scinstall ユーティリティーは 2 つのインストールモード (通常またはカスタム) で実行されます。Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの通常インストールでは、scinstall によって自動的に、クラスタのトランスポートスイッチが switch1 と switch2 として指定されます。
次の構成計画ワークシートの 1 つに必要事項を記入します。計画のガイドラインについては、Oracle Solaris OS の計画および Oracle Solaris Cluster 環境の計画を参照してください。
「通常」モードのワークシート - 「通常」モードを使用して、デフォルト値をすべて受け入れる場合は、次のワークシートに必要事項を記入します。
|
「カスタム」モードのワークシート - 「カスタム」モードを使用して構成データをカスタマイズする場合は、次のワークシートに必要事項を記入します。
|
この手順を実行して、新しいノードを既存のグローバルクラスタに追加します。Automated Installer を使用して新しいノードを追加するには、Oracle Solaris および Oracle Solaris Cluster ソフトウェアをインストールおよび構成する方法 (IPS リポジトリ)の手順に従います。
この手順では、対話型の scinstall コマンドを使用します。インストールスクリプトを開発するときなど、非対話型の scinstall コマンドを使用する方法については、scinstall(8) のマニュアルページを参照してください。
これらのガイドラインに従い、次に示す手順で対話式の scinstall ユーティリティーを使用します。
対話式 scinstall を使用すると、先行入力が可能になります。したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、Return キーを押すのは一度だけにしてください。
特に指定のある場合を除いて、Control-D キーを押すと、関連する一連の質問の最初に戻るか、メインメニューに戻ります。
デフォルトの回答または前のセッションの回答が、質問の最後に角かっこ ([ ]) で囲まれて表示されます。入力せずに角かっこ内の回答を入力するには、Return キーを押します。
始める前に
次のタスクを実行します。
Oracle Solaris Cluster ソフトウェアをサポートするように Oracle Solaris OS がインストールされているか確認します。
Oracle Solaris ソフトウェアがすでにノード上にインストールされている場合は、Oracle Solaris のインストールが Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの必要条件、およびそのクラスタにインストールする予定のほかのソフトウェアの必要条件を満たしていることを確認してください。Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの要件を満たすように Oracle Solaris ソフトウェアをインストールする方法の詳細については、Oracle Solaris ソフトウェアをインストールする方法を参照してください。
SPARC: Oracle VM Server for SPARC の I/O ドメイン、またはゲストドメインをクラスタノードとして構成する場合、各物理マシン上に Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアがインストールされていることと、ドメインが Oracle Solaris Cluster の要件を満たしていることを確認します。Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアをインストールし、ドメインを作成する方法を参照してください。
Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのパッケージと更新がノードにインストールされていることを確認します。Oracle Solaris Cluster ソフトウェアをインストールする方法 (pkg)を参照してください。
クラスタが新しいノードの追加用に準備されていることを確認します。追加のグローバルクラスタノード用にクラスタを準備する方法を参照してください。
完成した通常モードまたはカスタムモードのインストールワークシートを使用可能にしておきます。追加のグローバルクラスタノードでの Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの構成 (scinstall)を参照してください。
Oracle Solaris の RPC 用 TCP ラッパー機能は、クラスタの構成に必要なノード間通信を妨げます。
次のコマンド出力例に示すように、config/enable_tcpwrappers が true に設定されている場合、TCP ラッパーが有効になっています。
# svccfg -s rpc/bind listprop config/enable_tcpwrappers config/enable_tcpwrappers boolean true
# svccfg -s rpc/bind setprop config/enable_tcpwrappers = false # svcadm restart rpc/bind
# ipadm create-ip interface # ipadm create-addr -T static -a local=address/prefix-length addrobj
詳細は、Oracle Solaris 12 でのネットワークコンポーネントの構成と管理 の How to Configure an IPv4 Interfaceを参照してください。
リンクローカルでない IPv6 パブリックネットワークインタフェースがクラスタ内に存在していないかぎり、クラスタの初期構成時に、IPMP グループが一致するサブネットに基づいて自動的に作成されます。これらのグループでは、インタフェースモニタリング用として推移的プローブが使用されるため、テストアドレスは必要ありません。
これらの自動的に作成された IPMP グループがユーザーのニーズに合わない場合や、リンクローカルでない IPv6 パブリックネットワークインタフェースが構成に 1 つ以上含まれているために IPMP グループが作成されない場合は、次のいずれかを実行します。
詳細は、Oracle Solaris 12 での TCP/IP ネットワーク、IPMP、および IP トンネルの管理 の Configuring IPMP Groupsを参照してください。
詳細は、Oracle Solaris 12 でのネットワークデータリンクの管理 の 第 2 章, Configuring High Availability by Using Link Aggregationsを参照してください。
このシステムは制御ノードです。
phys-schost# clauth enable -n control-node
sys (unix) プロトコルではなく des (Diffie-Hellman) 認証プロトコルを使用する場合、コマンドに –p des を含めます。
phys-schost# clauth enable -p des -n control-node
phys-schost-new# /usr/cluster/bin/scinstall
scinstall のメインメニューが表示されます。
*** Main Menu *** Please select from one of the following (*) options: * 1) Create a new cluster or add a cluster node * 2) Print release information for this cluster node * ?) Help with menu options * q) Quit Option: 1
「新しいクラスタとクラスタノード」メニューが表示されます。
scinstall ユーティリティーがノードを構成し、クラスタのノードをブートします。
ノードのサービスがまだオンラインでない場合は、次のステップに進む前に状態がオンラインに変わるまで待ちます。
phys-schost# svcs multi-user-server node STATE STIME FMRI online 17:52:55 svc:/milestone/multi-user-server:default
phys-schost# claccess deny-all
別の方法として、clsetup ユーティリティーを使用することもできます。手順については、Oracle Solaris Cluster 5.0 システム管理 の How to Add a Node to an Existing Cluster or Zone Clusterを参照してください。
phys-schost# clnode status
出力は次のようになります。
=== Cluster Nodes === --- Node Status --- Node Name Status --------- ------ phys-schost-1 Online phys-schost-2 Online phys-schost-3 Online
詳細は、clnode(8CL) のマニュアルページを参照してください。
/etc/hosts.allow ファイルへのこの追加を行わなかった場合、TCP ラッパーは、クラスタ管理ユーティリティーの RPC 経由でのノード間通信を妨げます。
# /usr/sbin/ipadm show-addr ADDROBJ TYPE STATE ADDR clprivnet0/N static ok ip-address/netmask-length …
phys-schost# pkg list
phys-schost# clnode set -p reboot_on_path_failure=enabled +
設定するプロパティーを指定します。
モニターされる共有ディスクパスすべてに障害が発生した場合の自動ノードリブートを有効にします。
phys-schost# clnode show === Cluster Nodes === Node Name: node … reboot_on_path_failure: enabled …
オートマウンタマップの変更の詳細については、Oracle Solaris 12 でのネットワークファイルシステムの管理 の Administrative Tasks for Autofs Mapsを参照してください。
次の例は、クラスタ schost に追加されたノード phys-schost-3 を示しています。スポンサーノードは、phys-schost-1 です。
Adding node "phys-schost-3" to the cluster configuration ... done Adding adapter "net2" to the cluster configuration ... done Adding adapter "net3" to the cluster configuration ... done Adding cable to the cluster configuration ... done Adding cable to the cluster configuration ... done Copying the config from "phys-schost-1" ... done Copying the postconfig file from "phys-schost-1" if it exists ... done Setting the node ID for "phys-schost-3" ... done (id=1) Verifying the major number for the "did" driver from "phys-schost-1" ... done Initializing NTP configuration ... done Updating nsswitch.conf ... done Adding cluster node entries to /etc/inet/hosts ... done Configuring IP Multipathing groups in "/etc/hostname.<adapter>" files Updating "/etc/hostname.hme0". Verifying that power management is NOT configured ... done Ensure that the EEPROM parameter "local-mac-address?" is set to "true" ... done Ensure network routing is disabled ... done Network routing has been disabled on this node. Having a cluster node act as a router is not supported by Oracle Solaris Cluster. Please do not re-enable network routing. Updating file ("ntp.conf.cluster") on node phys-schost-1 ... done Updating file ("hosts") on node phys-schost-1 ... done Log file - /var/cluster/logs/install/scinstall.log.6952 Rebooting ...
トラブルシューティング
構成の失敗 – 1 つ以上のノードがクラスタに参加できない場合、または間違った構成情報が指定された場合は、まずこの手順の再実行を試みます。それでも問題が修正されない場合は、誤った構成の各ノードで インストールの問題を修正する方法ために Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを構成解除する方法 の手順を実行して、クラスタ構成からそのノードを削除します。Oracle Solaris Cluster ソフトウェアパッケージをアンインストールする必要はありません。次に、この手順を再度実行します。
次のステップ
定足数デバイスを使用する既存のクラスタにノードを追加した場合は、グローバルクラスタへのノード追加後に定足数デバイスを更新する方法に進みます。
それ以外の場合は、定足数構成とインストールモードを確認する方法に進みます。