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Oracle® Solaris カーネルゾーンの作成と使用

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更新: 2016 年 11 月
 
 

カーネルゾーンのメモリーを予約するための ZFS ARC のチューニング

カーネルゾーンの効率的なパフォーマンスを確保するため、カーネルゾーンをホストしているシステムで user_reserve_hint_pct チューニング可能パラメータを設定する必要があります。パラメータは、システムにアプリケーションのメモリー使用に関するヒントを提供し、アプリケーションに使用できるメモリーがより多く残るように、ZFS Adaptive Replacement Cache (ARC) の増加を制限するために使用します。システムの観点から、カーネルゾーン自体はアプリケーションです。ARC の増加を制限して、カーネルゾーンとそれらの中で実行するアプリケーションを含むアプリケーションでより多くのメモリーを使用できるようにします。


Caution

注意  -  このパラメータをホストシステムの ZFS ARC を制限するように設定できないと、メモリー不足の障害につながる可能性があります。


システムの ZFS ARC を制限するには、管理者として、大域ゾーンに user_reserve_hint_pct パラメータ を設定します。推奨事項は、実行中のシステムで動的にパラメータを調整する set_user_reserve.sh と呼ばれるスクリプトを使用して、パラメータ値を 80 に設定することです。

ホストシステムで実行することが予想されるすべてのカーネルゾーンおよびその他のプロセスの最大メモリー要件に応じて、80 よりも高い値または低い値を設定できます。

set_user_reserve.sh スクリプトを取得し、user_reserve_hint_pct チューニング可能パラメータの要件の特定と構成に関する詳細を参照するには、My Oracle Support Web サイトにログインし、Oracle Solaris 11.x の ZFS とアプリケーション間のメモリー管理 (Doc ID 1663862.1) に関するドキュメントにアクセスします。set_user_reserve.sh スクリプトはそのドキュメントに添付されています。

このパラメータを設定するには、set_user_reserve.sh スクリプトを使用します。たとえば、global というシステムの大域ゾーンで:

global# ./set_user_reserve.sh -fp 80
Adjusting user_reserve_hint_pct from 0 to 80
Monday, March 30, 2015 04:59:47 PM PST :
waiting for current value : 60 to grow to target : 65
...
Adjustment of user_reserve_hint_pct to 80 successful.
Make the setting persistent across reboot by adding to /etc/system

#
# Tuning based on MOS note 1663861.1, script version 1.0
# added Monday, March 30, 2015 05:09:53 PM PST by system administrator : <me>
set user_reserve_hint_pct=80

スクリプトを実行すると、user_reserve_hint_pct パラメータは、実行中のシステムで調整されますが、リブート間でこれを維持させるため、/etc/system にパラメータを設定する必要があります。