Oracle® Solaris ゾーンの作成と使用

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更新: 2015 年 5 月
 
 

ゾーンがインストールされているシステムで使用するコマンド

Table 10–3 に示すコマンドにより、ゾーン機能に対する主要な管理インタフェースが提供されます。

表 10-3  ゾーンの管理およびモニターに使用するコマンド
コマンドリファレンス
説明
非大域ゾーンにログインします
現在のゾーンの名前を出力します
ゾーンのリソース使用率の監視に使用します
システムのゾーンを管理します
ゾーン構成の設定に使用されます
ゾーン ID と名前のマッピングに使用されます
ゾーン機能の説明を提供します
ゾーンコンソールのデバイスドライバ

zoneadmd デーモンは、ゾーンの仮想プラットフォームを管理する基本プロセスです。zoneadmd デーモンのマニュアルページは、zoneadmd(1M) です。このデーモンは、プログラミングインタフェースの構成要素ではありません。

次の表に示すコマンドは、リソース上限デーモンとともに使用されます。

表 10-4  rcapd とともに使用されるコマンド
コマンドリファレンス
説明
上限が定義されたプロジェクトのリソース使用効率をモニターします。
リソース上限デーモンを構成します。構成済みのリソース上限デーモンの現在のステータスを表示します。リソース上限制御を有効または無効にします。
リソース上限デーモン。

次の表で示すコマンドは、ゾーンがインストールされている Oracle Solaris システムで使用できるように変更されています。これらのコマンドには、ゾーンに固有のオプションが用意されています。指定するオプションによって異なる情報が表示されます。コマンドは、マニュアルページのセクション別に記載されています。

表 10-5  ゾーンがインストールされている Oracle Solaris システムで使用するために変更されたコマンド
コマンドリファレンス
説明
–z zone オプションが追加されました。このオプションは、大域ゾーン内でコマンドを実行する場合にのみ有用です。
–z zone オプションが追加されました。このオプションは、大域ゾーン内でコマンドを実行する場合にのみ有用です。
–z zoneidlist オプションが追加されました。このオプションは、大域ゾーン内でコマンドを実行する場合にのみ有用です。
–l オプションとともに使用する式 zone が追加されました。これを使用すると、現在のゾーン内で使用可能なすべての特権が一覧表示されます。また、zone–v オプションを指定して、冗長出力を取得できます。
idlist–i idtype でゾーン ID を使用することで、プロセスを指定できます。priocntl –i zoneid コマンドを使用すると、実行中のプロセスを非大域ゾーン内の別のスケジューリングクラスに移動できます。
ptree だけに –z zone オプションが追加されました。このオプションは、大域ゾーン内でコマンドを実行する場合にのみ有用です。
–o オプションが使用する、認識される format 名リストに、zonenamezoneid が追加されました。
指定したゾーン内のプロセスだけを一覧表示するため、–z zonelist が追加されました。ゾーンの指定には、ゾーン名またはゾーン ID を使用できます。このオプションは、大域ゾーン内でコマンドを実行する場合にのみ有用です。
プロセスに関連するゾーンの名前を出力するため、–Z が追加されました。名前は、追加された列ヘッダー ZONE の下に出力されます。
有効な引数をリスト表示するため、–i オプションとともに使用する zoneid が追加されました。
プール機能が有効な非大域ゾーン内で実行する際、–b–c–g–m–p–u–w、および –y オプションを指定すると、ゾーンのバインド先プールのプロセッサセット内のプロセッサの値だけが表示されます。
zonename トークンが追加されました。
–z zone-name オプションが追加されました。ゾーンの監査ログを取得する機能が追加されました。
プロセスが実行されたゾーンを識別するための変数 %z が追加されました。
すべての可視ゾーン内のマウントを表示する –Z オプションが追加されました。このオプションは、非大域ゾーンでは効果がありません。
デフォルトのコマンド出力にゾーン列を追加する –Z オプションが show サブコマンドに追加されました。ゾーン列は、現在、リソースが割り当てられているゾーンを示します。
デフォルトのコマンド出力にゾーン列を追加する –Z オプションが show サブコマンドに追加されました。ゾーン列は、現在、リソースが割り当てられているゾーンを示します。
ゾーン別のファイルシステムアクティビティーについて報告する –z オプションが追加されました。複数の –z オプションを使用して、選択したゾーンのアクティビティーをモニターできます。このオプションは、fstypes ではなく mountpoints のみをモニターする場合に使用しても効果はありません。
指定した fstypes のファイルシステムアクティビティーのすべてのゾーンにわたる集計を報告する –A オプションが追加されました。これは、–z または –Z オプションがどちらも使用されなかった場合のデフォルトの動作です。–A オプションは、fstypes ではなく mountpoints のみをモニターする場合に使用しても効果はありません。
–A オプションを –z または –Z オプションとともに使用すると、指定した fstypes のすべてのゾーンにわたる集計が別個の行に表示されます。
システム上のすべてのゾーンのファイルシステムアクティビティーを報告する –Z オプションが追加されました。このオプションは、–z オプションとともに使用しても効果はありません。このオプションは、fstypes ではなく mountpoints のみをモニターする場合に使用しても効果はありません。
プール機能が有効な非大域ゾーン内で実行すると、ゾーンのバインド先プールのプロセッサセット内のプロセッサ情報だけが提供されます。
インターネットプロトコルネットワークインタフェースおよび TCP/IP 調整可能パラメータの構成from-gz タイプは、非大域ゾーンでのみ表示され、非大域排他的 IP ゾーンに構成されている allowed-address プロパティーに基づいて大域ゾーンから構成されたアドレスであることを示します。zone アドレスプロパティーは、allowed-address によって参照されるすべてのアドレスが配置されるゾーンを指定します。ゾーンは、共有 IP ゾーンとして構成する必要があります。
大域ゾーンで実行すると、すべてのゾーンの kstat が表示されます。非大域ゾーンで実行すると、一致する zoneid を持つ kstat だけが表示されます。
プール機能が有効な非大域ゾーン内で実行すると、ゾーンのバインド先プールのプロセッサセット内のプロセッサの行だけが表示されます。
大域ゾーン内で使用された場合、すべてのゾーンの情報を表示します。排他的 IP ゾーンの TCP/IP モジュールに対して ndd を実行すると、そのゾーンの情報だけが表示されます。
現在のゾーンのみの情報を表示します。
現在のゾーンのみの統計情報を表示します。
zoneid リストが追加されました。リソースプールとともにゾーンを使用する方法については、Oracle Solaris 11.2 でのリソースの管理 のゾーンで使用されるリソースプールも参照してください。
–z zoneidlist オプションが追加されました。また、–Z オプションも追加されました。
プール機能が有効な非大域ゾーンで実行した場合、ゾーンのバインド先プールのプロセッサセット内のプロセッサだけを対象にして、プロセスが使用した最新の CPU 時間の比率が表示されます。
–a–t–T–J、および –Z の各オプションを指定すると、出力にはサイズ列の代わりにスワップ列が表示されます。報告されるスワップは、ゾーンのプロセスと tmpfs マウントで消費されるスワップの合計量です。この値により、各ゾーンで予約されているスワップをモニタリングしやすくなり、適切な zone.max-swap 設定を選択できます。
非大域ゾーン内で実行した場合、ゾーンで表示可能なプロセッサの情報だけが表示されます。
使用方法が変更されました。非大域ゾーン内から指定した場合、–F オプションをしても効果はありません。理由は、「断片化しない」というビットが常に設定されているためです。
プール機能が有効な非大域ゾーン内で実行すると、ゾーンのバインド先プールのプロセッサセット内のプロセッサ統計情報だけが報告されます。–p オプション指定時の出力と、pagefaults、および cpu 報告フィールドに適用されます。
P_ZONEID id 引数が追加されました。
呼び出し側が非大域ゾーン内にあり、プール機能が有効であるが、プロセッサがゾーンのバインド先プールのプロセッサセット内にない場合、エラーが返されます。
呼び出し側が非大域ゾーン内にあり、プール機能が有効であるが、プロセッサがゾーンのバインド先プールのプロセッサセット内にない場合、エラーが返されます。
idtype として P_ZONEID が追加されました。P_MYID 仕様の選択肢にゾーンが追加されました。EINVAL エラー説明内の有効な idtype リストに P_ZONEIDが追加されました。
呼び出し側が非大域ゾーン内にあり、プール機能が有効であるが、プロセッサがゾーンのバインド先プールのプロセッサセット内にない場合、エラーが返されます。
呼び出し側が非大域ゾーン内にあり、プール機能が有効であるが、プロセッサがゾーンのバインド先プールのプロセッサセット内にない場合、エラーが返されます。
呼び出し側が非大域ゾーン内にあり、プール機能が有効であるが、プロセッサがゾーンのバインド先プールのプロセッサセット内にない場合、エラーが返されます。
PRIV_SYS_CONFIGPRIV_SYS_ADMIN に変更されました。
file が参照しているファイルが絶対パスでない場合、ENOENT が返されます。
呼び出し側が非大域ゾーン内にあり、プール機能が有効な場合、PS_MYIDpsetid を使用して呼び出した場合と動作は同じになります。
ゾーン ID が、指定可能なターゲットプロセスに追加されました。ゾーン ID が EINVAL のエラー説明に追加されました。
呼び出し側のゾーン内部で使用可能なすべての特権セットで、「zone」文字列が追加されました。
呼び出し側が非大域ゾーン内にあり、プール機能が有効であるが、プロセッサがゾーンのバインド先プールのプロセッサセット内にない場合、エラーが返されます。
呼び出し側が非大域ゾーン内にあり、プール機能が有効な場合、sysconf(_SC_NPROCESSORS_CONF) および sysconf(_SC_NPROCESSORS_ONLN) は、ゾーンのバインド先プールのプロセッサセット内の合計プロセッサ数およびオンラインのプロセッサ数を返します。
ucred_getzoneid() 関数が追加されました。この関数は、プロセスのゾーン ID を返します。ただし、ゾーン ID を取得できなかった場合は -1 を返します。
n_type: NT_ZONENAME が追加されました。このエントリには、プロセスが実行されていたゾーンの名前を示す文字列が含まれます。
ゾーンのサポート内でオプションパラメータおよび環境変数が提供されるようになりました。
ゾーン内で実行中のプロセスに関する情報を取得する機能が追加されました。
in<zone name> フィールドが追加されました。このフィールドは、zonename 監査ポリシーが設定されている場合に使用されます。
プロセスによる追跡またはほかのゾーン内のプロセスへのシグナル送信を可能にする PRIV_PROC_ZONE が追加されました。zones(5) を参照してください。
ゾーンの ioctl() 呼び出しが追加されました。
ゾーンパラメータが追加されました。
cr の指し示すユーザー資格からゾーン ID を返す、crgetzoneid() が追加されました。