Oracle® Solaris ゾーンの作成と使用

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更新: 2015 年 5 月
 
 

非大域ゾーンのクローニングについて

クローンを使用すると、システムの既存の構成済みおよびインストール済みゾーンをコピーして、新しいゾーンを同一のシステム上に迅速にプロビジョニングできます。少なくとも、複数のゾーンで同一であってはならないコンポーネントに対しては、プロパティーとリソースをリセットする必要があります。したがって、zonepath は常に変更する必要があります。さらに、共有 IP ゾーンの場合は、各 net リソースの IP アドレスが異なっている必要があります。排他的 IP ゾーンの場合は、各 net リソースの physical プロパティーが異なっている必要があります。通常、アプリケーション固有の構成はクローンで再構成する必要があります。たとえば、ゾーン内にデータベースインスタンスがあり、そのゾーンをクローニングする場合は、クローン内のデータベースインスタンスを、別のインスタンスとして自身を認識するように再構成しなければならない可能性があります。

  • ゾーンのクローニングは、ゾーンのインストールほど時間がかかりません。

  • 新規ゾーンには、パッケージの追加やファイルの変更など、ソースゾーンをカスタマイズする過程で加えられた変更がすべて含まれます。

次の方法のいずれかを使用すると、ゾーンをクローンできます。

  • zoneadm clone コマンドを使用したゾーンのクローニング。この方法は、クローンする必要があるゾーンの数が少ない場合に推奨されます。

    クローニング元の zonepath とクローニング先の zonepath が両方とも ZFS 上にあり、同じプールに含まれる場合、zoneadm cloneコマンドは自動的に ZFS を使用してゾーンをクローンします。ZFS クローンを使用する場合、データが変更されるまでデータは実際にはコピーされません。したがって、最初のクローンにかかる時間はごくわずかです。zoneadm コマンドは、ソース zonepath の ZFS スナップショットを取得して、ターゲット zonepath を設定します。ZFS クローンの名前には、宛先ゾーンの zonepath が使用されます。


    注 -  ZFS クローンを使用してソースを複製できる場合でも、ZFS クローンは行わず ZFS の zonepath をコピーするように指定することができます。

    詳細は、同一システム上での非大域ゾーンのクローニングを参照してください。

  • 統合アーカイブファイルを使用したゾーンのクローニング。この方法は、データセンター環境などの大規模な配備で複数のゾーンをクローニングする必要がある場合に推奨されます。この方法でのゾーンのクローニングには、次の手順が必要です。

    1. 統合アーカイブファイルの作成。統合アーカイブファイルには、すべてのゾーンを含めることも、選択したゾーンを含めることもできます。

    2. zonecfg および zoneadm コマンドを使用した、1 つまたは複数の新しいゾーンの構成およびインストール。参照ソースとしてアーカイブを使用して新しいゾーンを作成すると、新しいゾーンは元のシステム構成を模倣します。

    詳細は、Oracle Solaris 11.2 でのシステム復旧とクローン の第 1 章Oracle Solaris のシステム回復とクローニング (概要)を参照してください。