Oracle Solaris での共有ストレージサポート機能でゾーンを使用する場合、ゾーンフレームワークは、特定のゾーンの rootzpool リソースまたは zpool リソースに関連付けられたすべての ZFS ストレージプールを自動的に管理します。
ゾーンおよびストレージリソースの移行を容易にするため、rootzpool リソースまたは zpool リソースに関連付けられた ZFS ストレージプールは、永続的にはシステムで構成されません。これらは、システムのグローバル ZFS ストレージプールリポジトリ /etc/zfs/zpool キャッシュには表示されません。
ゾーンをインストールまたはクローンすると、ゾーンフレームワークは対応する ZFS ストレージプールを作成します。rootzpool または zpool リソースごとに zonecfg add storage コマンドを使用すると複数の共有ストレージリソースを構成できます。この場合、デフォルトで、ミラー化された ZFS ストレージプールが作成されます。
暗号化などのカスタム構成や、raidz や raidz2 などの異なる冗長性レベルを使用することによって、ZFS ストレージプールをあらかじめ作成できます。最初にゾーン構成内で必要なすべての共有ストレージリソースを構成したあと、zpool ユーティリティーを使用して、事前に作成された ZFS ストレージプールを再度エクスポートします。ゾーンフレームワークは最初に、ゾーンのインストールおよびクローニング中に、この事前に作成された ZFS ストレージプールをインポートして使用しようと試みます。
zoneadm attach 構文を使用するときに、ゾーンフレームワークはまず共有ストレージリソースをすべて構成し、次に構成済みの ZFS ストレージプールをすべてインポートします。
zoneadm detach コマンド構文の場合、ゾーンフレームワークは、まず構成済み ZFS ストレージプールをすべてエクスポートし、次に共有ストレージリソースをすべて構成解除します。
zoneadm uninstall コマンドを使用してゾーンをアンインストールする場合、ゾーンフレームワークはデフォルトで、まず構成済み ZFS ストレージプールをすべてエクスポートし、次に共有ストレージリソースをすべて構成解除します。ただし、zoneadm uninstall コマンドで –x force-zpool-destroy オプションを使用することによって、ZFS ストレージプールを破棄するように明示的に要求できます。
システムブート中に、ゾーン SMF サービス svc:/system/zones:default が実行されます。SMF サービスは、共有ストレージリソースを構成し、rootzpool リソースまたは zpool リソースを含むインストール済み状態のすべてのゾーンに対して ZFS ストレージプールをインポートします。この段階の障害はすべて、対応する SMF サービスログファイル /var/svc/log/system-zones:default.log に記録されます。
rootzpool リソースまたは zpool リソースで構成された ZFS ストレージプールは、ゾーン内部の仮想化された ZFS ストレージプールとして表示されますが、ゾーン管理者が直接管理することはできません。
実行中のゾーンで使用されている間、大域ゾーンで ZFS ストレージプールを破棄またはエクスポートすることはできません。
大域ゾーンから、ゾーンフレームワークで管理される ZFS ストレージプールでの管理アクションに対して zpool コマンドを使用できます。管理アクションには、特定のデバイスのオンライン化、オフライン化、障害の発生したデバイスの交換、デバイスの追加または削除などがあります。ゾーン構成を同期し続けるために、使用されている共有ストレージリソースに加えられた変更を反映するように、対応するストレージ URI を適宜更新します。