Oracle® Solaris 11.2 での TCP/IP ネットワーク、IPMP、および IP トンネルの管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

特権ポートの設定

TCP、UDP、SCTP などのトランスポートプロトコルでは、ポート 1-1023 はデフォルトの特権ポートです。特権ポートにバインドするには、プロセスを root 権限で実行する必要があります。1023 より大きいポートは、デフォルトで非特権になっています。ipadm コマンドを使用して特権ポートの範囲を拡張したり、非特権範囲にある特定のポートを特権ポートとしてマークしたりできます。

特権ポートの範囲を管理するには、次のトランスポートプロトコルプロパティーをカスタマイズします。

smallest_nonpriv_port

非特権ポート番号の範囲 (通常のユーザーがバインドできるポート) の開始値を指定します。非特権ポート範囲内の個々のポートを特権ポートとして設定できます。プロパティーの値を表示するには、ipadm show-prop コマンドを使用します。

extra_priv_ports

特権範囲外のポートのうち特権にするポートを指定します。制限するポートを指定するには、ipadm set-prop コマンドを使用します。このプロパティーには複数の値を割り当てることができます。

たとえば、TCP ポート 3001 および 3050 に対するアクセスを、root 役割だけに与えるように制限するとします。smallest_nonpriv_port プロパティーは、1024 が非特権ポートの最小ポート番号であることを示しています。したがって、指定されたポート 30013050 を特権ポートに変更するには、次のようにします。

# ipadm show-prop -p smallest_nonpriv_port tcp
PROTO PROPERTY                PERM   CURRENT   PERSISTENT   DEFAULT   POSSIBLE
tcp   smallest_nonpriv_port   rw     1024      --           1024      1024-32768

# ipadm show-prop -p extra_priv_ports tcp
PROTO   PROPERTY           PERM   CURRENT     PERSISTENT   DEFAULT     POSSIBLE
tcp     extra_priv_ports   rw     2049,4045   --           2049,4045   1-65535

# ipadm set-prop -p extra_priv_ports+=3001 tcp
# ipadm set-prop -p extra_priv_ports+=3050 tcp
# ipadm show-prop -p extra_priv_ports tcp
PROTO   PROPERTY           PERM   CURRENT     PERSISTENT   DEFAULT     POSSIBLE
tcp     extra_priv_ports   rw     2049,4045   3001,3050    2049,4045   1-65535
                                  3001,3050

たとえば、特権ポート 4045 を削除するには、次のようにします。

# ipadm set-prop -p extra_priv_ports-=4045 tcp
# ipadm show-prop -p extra_priv_ports tcp
PROTO   PROPERTY           PERM   CURRENT     PERSISTENT   DEFAULT     POSSIBLE
tcp     extra_priv_ports   rw     2049,3001   3001,3050    2049,4045   1-65535
                                  3050