、SPARC固有のパッチがいくつも組み込まれています。 さらに、SPARCプラットフォームで使用できないデバイスのドライバはカーネル構成で無効化されました。

Oracle Linux 6更新7 (SPARC) UEK R2の機能サポートに関連する情報を次に示します。

  • Red Hat互換カーネルは含まれていません。 システムによってデフォルトでUnbreakable Enterprise Kernelリリース2 (2.6.39-500.1.76)がインストールされブートされます。

  • ネットワークのインストールを実行するために使用できるUnbreakable Enterprise Kernel用の個別のブートISOイメージはありません。

  • GRand Unified Bootloaderバージョン2 (GRUB2)がブート・ローダーとして使用されます。

  • Btrfsはrootファイル・システムではサポートされません。

  • Kspliceはサポートされません。

  • DTraceはサポートされません。

  • 2つのプラットフォームではバイト順が異なります。 SPARCプラットフォームではビッグエンディアンのバイト順が使用されますが、x86プラットフォームではリトルエンディアンのバイト順が使用されます。

  • Oracle VM Server for SPARCの機能は含まれますが、制限があるため、安定性に影響が生じることがあります。 これらの機能の開発は進行中です。

  • SysRq機能はカーネルで提供されます。 この機能を使用するには、次のようにカーネルで有効にしてください。

    # echo 1 > /proc/sys/kernel/sysrq
    • Oracle Linuxをホストするゲスト・ドメイン上でこの機能を使用するには、次のコマンドを実行してコンソールを開きます。

      # ldmconsole ldg0

      ご使用のインストールに合せてゲスト・ドメイン名を置き換える必要があります。

      キー・シーケンス~~#を使用して、[SysRq]キーを押します。

    • ベア・メタル・システム上でこの機能を使用するには、ホストのコンソールに接続します。 [Esc]キーを押してから、[Shift]+[b]を押し、最後に[SysRq]キーを押します。

Oracle Software in Silicon

SPARC T7シリーズ・サーバーのマイクロプロセッサでは、新しく共同開発されたハードウェアとソフトウェアの機能が提供され、これによりアプリケーションを最高レベルのセキュリティ、信頼性、速度で実行できるようになります。 この機能はOracle Software in Siliconと呼ばれます。

Software in Siliconの機能は、UEK R2にテクノロジ・プレビューとして提供されています。 これには次の機能が含まれます。

  • Silicon Secured Memory

    この機能は、メモリー異常の問題を検出できるようにして、アプリケーション・データ整合性(ADI)を強化します。 この機能を有効にすると、ソフトウェアは、ハードウェアによってチェックされる特殊なバージョン情報を使用してバッファをマーキングできます。 読込みまたは格納時にバージョンの不一致があると、例外が発生して、アプリケーションがメモリーのその領域にアクセスできなくなります。 Silicon Secured Memoryは、バッファのオーバーフローやその他の外部からの攻撃を防ぐことに役立ちます。 独自のカスタム・メモリー割当て機能を使用するアプリケーションがこの機能を利用できます。

  • Data Analytics Accelerator (DAX)

    SPARCチップのコプロセッサは、問合せ関連の操作をハードウェアで直接実行します。 このようなチップ上での問合せによりOracle Databaseのパフォーマンスが向上します。 DAXのハードウェア・アクセラレーションは、Oracle Database 12cインメモリー・データベース操作で活用できます。 DAX操作はDB 12.1.0.2以上でサポートされています。

これらの機能のAPIは変更される可能性があることに注意してください。

Oracle Software in Silicon機能の詳細は、https://www.oracle.com/technetwork/server-storage/softwareinsilicon/index.htmlを参照してください。