Oracle® Solaris 11.2 リンカーとライブラリガイド

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更新: 2014 年 7 月
 
 

ローカル監査の記録

ローカル監査要求は、オブジェクトがリンカーオプション –p または –P を使用して作成された場合に確立できます。たとえば、監査ライブラリ audit.so.1 を使用して libfoo.so.1 を監査するには、リンク編集時に –p オプションを使用して、この要求を記録します。

$ cc -G -o libfoo.so.1 -Wl,-paudit.so.1 -K pic foo.c
$ elfdump -d libfoo.so.1 | grep AUDIT
     [2]  AUDIT             0x96                audit.so.1

実行時には、この監査識別子があることにより監査ライブラリが読み込まれます。次に、識別するオブジェクトに関する情報がその監査ライブラリに渡されます。

このメカニズムだけでは、識別するオブジェクトの検索などの情報は監査ライブラリが読み込まれる前に発生します。できるだけ多くの監査情報を提供するため、ローカル監査を要求するオブジェクトの存在は、そのオブジェクトのユーザーに広く知らされます。たとえば、libfoo.so.1 に依存するアプリケーションを作成すると、そのアプリケーションは、その依存関係の監査が必要であることを示すよう認識されます。

$ cc -o main main.c libfoo.so.1
$ elfdump -d main | grep AUDIT
     [4]  DEPAUDIT          0x1be               audit.so.1

このメカニズムで監査が有効になると、アプリケーションのすべての明示的な依存関係に関する情報が監査ライブラリに渡されます。この依存関係の監査は、リンカーの –P オプションを使用することにより、オブジェクトの作成時に直接記録することもできます。

$ cc -o main main.c -Wl,-Paudit.so.1
$ elfdump -d main | grep AUDIT
     [3]  DEPAUDIT          0x1b2               audit.so.1