計算エレメントについて

計算エレメントを使用して、フォーミュラ、支給、控除などのエレメントを計算します。

このトピックでは、次について説明します。

  • 変数

  • 日付

  • 期間

  • フォーミュラ

  • 端数処理ルール

  • カウント

  • 比例配分ルール

  • 支給

  • 控除

  • 休暇付与

  • 休暇取得

  • 累計

  • ジェネレーション コントロール

変数エレメントを使用して、文字、日付、または数字などの値を定義および格納します。たとえば、1 月 1 日現在、3 つのフォーミュラと 2 つの支給エレメントがあり、それぞれで通貨係数 20 を使用して計算が行われているとします。また、4 月 1 日にこの係数は 25 に変更される予定になっているとします。変数エレメントを使用しない場合は、有効日付きの変更を 5 つそれぞれに対して行う必要があります。しかし、この係数を変数エレメントとして定義すると、変数自体に対する有効日付きの変更 1 回だけで済みます。これで、この変数が使用されているところでは 25 という新しい係数が使われます。

変数は、アレイと共に使用できる唯一のエレメントです。アレイを作成すると、その値を変数にロードすることができます。

日付エレメントを使用することにより、既存の日付を基準として日付を加算、または減算して、新しい日付を計算することができます。たとえば、受給者が勤続 5 年目になる日付を計算するには、受給者の採用日に 5 年を加算します。

また、日付は分解することができます。たとえば、その日付の年だけを知りたい場合、日付エレメントを使用してその日付を年、月、または日に分けて取り出します。

デュレーション エレメントを使用して 2 つの日付の間の期間を計算します。デュレーションは、1 つの日付をもう 1 つの日付から引いた結果です。デュレーションは、年数、月数、または日数で定義します。

たとえば、受給者の年齢を計算するには、その受給者の誕生日とカレンダー期間終了日の間のデュレーションを計算します。

フォーミュラを使用して、独自のエレメントを作成します。フォーミュラ エレメントとして、複雑なルール、数式、および反復計算を定義することができます。

たとえば、従業員の休暇付与、四半期の賞与、年金プランへの従業員拠出金を計算するフォーミュラなどを定義することができます。

端数処理ルールを使用して、フォーミュラ、支給、控除などの数値に変換されるエレメントに端数処理を適用します。端数処理ルールは、端数処理が正常に行われると 1、正常に行われないと 0 に値が変換されます。

たとえば、変換済みの値を小数第 2 位までで切り捨てる端数処理ルールを定義するとします。計算では、値 2.833333 が算出されます。端数処理ルールによって、値が 2.83 まで切り捨てられます。

桁数または少数部桁数などで端数処理を行うか、または増分の値を使用して端数処理を行うかを指定します。また、[指定値以上は切上、未満は切捨]、[切上げ]、[切捨て] から端数処理のタイプを選択します。

カウントは、日次ベースで計算および集計を行うための手段です。たとえば、カウントを使用して受給者の勤務時間数を管理するとします。カウント エレメントを使用すると、1 日ごとに勤務時間を確認し、定義された期間内の勤務時間の累計を取ることができます。

カウント フォーミュラを定義すると、このカウントを比例配分ルールに関連付けることができます。分割が発生すると、比例配分ルールで使用されているカウント エレメントによって、時間数の比例配分に使用する分子と分母が決定されます。

比例配分ルールを使用して、分割が発生した際に値を比例配分します。

比例配分ルールでは分子と分母を定義して、分割の対象となる期間の値に適用します。

たとえば、6 月 1 日から 6 月 30 日までの支給期間があり、6 月 1 日から 6 月 10 日までのセグメントを設定する場合、分子をセグメントの期間 (6 月 1 日から 6 月 10 日)、分母を支給期間の全体 (6 月 1 日から 6 月 30 日) として定義します。比例配分ルールは 0.333 (10/30) に変換されます。

支給エレメントを使用して、給与、賞与、手当、コミッション、年金および退職金などの受給者への全ての給与タイプを定義します。

支給エレメントには、次の 4 つのタイプの計算ルールを定義することができます。

  • 金額

  • ベース*パーセント

  • ユニット*レート

  • ユニット*レート*パーセント

たとえば、支給エレメントの計算ルールを EARNINGS1 = ユニット*レートのように定義することができます。このエレメントのコンポーネント (ユニットとレート) には、エレメントと同じ属性が適用されます。エレメントの値を変更すると、コンポーネントの値も変わります。一度支給エレメントを定義すると、そのコンポーネントを再利用することができるので、新しいエレメントを作成するたびにコンポーネントを定義し直す必要がなくなります。

控除エレメントを使用して、受給者に対してさまざまなタイプの控除を定義します。控除には、退職プランに対する拠出金などのように任意のものも、税金や差し押さえのように法律で定められているものもあります。

控除エレメントには、次の 4 つのタイプの計算ルールを定義することができます。

  • 金額

  • ベース*パーセント

  • ユニット*レート

  • ユニット*レート*パーセント

レート、ユニット、ベース、およびパーセントのコンポーネントに加えて、以下の 3 つのコンポーネントが控除用に用意されています。

  • 未控除額

  • 回収額

  • 延滞加算額

また、受給者の延滞を継続して管理するために、延滞残高累計も作成されます。延滞を使うと、純支給額が不足しているために今回の給与計算の実行から差し引けない控除額を保存できます。

休暇付与エレメントを使用して、休暇や休職などの休暇欠勤を管理します。休暇付与には、次の 2 つのタイプがあります。

  • 周期ごと

    休暇欠勤があるかどうかにかかわらず、休暇付与日数が計算されます。

    たとえば、1 年に 12 日の休暇が受給者に与えられていて、この付与は毎月 10 時間ずつ累積されるとします。この付与では、使用されるかどうかにかかわらず、規定の量が毎月計算および更新されます。

  • 休暇欠勤ごと

    休暇欠勤がある場合にのみ、休暇付与日数が計算されます。

休暇取得エレメントを使用して、休暇欠勤が有給休暇の対象となる条件を定義します。休暇取得エレメントには、休暇取得日数の下限および上限のルールの定義も含まれます。休暇取得エレメントを設定して、時間、日、またはその他の単位で累計を行います。

たとえば、1 年に 12 日の休暇を付与されている受給者が 5 日間の休暇を取る場合、この受給者の休暇取得日数は 5 日になります。

休暇取得コンポーネントで休暇取得ルールを定義しておくと、休暇イベント入力ページでその休暇取得エレメントを入力して、休暇取得を管理することができます。

累計エレメントを使用して、残高を保存および追跡管理します。累計では、指定した期間に対する累計を保存できます。たとえば、1 年間の総支給額データを保存することができます。累計は、自動作成することも (自動生成累計)、手動で作成することもできます (追加累計)

累計には、以下の 2 つのタイプがあります。

  • 支給累計。総額/純額計算の値を累計します。

  • 残数累計。1 か月または 1 年など、特定の期間の値を累計します。

また、残数を累計するレベルを定義することもできます。たとえば、受給者の雇用レコード番号、受給者の ID、部門、または組織単位で残数を累計できます。それぞれの組織にとって最も役立つように、管理レベルを設定できます。

ジェネレーション コントロール エレメントを使用して、給与計算処理でエレメントが変換されるかどうかを制御します。ジェネレーション コントロール エレメントを定義するには、従業員の HR ステータス、処理周期、セグメント ステータスなどに基づいて、エレメントが処理される前に満たす必要がある条件を指定します。

たとえば、毎週給与を支給されている受給者がいて、この受給者が月に 1 度だけ 100 ドルの医療控除を受けるとします。この場合、ジェネレーション コントロール周期のパラメータを定義して、この控除が月の最初の支給期間にのみ差し引かれるようにすることができます。