Silicon Secured Memory (SSM) 機能は、SPARC T7 および SPARC M7 サーバーで始まる SPARC ベースシステムで使用できます。SSM は、Application Data Integrity (ADI) と呼ばれることもあります。カーネルゾーンの以前のシステムからの移行や以前のシステムへの移行を支援するために、SSM はホストシステムで利用可能であっても、カーネルゾーン内ではデフォルトで無効になっています。
カーネルゾーン内で SSM を有効にするには、host-compatible=adi 修飾子を設定できます。あとでカーネルゾーンを SSM が使用可能でない古い SPARC ベースサーバーや以前のバージョンの Oracle Solaris に移行する場合は、このプロパティーを互換性のある値に設定するか、それをクリアしてゾーンがターゲットシステムの環境で機能できるようにする必要があります。
host-compatible 修飾子は、リリース固有のほかの機能を有効にするためにも使用できます。詳細は、Oracle Solaris ゾーン構成リソース の solaris-kz SPARC のみ: カーネルゾーンの移行クラスとホスト互換性レベルを参照してください。
使用例 19 カーネルゾーンでの SSM の有効化この例では、host-compatible が設定されていないことを示してから、それを adi に設定し、ゾーンをブートします。
global# zonecfg -z kzone1 zonecfg:kzone1> info host-compatible zonecfg:kzone1> set host-compatible=adi zonecfg:kzone1> exit global# zonecfg -z kzone1 boot使用例 20 Silicon Secured Memory 機能のないシステムのカーネルゾーンで SSM の有効化を試みる
この例では、SSM をサポートしていない SPARC T5 システム上で SSM を有効にする試みを示します。カーネルゾーンをブートするまでエラーは検出されません。
global# zonecfg -z kzone1 zonecfg:kzone1> set host-compatible=adi zonecfg:kzone1> exit global# zonecfg -z kzone1 boot zone 'kzone1': error: modifier adi not supported by migration class SPARC-T5使用例 21 以前のシステムに移行できるように host-compatible プロパティーをクリアする
この例では、SSM などの機能をサポートしていないターゲットホストにカーネルゾーンを移行できるように、host-compatible プロパティーをクリアする方法を示します。クリアしたあとでリブートする必要があります。
global# zonecfg -z kzone1 clear host-compatible zonecfg:kzone1> zoneadm -z kzone1 reboot