このセクションでは、クラスタ構成での Oracle Solaris ソフトウェアのインストールを計画するうえでの、次のガイドラインを説明します。
Oracle Solaris ソフトウェアの詳細については、Oracle Solaris のインストールドキュメントを参照してください。
Oracle Solaris ソフトウェアは、ローカルの DVD-ROM から、あるいは Automated Installer (AI) によるインストール方法でネットワークインストールサーバーからインストールできます。また、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアには、AI インストール方式を使用して Oracle Solaris OS と Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの両方をインストールするカスタム方式も用意されています。Oracle Solaris ソフトウェアの AI インストールでは、デフォルトを受け入れて OS をインストールするか、それともブートディスクや Oracle Solaris ZFS ルートプールといったコンポーネントのインストールをカスタマイズできる OS の対話式インストールを実行するかを選択します。複数のクラスタノードをインストールする場合は、ネットワークインストールを検討してください。
scinstall AI インストール方式の詳細については、Oracle Solaris および Oracle Solaris Cluster ソフトウェアをインストールおよび構成する方法 (IPS リポジトリ)を参照してください。Oracle Solaris の標準的なインストール方法や、OS のインストール中にユーザーが行う必要のある構成上の選択に関する詳細については、Oracle Solaris のインストールドキュメントを参照してください。
Oracle Solaris Cluster 構成で Oracle Solaris OS の使用を計画する場合は、次の点を考慮してください。
VNIC – ゾーンクラスタで VNIC を使用している場合は、その VNIC の名前を 16 文字より短くする必要があります。そうしないと、システム構成時に VNIC を選択できない可能性があります。
最小の Oracle Solaris パッケージ – Oracle Solaris Cluster ソフトウェアには、少なくとも Oracle Solaris ソフトウェアの solaris-minimal-server グループパッケージが必要です。GUI 形式の clinstall ユーティリティーを使用して Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの集中型インストールを実行するには、solaris-desktop グループパッケージがインストールされている必要があります。
Oracle Solaris オペレーティングシステム – Oracle Solaris Cluster 4.4 コアソフトウェアおよび Oracle Solaris Cluster 4.4 定足数サーバーソフトウェアには、少なくとも Oracle Solaris 11.4 ソフトウェアが必要です。
Java の必要なバージョン – Oracle Solaris 11.4 ソフトウェアと Oracle Solaris Cluster 4.4 ソフトウェアでは Java 1.8 が必要です。
Oracle Solaris ゾーン – Oracle Solaris Cluster フレームワークソフトウェアのインストール先は、大域ゾーンだけです。
ループバックファイルシステム (LOFS) – クラスタの作成中、LOFS 機能はデフォルトで有効になっています。クラスタが次の条件の両方を満たす場合、スイッチオーバーの問題やその他の障害を防ぐために、LOFS を無効にする必要があります。
クラスタがこれらの条件の 1 つだけしか満たさない場合、LOFS を有効にしても安全です。
LOFS と automountd デーモンの両方を有効にする必要がある場合は、HA for NFS によってエクスポートされる高可用性ローカルファイルシステムに含まれるファイルをすべてオートマウンタマップから除外してください。
省電力シャットダウン - 自動省電力シャットダウンは Oracle Solaris Cluster 構成ではサポートされていないため、有効にしないでください。詳細は、poweradm(8) のマニュアルページを参照してください。
パケットフィルタ (PF) 機能 – パブリックネットワークで IP ネットワークマルチパス (IPMP) が使用される場合、Oracle Solaris Cluster は IPMP に基づいてパブリックネットワークのモニタリングを行います。PF を構成する際には、PF に関係する IPMP 構成のガイドラインや制限に従う必要があります。
fssnap - Oracle Solaris Cluster ソフトウェアは、UFS の機能である fssnap コマンドをサポートしません。ただし、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアによって制御されないローカルシステム上で fssnap コマンドを使用できます。fssnap サポートには、次の制限が適用されます。
fssnap コマンドは、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアによって管理されていないローカルファイルシステム上でサポートされています。
fssnap コマンドは、クラスタファイルシステムではサポートされていません。
fssnap コマンドは、HAStoragePlus によって制御されるローカルファイルシステムではサポートされていません。
Oracle Solaris OS をインストールするときは、必要な Oracle Solaris Cluster パーティションを作成し、すべてのパーティションが各領域の最小要件を満たすようにします。
ルート (/) – ルート (/) ファイルシステムの主な容量の要件は、次のとおりです。
Oracle Solaris Cluster ソフトウェア自体のルート (/) ファイルシステムでの占有サイズは、40M バイト未満です。
Oracle Solaris Cluster の各データサービスは、1M バイトから 5M バイトを使用する可能性があります。
Solaris Volume Manager ソフトウェアが必要とするのは、5M バイト未満です。
十分な追加領域と i ノード容量を構成するには、一般的にルート (/) ファイルシステムに割り当てる容量に、100M バイト以上を追加します。この領域は、ブロック特殊デバイスと文字特殊デバイスの両方を作成するために、ボリューム管理ソフトウェアによって使用されます。クラスタ内に多数の共有ディスクがある場合は、特に、十分な領域を割り当てる必要があります。
ログファイル用に十分な領域を別途用意しておく必要があります。また、クラスタ化されたノードでは、標準的なスタンドアロンサーバーよりも、ログに記録されるメッセージが増えることがあります。したがって、ログファイル用として少なくとも 100M バイトを使用できるようにしてください。
/var – /var ファイルシステムでの Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール時点での占有サイズは、ごくわずかです。ただし、ログファイル用に十分な領域を別途用意しておく必要があります。また、クラスタ化されたノードでは、標準的なスタンドアロンサーバーよりも、ログに記録されるメッセージが増えることがあります。したがって、/var ファイルシステムには最低でも 100 MB の余裕を設けてください。
swap – Oracle Solaris と Oracle Solaris Cluster ソフトウェアに割り当てる swap 領域は、750M バイト以上である必要があります。最適な結果を得るには、Oracle Solaris OS に必要とされる容量に少なくとも 512M バイトを Oracle Solaris Cluster ソフトウェア用に追加します。さらに、Oracle Solaris ホスト上で実行されるアプリケーションが必要とする追加の swap 容量を割り当てます。
Solaris Volume Manager – Solaris Volume Manager 用として、20M バイトのパーティションをスライス 6 上に作成します。
Solaris Volume Manager をサポートする場合、このパーティションを次のいずれかの場所に作成できます。
ZFS ルートプール以外のローカルディスク
ZFS ルートプール (ZFS ルートプールがディスク上ではなくパーティション上に存在する場合)
各ローカルディスク上に、このためのスライスをべつに用意します。ただし、1 つの Oracle Solaris ホストにローカルディスクが 1 つしかない場合は、Solaris Volume Manager ソフトウェアが正しく動作するように、同じスライス内に 3 つの状態データベースのレプリカを作成する必要が生じることがあります。詳細は、Solaris Volume Manager 管理ガイドを参照してください。
Oracle Solaris OS を対話的にインストールする場合は、これらの必要条件を満たすためにパーティションをカスタマイズする必要があります。