Oracle® Solaris Cluster Data Service for Oracle Real Application Clusters ガイド

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更新: 2016 年 4 月
 
 

選択したノードに Oracle RAC のサポート を追加する方法

クラスタにノードを追加しており、ノードでの実行に Oracle RAC のサポート が必要な場合は、次の手順を実行します。1 つのノードからのみこの手順を実行してください。

このタスクでは、選択したノードを次のリソースグループから次の順序で追加します。

  • スケーラブルなファイルシステムマウントポイントリソースのリソースグループ

  • 複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループ (使用する場合)。

  • Oracle RAC のサポート フレームワークリソースグループ

  • スケーラブルなデバイスグループリソースのリソースグループ

  • StorageTek QFS メタデータサーバーのリソースを含むリソースグループ

  • 論理ホスト名リソースのリソースグループ

  • Oracle RAC のサポート データベースのリソースグループ

注 -  この手順中に、一部のリソースをオンラインにできないと報告されることがあります。この原因としてもっとも可能性が高いのは、まだインストールできていないソフトウェアの不足です。これらの失敗は予測されることであり、すべての手順が完了するまでは無視してもかまいません。

始める前に

  • 必要な Oracle RAC のサポート ソフトウェアパッケージが、Oracle RAC のサポート を追加する各ノードにインストールされていることを確認します。詳細は、Support for Oracle RAC パッケージのインストールを参照してください。

  • 追加するノードが、Oracle RAC のサポート 構成で使用される共有ストレージに接続されていることを確認します。

  1. いずれかのクラスタノード上で root 役割になります。
  2. スケーラブルなファイルシステムマウントポイントリソースが含まれているリソースグループにノードを追加します。

    スケーラブルなファイルシステムマウントポイントリソースが含まれているリソースグループが構成されていない場合は、この手順を省略してください。

    ノードを追加するリソースグループごとに、次のコマンドを実行します。

    # clresourcegroup add-node -S -n nodelist scal-mp-rg
    –n nodelist

    Oracle RAC のサポート を追加するクラスタノードをコンマで区切ったリストを指定します。

    scal-mp-rg

    ノードを追加するリソースグループの名前を指定します。

  3. 複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループを使用する場合は、このグループにノードを追加します。 
    # clresourcegroup add-node -S -n nodelist vucmm-fmwk-rg
    –n nodelist

    リソースグループを追加するクラスタノードをコンマで区切ったリストを指定します。

    vucmm-fmwk-rg

    ノードを追加するリソースグループの名前を指定します。

  4. Oracle RAC のサポート フレームワークリソースグループにノードを追加します。 
    # clresourcegroup add-node -S -n nodelist rac-fmwk-rg
    –n nodelist

    Oracle RAC のサポート を追加するクラスタノードをコンマで区切ったリストを指定します。

    rac-fmwk-rg

    ノードを追加するリソースグループの名前を指定します。

  5. Oracle Database ファイルに使用しているスケーラブルなデバイスグループにノードを追加します。

    Oracle Database ファイルにスケーラブルなデバイスグループを使用しない場合は、この段階を省略してください。

    この手順の実行方法は、スケーラブルなデバイスグループのタイプによって異なります。

    • Solaris Volume Manager for Sun Cluster 複数所有者ディスクセットごとに、次のコマンドを入力します。 
      # metaset -s set-name -M -a -h nodelist
      –s set-name

      ノードを追加する Solaris Volume Manager for Sun Cluster 複数所有者ディスクセットを指定します。

      –h nodelist

      複数所有者ディスクセットに追加するクラスタノードをスペースで区切ったリストを指定します。

  6. スケーラブルなデバイスグループリソースが含まれているリソースグループにノードを追加します。

    スケーラブルなデバイスグループリソースが含まれているリソースグループが構成されていない場合は、この手順を省略してください。

    ノードを追加するリソースグループごとに、次のコマンドを実行します。

    # clresourcegroup add-node -S -n nodelist scal-dg-rg
    –n nodelist

    Oracle RAC のサポート を追加するクラスタノードをコンマで区切ったリストを指定します。

    scal-dg-rg

    ノードを追加するリソースグループの名前を指定します。

  7. 追加するノードからアクセスする各共有ファイルシステムをマウントします。

    追加するノードから共有ファイルシステムにアクセスしない場合は、この手順を省略してください。

    マウントするファイルシステムごとに、次のコマンドを入力します。

    # mount mount-point
    mount-point

    マウントするファイルシステムのマウントポイントを指定します。

  8. StorageTek QFS メタデータサーバーのリソースを含む任意のリソースグループにノードを追加します。

    StorageTek QFS メタデータサーバーのリソースを含むリソースグループが構成されていない場合は、この手順を省略します。

    ノードを追加するリソースグループごとに、次のコマンドを実行します。

    # clresourcegroup add-node -n nodelist qfs-mds-rg
    –n nodelist

    Oracle RAC のサポート を追加するクラスタノードをコンマで区切ったリストを指定します。

    qfs-mds-rg

    ノードを追加するリソースグループの名前を指定します。

  9. Step 6 でノードを追加したすべてのリソースグループをオンラインにします。

    これらのリソースグループには、スケーラブルなデバイスグループリソースが含まれています。

    スケーラブルなデバイスグループリソースが含まれているリソースグループが構成されていない場合は、この手順を省略してください。

    オンラインにするリソースグループごとに、次のコマンドを入力します。

    # clresourcegroup online -eM scal-dg-rg
    scal-dg-rg

    オンラインにするリソースグループの名前を指定します。

  10. Oracle Grid Infrastructure を起動します。 
    # /etc/init.d/init.crs start
Startup will be queued to init within 30 seconds.
  11. ノードで実行する各 Oracle RAC のサポート データベースのリソースグループにノードを追加します。

    ノードを追加するリソースグループごとに、次のコマンドを実行します。

    # clresourcegroup add-node -S -n nodelist rac-db-rg
    –n nodelist

    Oracle RAC のサポート を追加するクラスタノードをコンマで区切ったリストを指定します。

    rac-db-rg

    ノードを追加するリソースグループの名前を指定します。

  12. 追加するノードごとに、Oracle Solaris Cluster リソースを表すために必要な Oracle Grid Infrastructure リソースを作成します。

    Oracle コンポーネントが依存するスケーラブルなデバイスグループおよびスケーラブルなファイルシステムマウントポイントの Oracle Solaris Cluster リソースごとに Oracle Grid Infrastructure リソースを作成します。詳細は、Oracle Solaris Cluster との相互運用のための Oracle Grid Infrastructure リソースを作成する方法を参照してください。

  13. Oracle RAC のサポート データベースの各リソースを変更して、追加するノードごとに各ノード単位プロパティーの値を設定します。

    変更するリソースごとに、次の手順を実行します。

    1. リソースを無効にします。 
      # clresource disable rac-db-rs
      rac-db-rs

      無効にする Oracle RAC のサポート データベースリソースの名前を指定します。

    2. リソースを有効にします。 
      # clresource enable rac-db-rs
      rac-db-rs

      有効にする Oracle RAC のサポート データベースリソースの名前を指定します。

  14. Oracle RAC のサポート データベースの各リソースグループをオンラインにします。

    オンラインにするリソースグループごとに、次のコマンドを実行します。

    # clresourcegroup online -eM rac-db-rg
    rac-db-rg

    オンラインにするリソースグループの名前を指定します。

使用例 9  選択したノードへの Oracle RAC のサポートの追加

この例では、4 ノードクラスタのノード pclus3 と pclus4 に Oracle RAC のサポート を追加するために必要な一連の操作を示します。

    この例の Oracle RAC のサポート の構成は次のとおりです。

  • Solaris Volume Manager for Sun Cluster 上の StorageTek QFS 共有ファイルシステム は、Oracle Database ファイルを格納するために使用されます。

  • Oracle Database ファイルに使用されるファイルシステムのマウントポイントは次のとおりです。

    • Oracle Database ファイル: /db_qfs/OraData

    • Oracle Database バイナリファイルおよび関連ファイル: /db_qfs/OraHome

  • oradg ディスクセットは、Oracle RAC のサポート データベースによってのみ使用されます。

  • Oracle RAC のサポート データベースの名前は swb です。

  • StorageTek QFS 共有ファイルシステムは、oradg という名前の Solaris Volume Manager for Sun Cluster 複数所有者ディスクセットを使用します。このディスクセットの作成を使用例 3に示します。

  • この構成では、複数所有者ボリュームマネージャーフレームワークリソースグループを使用します。

次の表に、この例のリソースグループの構成を示します。

リソースグループ
目的
vucmm-framework-rg
複数所有者のボリュームマネージャーリソースグループ。
rac-framework-rg
Oracle RAC のサポート フレームワークリソースグループ。
scaldg-rg
スケーラブルなデバイスグループリソースのリソースグループ。
qfsmds-rg
StorageTek QFS メタデータサーバーリソースのリソースグループ。
scalmnt-rg
スケーラブルなファイルシステムマウントポイントリソースのリソースグループ。
rac_server_proxy-rg
Oracle RAC のサポート データベースリソースグループ。

この構成に必要なリソースグループを図 2に示します。

  1. スケーラブルなファイルシステムのマウントポイントリソースを含むリソースグループにノードを追加するために、次のコマンドを実行します。

    # clresourcegroup add-node -S -n pclus3,pclus4 scalmnt-rg

  2. 複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループにノードを追加するために、次のコマンドを実行します。

    # clresourcegroup add-node -S -n pclus3,plcus4 vucmm-framework-rg

  3. Oracle RAC のサポート フレームワークリソースグループにノードを追加するために、次のコマンドを実行します。

    # clresourcegroup add-node -S -n pclus3,plcus4 rac-framework-rg

  4. Solaris Volume Manager for Sun Cluster 複数所有者ディスクセット oradg にノードを追加するために、次のコマンドを実行します。

    # metaset -s oradg -M -a -h  pclus3 pclus4

  5. スケーラブルなデバイスグループリソースを含むリソースグループにノードを追加するために、次のコマンドを実行します。

    # clresourcegroup add-node -S -n pclus3,pclus4 scaldg-rg

  6. 追加するノードからアクセスされる共有ファイルシステムをマウントするために、次のコマンドを実行します。

    # mount /db_qfs/OraData
# mount /db_qfs/OraHome

  7. StorageTek QFS メタデータサーバーのリソースを含むリソースグループにノードを追加するために、次のコマンドを実行します。

    # clresourcegroup add-node -n pclus3,pclus4 qfsmds-rg

  8. スケーラブルなデバイスグループリソースを含むリソースグループをオンラインにするために、次のコマンドを実行します。

    # clresourcegroup online -eM scaldg-rg

  9. Oracle Clusterware を起動し、Oracle Clusterware の正しい起動を検証するために、次のコマンドを実行します。

    # /etc/init.d/init.crs start
Startup will be queued to init within 30 seconds.
# /db_qfs/OraHome/crs/bin/crsctl check crs
CSS appears healthy
CRS appears healthy
EVM appears healthy

  10. Oracle RAC のサポート データベースのリソースグループにノードを追加するために、次のコマンドを実行します。

    # clresourcegroup add-node -S -n pclus3,pclus4 rac_server_proxy-rg

    Oracle RAC のサポート データベースのリソースグループにノードを追加したあとに、必要な Oracle Clusterware リソースを作成します。これらの Oracle Clusterware リソースの作成については、この例では説明しません。

  11. Oracle RAC のサポート データベースのリソースグループをオンラインにするために、次のコマンドを実行します。

    # clresourcegroup online -eM rac_server_proxy-rg
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