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Oracle® Solaris Cluster 4.4 環境のインストールおよび構成

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更新: 2018 年 8 月
 
 

集中型インストーラを使用して Oracle Solaris Cluster ソフトウェアをインストールする方法 (clinstall)

この手順では、clinstall ユーティリティーを使用して 1 つ以上の潜在的なクラスタノードの大域ゾーンに Oracle Solaris Cluster フレームワークソフトウェアをインストールします。また、Oracle Solaris Cluster フレームワークソフトウェアがすでにインストールされているノードに、この手順を使用して追加のソフトウェアパッケージインストールすることもできます。


注 -  代わりに Oracle Solaris の pkg コマンドを使用して Oracle Solaris Cluster のグループパッケージや個々のパッケージをインストールするには、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアをインストールする方法 (pkg)を参照してください。

始める前に

次のタスクを実行します。

  • インストールの前提条件を確認します。

    • インストール対象のすべてのノードが、同じハードウェアアーキテクチャーを持っている。

    • すべてのノードに同じバージョンの Oracle Solaris ソフトウェアがインストールされている。

    • Oracle Solaris のインストールが、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアと、クラスタにインストールするその他のすべてのソフトウェアの要件を満たしている。


      注 -  clinstall ユーティリティーを GUI モードで実行する場合は、インストール対象のすべてのノードに Oracle Solaris の solaris-desktop グループパッケージをインストールする必要があります。
    • 各ノード名が有効な書式になっており、ネームサーバーによって解決可能である。

    • すべてのノードがオンラインになっている。

    • IPS リポジトリからインストールする場合: インストールする Oracle Solaris Cluster パッケージでリポジトリがすでに構成されている。

    • ISO イメージからインストールする場合: イメージファイルの抽出先となるディレクトリが、インストール対象のすべてのノードからアクセス可能な共有ファイルシステム上に作成されている。

  • Oracle Solaris Cluster のどのフレームワークグループパッケージまたはパッケージをインストールするかを決定します。次のマトリックスは、フレームワークグループパッケージと、各パッケージが提供する高レベルの Oracle Solaris Cluster コンポーネントの一覧です。


    注 -  完全な再インストールまたはアンインストールを行わないかぎり、ha-cluster-minimal グループパッケージの一部となっている個々のパッケージを追加または削除することはできません。ただし、その他のオプションのパッケージの追加や削除は、ha-cluster-minimal グループパッケージを削除しなくても行えます。
    機能
    ha-cluster-full
    ha-cluster-framework-full
    ha-cluster-data-services-full
    ha-cluster-geo-full
    ha-cluster/system/manager
    ha-cluster-framework-minimal
    *data-service
    フレームワーク
    エージェント
    ローカリゼーション
    フレームワークのマニュアルページ
    データサービスのマニュアルページ
    エージェントビルダー
    汎用データサービス
    グラフィカルユーザーインタフェース
    障害回復フレームワーク
  1. クラスタ管理コンソールを使用している場合、クラスタ内にある各ノードのコンソール画面を表示します。
    • 管理コンソール上で pconsole ソフトウェアがインストールおよび構成されている場合は、pconsole ユーティリティーを使用して個々のコンソール画面を表示します。

      root 役割として、次のコマンドを使用して、pconsole ユーティリティーを起動します。

      adminconsole# pconsole host[:port] […]  &

      また、pconsole ユーティリティーを使用してマスターウィンドウを開くことができます。ここでの入力を、個々のすべてのコンソールウィンドウに同時に送信できます。

    • pconsole ユーティリティーを使用しない場合は、各ノードのコンソールに個別に接続します。
  2. リモート手続き呼び出し (RPC) 通信への外部アクセスを復元します。

    Oracle Solaris OS のインストール中は、特定のネットワークサービスに対する外部アクセスを無効にする、制限されたネットワークプロファイルが使用されます。制限されるサービスには RPC 通信サービスも含まれますが、このサービスはクラスタの通信に必要です。

    RPC 通信への外部アクセスを復元するには、次のコマンドを実行します。

    # svccfg -s svc:/network/rpc/bind setprop config/local_only = false
    # svcadm refresh network/rpc/bind:default
    # svcprop network/rpc/bind:default | grep local_only 

    最後のコマンドの出力は、local_only プロパティーが現在 false に設定されていることを示しているはずです。

  3. インストールコマンドの発行用に使用するクラスタノードを決定します。

    このシステム (制御ノードと呼ばれる) は、clinstall ユーティリティーを実行し、指定されたすべてのノードにソフトウェアをインストールするためのコマンドを発行します。


    ヒント  -  インストールしようとしているノードが新しいクラスタ用のものである場合は、インストール済みのノードをクラスタとして確立する際に、この同じ制御ノードから scinstall コマンドを発行してください。そうしないで、別のノードを scinstall コマンドの発行元として選択した場合は、まず clauth コマンドをほかのノード上で再度実行して、その新しい制御ノードを承認する必要が生じます。
  4. インストール対象のほかのクラスタノードのそれぞれに制御ノードから到達可能であることを確認します。
  5. すべてのノードで、Oracle Solaris Cluster 4.4 パッケージリポジトリの場所を設定します。
    # pkg set-publisher -p file:///mnt/repo
    1. Oracle Solaris 11.3 から 11.4 にアップグレードされたホストに Oracle Solaris Cluster 4.4 ソフトウェアをインストールする場合は、まず consolidation/cacao/cacao-incorporation が Oracle Solaris 11.4 のバージョンにアップグレード済みであることを確認します。例:
      # pkg list consolidation/cacao/cacao-incorporation
      NAME (PUBLISHER) VERSION IFO
      consolidation/cacao/cacao-incorporation 11.4-11.4.0.0.0.1.0 i-- 
    2. パッケージのバージョンがまだ Oracle Solaris 11.3 からのものであった場合、すべてのノードで cacao パッケージをアップグレードします。
      # pkg update consolidation/cacao/cacao-incorporation
    3. パッケージが更新されたことを、pkg list を使用して確認します。
      # pkg list consolidation/cacao/cacao-incorporation
  6. 制御ノードを含むすべてのノードで、ha-cluster/system/preinstall をインストールします。

    ha-cluster/system/preinstall パッケージは clinstall で必要なソフトウェアを提供します。

    # pkg install ha-cluster/system/preinstall
    # pkg list ha-cluster/system/preinstall
    NAME (PUBLISHER)                 VERSION            IFO
    ha-cluster/system/preinstall     4.4-0.x.0          i--
    

    ha-cluster/system/preinstall パッケージは Oracle Solaris Cluster 4.4 リポジトリに含まれています。Oracle Solaris Cluster ソフトウェアをインストールする方法 (pkg)を参照してください。

  7. 制御ノードによるクラスタインストールコマンドの受け入れを承認します。

    このタスクは、インストール対象のすべてのクラスタノードで実行します。


    注 -  clauth コマンドを制御ノードに対して実行する必要はありませんが、実行しても clauth の操作やクラスタのインストール操作に問題はありません。
    phys-schost# clauth enable -n control-node

    注 -  sys (unix) 認証プロトコルではなく des (Diffie-Hellman) プロトコルを使用するには、コマンドに -p des を含めます。
    phys-schost# clauth enable -p des -n control-node

    DES 認証の設定方法については、『Managing Authentication in Oracle Solaris 11.4』の第 5 章「Authenticating NFS Connections in Oracle Solaris」を参照してください。


  8. 制御ノードから、clinstall インストーラを起動します。
    • グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を起動するには、-g オプションを使用します。
      phys-control# clinstall -g
    • 対話型のテキストベースのユーティリティーを起動するには、-t オプションを使用します。
      phys-control# clinstall -t
  9. clinstall インストーラのプロンプトに従って次の情報を提供します。

    一部の GUI またはテキスト画面には、その画面に関する追加情報にアクセスするための「ヘルプ」オプションが用意されています。

    提供するデータ
    ガイドライン
    ユーザーの値
    インストールモード
    クラスタフレームワークソフトウェアが各ノードにまだインストールされていない場合は、「初期インストール」を選択します。
    クラスタフレームワークソフトウェアがインストール済みで、ほかのコンポーネントソフトウェアを追加する必要がある場合は、「追加のクラスタパッケージのインストール」を選択します。
    • データサービス、データサービスのマニュアルページ

    • 汎用データサービス

    • Oracle Solaris Cluster Manager ブラウザインタフェース

    • 障害回復フレームワーク (以前の Geographic Edition)

    パッケージソースタイプ
    IPS リポジトリ、ISO イメージファイルのどちらを使用するかを選択します。
    インストール対象のクラスタノード
    GUI モードの場合、インストールするすべてのノードの名前のコンマ区切りリストを入力します。制御ノードにソフトウェアをインストールする場合は、制御ノードの名前を含めます。例:
    pnode1,pnode2,pcontrolnode
    テキストモードの場合は、ノードの名前を一度に 1 つずつ指定します。
    IPS リポジトリ (使用する場合)
    IPS リポジトリへの完全修飾パスまたは URI を入力します。
    ISO イメージ (使用する場合)
    ISO イメージファイルの完全修飾パスと名前を入力します。
    ISO イメージファイルの抽出先となるディレクトリへの完全修飾パスを入力します。このディレクトリは、インストール対象のすべてのノードからアクセスできる共有ファイルシステム上に存在する必要があります。
    パッケージ選択
    初期インストールの場合は、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアをインストールする方法 (pkg)の表で、各クラスタフレームワークパッケージグループの高レベルの内容を確認してください。
    データサービス (フレームワークのインストール後に追加する場合)
    表示された選択リストから、一度に 1 つのデータサービスパッケージを選択します。インストールするすべての追加パッケージで繰り返します。
  10. 処理のサマリーパネルで、選択内容を確認します。

    必要に応じて「戻る」をクリックして選択内容を変更したあと、「インストール」をクリックしてインストールを開始します。インストールの処理中は、ユーティリティーによって進捗メッセージが表示されます。

  11. 完了のサマリーパネルで、インストールのステータスを確認し、最終タスクを実行します。
    • テキストモードを使用している場合は、任意のキーを押してメインメニューに戻ったあと、次のいずれかのアクションを実行します。
      • 追加のクラスタコンポーネントをインストールするには、「追加のクラスタパッケージのインストール」を選択します。

        プロンプトに従って追加のクラスタパッケージをインストールします。

      • インストーラを終了するには、「終了」を選択します。

        テキストモードでは、すべてのノードで Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのソースを ha-cluster パブリッシャーとして設定するオプションも表示されます (まだ設定されていない場合)。

    • GUI モードを使用している場合は、次のアクションを実行します。
      1. Oracle Solaris Cluster Manager ブラウザインタフェースを起動するかどうかを選択します。

        インストーラの終了時にブラウザインタフェースを起動しない場合は、パネル下部にあるチェックボックスのチェックマークを外します。

      2. 「完了」をクリックしてインストーラを終了します。
      3. 追加のコンポーネントをインストーラする場合は、インストーラをもう一度起動し、「追加のクラスタパッケージのインストール」を選択します。

次のステップ

Oracle HSM ファイルシステムソフトウェアをインストールする場合、初期インストールの手順に従ってください。Oracle HSM ソフトウェアをインストールするを参照してください。

root ユーザー環境を設定する場合は、root 環境を設定する方法に進みます。